今日は一眼レフトップシェアメーカーキヤノンの2017年に発売されそうなカメラについて考えてみたいと思います。果たして気になるあのカメラの後継機は!?
■キヤノンの2016年について
キヤノンの2016年は、フラッグシップ一眼レフ、EOS-1D X Mark IIの発表から始まりました。その後もEOS 80DやEOS Kiss X80といった機種が発表されていきました。
2016年6月時点、一眼レフメーカーラインアップ | |||
メーカー | Nikon | Canon | PENTAX |
APS-C 入門機 | EOS Kiss X80 | ||
APS-C 入門機 | D3300 | EOS Kiss X7 | |
APS-C 入門機 | D5500 | EOS Kiss X8i | K-70 |
APS-C 中級機 | EOS 8000D | ||
APS-C 中級機 | D7200 | EOS 80D | |
APS-C 上級機 | D500 | EOS 7D Mark II | K-3 II |
フルサイズ 入門機 | D610 | EOS 6D | |
フルサイズ 中級機 | D750 | ||
フルサイズ 上級機 | D810 | EOS 5D Mark III | K-1 |
フルサイズ 上級機 | D810A | EOS 5Ds | |
フルサイズ 上級機 | Df | EOS 5Ds R | |
フラグシップ機 | D5 | EOS-1D X Mark II | 645Z |
機種合計 | 10機種 | 11機種 | 4機種 |
■EOS-1D X Mark III(EOS-1D X Mark II後継機)について
プロスポーツ機とはどうあるべきか?という問いに答える磨き抜かれた最高峰
EOS-1D X Mark IIは2016年4月28日に発売されており、キヤノンフラッグシップ機の製品サイクルを考えると、EOS-1D X Mark IIIの発売は2020年となります。そのため2017年中にEOS-1D X Mark IIIが発売されることはないでしょう。
スペックに関してはEOS-1D系は正常進化のお手本のようなシリーズですから、EOS-1D X Mark IIIにおいても、AF追随16コマ/秒、6K/60p動画などへと進化していくと考えられます。
それに合わせて現在はCFastとCFのダブルスロットも、CFastのダブルスロットへと変わっていくでしょう。
■EOS 5Ds Mark II/EOS 5Ds R Mark II(EOS 5Ds/EOS 5Ds R後継機)について
キヤノン最高画質を誇るコマーシャルフォト御用達モデル
EOS 5Ds/EOS 5Ds Rは2015年6月18日の発売で、製品サイクルは4年と考えられます。そのためEOS 5Ds Mark II/5Ds R Mark IIの発売は2018年後半〜2019年中と考えるのが妥当でしょう。
高解像度モデルということで最も注目すべき点は画素数ですが、キヤノンはAPS-Hサイズで既に1億画素を超えるイメージセンサーの開発に成功しており、高画素化自体には十分に対応出来ると考えられますが、高感度性能・画像処理・バッファメモリ・記録メディアなどに加えて、マーケティング上どこまでの高画素化が有効であるのかを考慮しつつ開発は既に始まっていると考えられます。
注目の画素数はSONYがα7R IIIで2016〜2017年にも7000-8000万画素に到達するという噂があることを考えると、後発となるEOS 5Ds Mark II/5Ds R Mark IIは1億画素レベルを検討しているのではないかと考えられます。
また動画に関してもキヤノンで初の6K/30p動画が搭載される可能性が高いモデルでもあります。
■EOS 5D Mark V(EOS 5D Mark IV後継機)について
ハイアマチュアからプロまで使われる大ヒット万能フルサイズ一眼レフ
現時点でEOS 5D Mark III後継機であるEOS 5D Mark IVは2016年秋のフォトキナに合わせて発表されると予想されています。
EOS 5Ds/EOS 5Ds Rといった高画素モデルが登場したことで、EOS 5Dシリーズは画素数と連写性能のバランスをとったシリーズとして発展していく可能性が高く、EOS 5D Mark IVも現時点では2800万画素程度になるのではないかという噂が有力視されています。
EOS 5D Mark Vに関しては、製品サイクルから考えると、2020年秋〜冬頃に発表されるのではないかと考えられます。EOS 5D Mark Vは、EOS 5D Mark IVからの正常進化と考えられます。
EOS 5D Mark IVがどの程度の画素数・連写性能で登場するかによりますが、恐らくは2800万画素前後、連続撮影枚数8〜9コマ/秒、4K/60p動画などの基本スペックと考えられるため、EOS 5D Mark Vはその延長線上の仕様と考えるのが妥当で、3200〜3600万画素、連続撮影枚数10コマ/秒、6K/60pもしくは8K/30p動画あたりが予想されます。
■EOS 6D Mark II(EOS 6D後継機)について
安いだけじゃない、軽量・使いやすいエントリーフルサイズ
キヤノンのエントリーフルサイズ機であるEOS 6D後継機であるEOS 6D Mark IIに関しては2017年中に発売されると予想されます。9月のフォトキナの目玉がEOS 5D Mark IVである可能性が濃厚で、EOS 6D Mark IIはタイミングをズラす必要があるというのがその理由です。
EOS 6D Mark IIについてですが、その前にEOS 5D Mark IVが発売されている可能性が高く、後発とはなりますが上位機であるEOS 5D Mark IVを超えるスペックを採用するとは考えにくいため、EOS 6D Mark IIの予想スペックは2400〜2800万画素の間、オートフォーカスの多点化、と共に、連写性能は秒間6コマ程度まで向上するのではないかと考えられます。
またより小型軽量を推進しつつも、SDXCダブルスロットの搭載が期待されます。
■EOS 7D Mark III(EOS 7D Mark II後継機)について
スポーツ・野鳥・航空機、フラッグシップ機に比肩する基本スペックを持つAPS-C最高峰
EOS 7D Mark IIはAPS-Cフラッグシップ機であり、2014年10月30日の発売日や前モデルであるEOS 7Dとの製品サイクルを考えると、EOS 7D Mark IIIの登場は2018〜2019年が妥当なところですが、後発であるライバル機、D500がEOS 7D Mark IIを上回るスペックで登場しているため、EOS 7D Mark IIIの登場も多少早まる可能性はあります。
現行のEOS 7D Mark IIも非常に高い完成度を誇るモデルですが、EOS 7D Mark IIIでは、オートフォーカスの更なる多点化、連続撮影枚数を10コマ/秒→12コマ/秒、4K動画の搭載、CFastメモリーカードの採用などが予想されます。
■EOS 90D(EOS 80D後継機)について
価格・機能・携帯性、全てにおいてバランスのとれた中級モデル
EOS 80Dは2016/2/18に発売されており、製品サイクルとしては2018年秋頃がEOS 90Dの登場予想時期となります。現行のEOS 80Dは中級機として非常にバランスが良く、優れたオートフォーカス性能、静止画・動画ともに使い勝手の良い機能性、携帯性など、中級機に求められる要素を上手く盛り込んだ地味ながら高い商品力を持ったモデルとなっています。
付加機能も盛りだくさんで、中級機にこれ以上何が求められるのかという部分がありますが、測距点数(45点オールクロス、低輝度限界-3EV)を61点へ、F8対応測距点(中央1点)の増加、約7.0コマ/秒の連写性能を8〜9コマへ、またGPSの内蔵などが考えられます。
■EOS 9000D(EOS 8000D後継機)について
エントリー機の中身に中級機の操作性を持たせた盲点とも言えるコンセプト
EOS 8000D は、EOS Kiss X8i を2ダイヤル化し中級機ライクな操作性と見た目を実現したモデルです。機能的にはEOS Kiss X8i と同等のモデルを上位機種として仕立てるという新しい商売の方法と言えるでしょう。
シリーズ化されるとすると、EOS Kiss X9iに付随して登場すると考えられるため、登場時期はEOS Kiss X9iと同じであると考えられ、スペックも同等となるでしょう。登場時期は2017年2〜6月あたりが予想されます。
■EOS Kiss X9i(EOS Kiss X8i後継機)について
基本スペックの向上が望まれる看板モデル
現行機のEOS Kiss X8i の発売日は2015/2/6となっており、後継機のEOS Kiss X9iの登場は2017年春頃が予想されます。現行のEOS Kiss X8i は相変わらず非常に売れている一眼レフではありますが、スペック的には競合他社のD5500やK-70に抜かれています。
Kissシリーズは非常に人気のあるブランドではありますが、最も売れているのはEOS Kiss X8i ではなく価格が大きく下落しているEOS Kiss X7となっており、EOS Kiss X8i はD5500に対してやや苦戦しています。これに加えてPENTAX渾身のエントリーモデルであるK-70も登場しました。
最新モデルを購入する方はスペックを詳細に比較する傾向にあるため、如何にKissシリーズとはいえ価格帯が競合するEOS Kiss X8i の場合ブランド力だけでは通用しないという現実があります。
後継機となるEOS Kiss X9iでは、中級機であるEOS 80D並みの機能をKissシリーズのボディに搭載してくる可能性が高く、デュアルピクセルCMOSイメージセンサーもKissシリーズで初めて搭載されると考えられます。
■EOS Kiss X8(EOS Kiss X7後継機)について
高いコストパフォーマンスを誇る大ヒットモデル
その圧倒的な安さと携帯性から現在最も売れている一眼レフ、それがEOS Kiss X7です。機能的にはそれほどインパクトがあるものではないものの、ミラーレス機と然程差がない携帯性を実現しているため、お子さん連れのパパママにも無理なく持ち運べる機種となっています。
2013/3/21に登場したモデルということで、既に発売から3年以上経過しています。後継機となるEOS Kiss X8では、19点オールクロスタイプのオートフォーカスモジュールやWi-Fiなどを搭載してくると考えられます。また現在D500 などでは、Wi-Fiの代わりに常時接続可能なBluetoothを使用しており、EOS Kiss X8に関わらず、キヤノンもBluetooth接続へと移行してくる可能性はあります。
■EFレンズについて
キヤノンEFマウントレンズに関しては、直近3年間で発売されたレンズは以下の通りです。
- EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM(APS-C用)
- EF35mm F1.4L II USM
- EF50mm F1.8 STM
- EF11-24mm F4L USM
- EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
- EF-S24mm F2.8 STM(APS-C用)
- EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM
- EF400mm F4 DO IS II USM
- EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM(APS-C用)
- EF16-35mm F4L IS USM
コンスタントに発売されているものの、EFレンズの大きな売りである大口径超望遠単焦点レンズに関しては、2011/2/7月に発売されたEF500mm F4L IS II USMを最後に5年以上に渡って発売されておらず元気がありません。
超望遠レンズの特許そのものは出されているため、2017年以降の発売に期待したいところです。
またEF35mm F1.4L II USMで採用された、キヤノン独自のBRレンズによる色収差の少なさは世界的に高く評価されており、今後はLレンズの単焦点ラインアップで随時採用されていくのではないかと考えられます。
- EF50mm F1.2L USM
- EF85mm F1.2L II USM
- EF135mm F2L USM
- EF14mm F2.8L USM
- EF180mm F3.5L マクロ USM
- EF200mm F2.8L II USM
などは発売から10年以上が経過しており、リニューアルが待たれるところです。
■キヤノンの2017年予想
キヤノンからは2016年秋にEOS 5D Mark IVの発表が濃厚で、2016年末〜2017年春にEOS Kiss X8、2017年中にEOS Kiss X9i、EOS 6D Mark IIなどの発表が予想されます。
オリンピックの逃してしまったため、恐らく今年・来年は超望遠大口径レンズは出さず、リニューアルが待たれているズームレンズや、ニコンやシグマ・タムロンで好評の普及価格帯超望遠ズームレンズなどに力を入れてくると考えられます。
いずれにせよ今年キヤノンの最大の目玉となるのは大ヒットフルサイズ一眼レフ、EOS 5D Mark III後継機、EOS 5D Mark IVとなるでしょう。
また来年2017年はEOS 6D Mark II及びフルサイズミラーレス機の登場が期待できます。
Reported by 正隆