FPOにSONYの新センサーの特許が掲載されています。このイメージセンサーは、ピクセル単位での電子シャッターを有し、画素ごとに露光時間の変更を行うことで、非常に広いダイナミックレンジを得るという革新的なイメージセンサーです。
■止まることを知らないSONYのイメージセンサー開発
超広ダイナミックレンジを実現する仕組み
このイメージセンサーは画素ごとの露光時間を変えることが出来るため、ハイライト部の強い光が当たっている画素は速いシャッターを、シャドー部の光の当たり方が弱い画素はスローシャッターを切るということが可能になります。
それにより画素ごとの露光時間を変え、従来では到底不可能だった広いダイナミックレンジで撮影することが出来るとのこと。
ピクセルごとに露光制御出来るため、HDR合成よりもより細かい露出制御が出来る上、1回の露光で広ダイナミックレンジの画像を得ることが出来るというわけです。
有機薄膜を用いた他社のアプローチ
PanasonicやFUJIFILMが研究・開発を行なっている有機CMOSイメージセンサーには、「明暗同時撮像構造」と呼ぶ技術が採用されており、これは1画素内に明暗2つの感度検出セルを備え、1画素内で感度の違う2つの信号電荷蓄積量、2種類のノイズキャンセル構造を実装することが可能との事。
これにより1回の撮像で従来のイメージセンサー比100倍のダイナミックレンジ128dBを実現していると言います。
時代の一歩先へ、さらに先へ
誰が言ったのか忘れましたが、
- 19世紀はアイデアさえ良ければ売れた時代
- 20世紀はアイデアとクオリティが必要とされる時代になった
- 21世紀はアイデア・クオリティそして開発速度が重要になるスピードの時代
というのを聞いた事があります。
FUJIFILMとPanasonicが研究・開発中の有機CMOSイメージセンサーは、非常に広いダイナミックレンジをもつのが特長の一つですが、SONYも違う方式で超広ダイナミックレンジのイメージセンサーを開発しているとのこと。またしてもSONY製センサーがイメージセンサーの世界を席巻していくのかも知れません。
今回のパテントは基本的には風景や建築物などの撮影に有用な技術だと思いますが、SONYとしては動体にもある程度対応出来る目処が立っているようです。
詳しい特許内容はこちらに書かれていますが、かなり長い文章の上に英語であるため、興味のある方はご覧ください。
画像:FPO
Reported by 正隆