海外の写真家、Dan Vojtechさんのポートレート撮影における被写体へのパースの付き方の違いに関する記事が非常にためになるのでご紹介します。
■ポートレート撮影における焦点距離別の写り方の違い
20〜200mmまでの焦点距離での被写体の写り方を比較すると、パースの付き方にかなりの差があることが見てとれます。
- 20〜35mm 鼻が大きく髪の毛が少なく見える
- 50〜105mm 顔の立体感と髪の毛と顔、頭部と肩のバランスがとれる
- 150〜200mm 髪の毛のボリュームが増え相対的に顔が小さく見える
焦点距離はポートレート撮影であっても表現に合わせて選ばれるべきもので、現代では超広角レンズを使用してのパースを強調したポートレートも決して珍しいものではありません。
一般的なバストショットではパースペクティブの付き方が自然な50mm・85mm・105mmなどの標準〜中望遠レンズが人気ですが、これはモデルさんとの撮影距離が程良いという意味もあるかと思います。また屋外ポートレートなどでは135〜200mmなどもよく使われます。
ここで、ポートレートカメラマンひらはらさんの感想です。
"焦点距離によって、まったく別人のように見えてしまうのが面白いですね!
人間の肩は顔に比べて少し後ろにあるので、望遠になるほど引き寄せられて肩幅が広く見えます。この作例を見ると、男性の体格をカッコよく見せる目的で200mmを使用するという選択はアリかもしれません。
50mmくらいだとまだ若干デフォルメ感のあるパースの付き方で、目や鼻が少し大きく見えあどけない感じを受けます。お子さんのポートレートなどで意識して使ってみると可愛らしいと思います〟
さまざまなレンズの特性を生かしてポートレートに表現の幅を与えてみましょう。
Reported by 正隆