本当のスナップ写真とは?スナップ撮影の極意教えます!

スナップ写真の極意教えます

スナップファンの皆さんこんにちは。

皆さんスナップ撮影してますか?写真趣味として非常に人気のあるスナップ撮影ですが、スナップ撮影は「気楽に撮る写真」とか「お散歩撮影」という意味ではありません。

今回はスナップ撮影を成功させるためのコツと注意点をご紹介させて頂きます。



■そもそもスナップ写真とは何か?


まず第一にスナップ写真とは何か?というお話から。「そんなこと知ってるよ」という方もおられるでしょうが、改めてご説明させて頂きます。

スナップ写真に関して勘違いされている場合の多くが、「スナップ写真=気楽(手軽)に撮った写真」と思われているケースです。スナップ写真は英語では「Snapshot」ですが、この「Snap」とは「素早く」とか「サッと」といった意味があります。

ですから、動かない被写体を近所で撮影したり、街の風景を手持ちで撮ったりするのがスナップ写真ではありません。もちろん小さなカメラや単焦点レンズを使う事がスナップ写真という事でもありません。

スナップ写真とは、「日常の中で、起きた出来事や出会った光景・人物の一瞬を素早く撮影した写真のこと」を言います。

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「まさにその瞬間でなければ意味がない」というのがスナップ写真本来の形であり、1分後でも10分後でもその場所で同じ写真が撮れるのであれば、それはスナップ写真とは言えません。

あまり堅苦しく考える必要はありませんが、面白いシチュエーションやタイミングを狙うことで、よりスナップ写真らしさを出すことが出来るでしょう。

■ポイント1:これから何が起こるのか?を考える


スナップ撮影で大切な事は、とにかく自分の周辺をよく見ているということです。その上で、

  • 今何が起きているのか?
  • これから何が起きる可能性があるのか?

この2点をよく見ておきましょう。スナップ撮影のシャッターチャンスは極僅かしかありません。事が起きてから気づいたのでは間に合わない場合も多いもの。

そこで、大げさに言うなら未来を先読みしてチャンスを待ち構える必要があります。

  • あそこを歩いているサラリーマンはあの道に入っていきそうだ。ならあの場所に差し掛かった時に面白い画になりそうだ
  • あの小さな子供は今にもアイスクリームを落としそうだ、落とした瞬間のリアクションが狙い目だ

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といったように、次に起こりうる状況を予測してカメラを準備し、待ち構えておく事が必要です。

そのために、撮影者は自分の身の回りをよく見て、次に起こるであろう数秒・数十秒後の世界を予想しながら撮影に望むことが肝心です。

■ポイント2:常にカメラを携帯する、常に撮れる状態にしておく


事前に事象を予測するといってもいつでも上手くいく訳ではありません。また予想出来なくても素早く撮影態勢に入ることで、シャッターチャンスに間に合う場合もあります。

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そのために、チャンスが訪れた際に素早く撮影するためのポイントをご説明します。

カメラの電源を入れておく

事前にカメラの電源を入れておきましょう。電源OFF状態から電源ONにする場合、スリープ状態から復帰するよりも時間がかかります。また電源スイッチを入れる動作でさえも一瞬のチャンスを捉えるには足かせとなってしまいます。

カメラによってはあまり効果的でない場合もありますが、一眼レフやミラーレスの多くのモデルでは、電源OFFよりもスリープ状態の方が有効です。スリープ状態での電力消費はわずかですから、撮影の可能性が少しでもあるなら、電源は入れた状態でシャッターチャンスを待ちましょう。

カメラの設定のポイント

さて、カメラの設定に関してですが、スナップ撮影では一瞬のチャンスをものにする必要があるため、設定を細かく変える時間はありません。

そこでカメラ側の設定としては、

  1. さまざまなシチュエーションにある程度対応出来る汎用性の高い設定にする
  2. カメラの設定を決めうちし、撮れないものは諦める

撮影者はこの2択を迫られることになります。

1の「さまざまなシチュエーションにある程度対応出来る汎用性の高い設定にする」に関してですが、この汎用性を高くする設定というのは、カメラのさまざまなオート機能を利用します。

例えばオートフォーカスの測距点をオートに、ISO感度を自動調整することで、被写体の位置をある程度気にすることなくシャッターを切れますし、同じく露出もカメラに任せてしまえるので、環境の明るさが頻繁に変わる状況でも問題なく撮影することが可能になります。

面倒なことはカメラ任せにしてしまって、撮影者はシャッターチャンスやフレーミングに専念するというわけです。この方法はチャンスを逃さないことを最優先するには良い方法ですが、細かい撮影者の意図を反映させにくいというデメリットもあります。

対して2の、「カメラの設定を決めうちし、撮れないものは諦める」は、より潔いスナップ撮影のスタイルです。

あらかじめカメラの絞りやシャッタースピード、ISO感度設定などを設定しておき、その設定に適した被写体だけを探すというやり方で、対応可能なシチュエーションや被写体は限定されるものの、撮影者の意図をより反映出来るため、こちらを好む方もおられます。

スナップ撮影向きのカメラ選び

良く、「被写体に威圧感を与えない」「目立たないため」という理由でスナップ撮影には小型のカメラが適していると言われますが、実際のところカメラが大きくても小さくても、こちらに気づいた時点で撮られている側は撮られていることを認識します。

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またカメラが大きいか小さいかで被写体の表情に影響が変わるということもありませんし、認識されている時点で素の表情とは言えませんから、カメラの大小よりもご自身が使い易いと感じるカメラを選んで頂ければ良いでしょう。

ただ、何よりシャッターチャンスを重視するスナップ撮影では、いつも持ち歩ける、またすぐに取り出せる機材をお選び頂くのがオススメです。

スナップ撮影向きのコンパクトデジタルカメラ

もしも既にカメラをお持ちであればそちらで構いませんが、幾つかオススメのモデルをご紹介させて頂きます。まずはもっとも手軽で持ち運び易いコンパクトカメラから。

スナップ撮影向きのミラーレスカメラ

よりステップアップして本格的に撮りたいという方はミラーレスもオススメです。オートフォーカスや起動速度の速い機種をチョイスし、スナップ撮影向きのカメラとなっています。

撮影に際しては肖像権(人格権)などに十分配慮して行いましょう。

余談:機械式フィルムカメラ時代のスナップ撮影

機械式フィルムカメラの時代のスナップ撮影の一つのスタイルとして、F8程度に絞り、ISO400や800といったフィルムを使用して、マニュアルフォーカスで置きピンにして撮影するという手法がありました。

これは少し絞ることで被写界深度を広げ、マニュアルフォーカスでのピント合わせの時間を短縮するためです。また感度が高めのフィルムを入れておくことで、手ブレや被写体ブレを防ぐというわけです。

この撮影方法では、ファインダーを覗かずあらかじめ設定したピント位置に被写体が来るように撮影者自身が動き、被写界深度内に被写体が入った時点で撮影する方法もあります。

また現在でもどのあたりにピント位置があるのかを判別するために、マニュアルフォーカスレンズや、主に高級なレンズを中心に、オートフォーカスレンズにもピント位置を判別するための距離計が備え付けられています。

カメラのオートフォーカスが高速化した現代においてはそれほど大きなメリットはなくなりましたが、設定を決め打ちすることでより素早い撮影が出来るという考え方は現代に通じるものがあります。

■ポイント3:レンズの画角や特性を理解しておく


レンズの画角を把握しておくことは素早い撮影に重要

スナップ撮影では大まかなレンズの画角を把握しておくことで、被写体を見つけた際、撮影が可能か不可能か?レンズ交換すれば撮れるのか?どのレンズに替えればいいのか?など、レンズ交換やズーミングをスムーズに行うことが可能です。

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レンズごとの大まかな画角が頭に入っていれば素早い判断が行えるというわけです。

スナップ撮影はズームと単焦点レンズのどちらがいいの?

スナップ撮影では往々にして単焦点レンズを勧める方がおられますが、「一瞬をものにする」という本来の意味でのスナップ撮影では、レンズ交換が不要なズームレンズの方が適しています。

アンリ・カルティエ=ブレッソンを始め、多くの偉大な写真家が過去単焦点レンズでスナップ写真の傑作を撮影してきましたが、これは当時実用的なズームレンズやオートフォーカスカメラがなかったこと、また携帯性の問題であり、もし彼らが現代に活躍していたなら、オートフォーカスの速い一眼レフや小型軽量なミラーレス機に合わせて、ズームレンズを使うかも知れません。

とは言え、現代においても、構図調整や被写体をある程度諦める前提であれば、ズームレンズと比較してコンパクトで持ち歩きやすく、また大きくボカすことも出来る単焦点レンズも魅力です。

結局のところ「ズームレンズでなければ良い写真が撮れない」とか、「単焦点レンズでなければ良い写真が撮れない」といったことはありません。お持ちのレンズを活かして撮影するのが良いでしょう。

スナップ撮影に適した焦点距離は?

スナップ撮影と一口に言っても、広角スナップや望遠スナップなどもあり、一概にどのレンズが良いとは言えませんが、最も一般的なのは標準レンズによる撮影と言えるでしょう。

一般的に標準レンズとは35mm判での焦点距離50mm前後(対角46°程度)の画角を持つレンズを指しますが、スナップ撮影の定番画角というと、24〜85mm程度の範囲の画角が良く使われます。

標準ズームレンズは概ねこの範囲をカバーしていることが多いのですが、単焦点レンズの場合スナップ写真では何本も持って行っても結局使わなかったりレンズ交換が間に合わない場合が多い為、1本、ないしはカメラ2台体制でそれぞれ1本ずつ計2本程度までというのがオススメです。

単焦点レンズは何ミリを使うのがいい?

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もしあなたがレンズ交換式カメラなどの単焦点レンズで撮影したいとするならば、焦点距離ごとの写りの違いを知っておく必要があります。一般的な標準ズームの画角でそれぞれどのような写りの違いがあるかをご説明します。

  • 24mm→両目で見える範囲を十二分にカバーし、パースも大きくつく焦点距離です
  • 28mm→広い画角をもち、適度なパースやレンズによってはボケを生かすことも出来る焦点距離です
  • 35mm→引けば広く、寄れば大きくボカせるという汎用性の高い焦点距離です
  • 50mm→見た目に近いパースが付き、十分にボカせる焦点距離です
  • 85mm→注目して被写体を見た時の印象に近い画角を持ち、大きくボカす事も可能な焦点距離です

被写体を同じ大きさに写し込んだ場合、焦点距離の短いレンズではパースペクティブ(遠近感)が強くなり、焦点距離の長いレンズではパースペクティブが弱まり、圧縮効果が強まります。

フルサイズ以外のカメラでは何mmを選べばいいの?

上でご説明した焦点距離は35mm判換算での数値であり、センサーサイズによって同じ画角となるレンズの焦点距離は異なります。ピッタリ同じ焦点距離にこだわる必要はありませんし、また対応する焦点距離がない場合もありますから、以下の表を参考に近い焦点距離のレンズをお選び頂ければと思います。

焦点距離/センサーサイズ フルサイズ APS-C マイクロフォーサーズ 1.0型
24mm 24mm 16mm 12mm 8.8mm
28mm 28mm 18mm 14mm 10mm
35mm 35mm 23.3mm 17.5mm 12.9mm
50mm 50mm 33mm 25mm 18.5mm
85mm 85mm 56.6mm 42.5mm 31.5mm
135mm 135mm 90mm 67.5mm 50mm

■スナップ撮影の注意点、人格権としての肖像権について


昨今ではプライバシーの問題で、撮影目的だからといって誰彼構わず撮影するのは出来ない時代です。

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肖像権には、著名人や有名人などにの肖像が生む財産的価値としての権利だけでなく、一般人にも人格権としての肖像権があり、全ての国民は許可なく撮影・描写・公開されない権利を有しています。

これはみだりに自分の姿を公開されたり付け回されないためのものですが、被写体が不特定多数の人々として見られることを前提としている場合や、個人が特定出来ない場合などは一般的に人格権を侵害したとはみなされません。

  • お祭りの混雑の中に写っている
  • 後ろ姿で誰かを特定出来ない

といった場合には、人格権を侵害した事にはなりませんが、スナップ撮影ではこういった点に配慮し、肖像権やプライバシーを侵害しないよう配慮して撮影する必要があります。

Reported by 正隆