感度の基準は2つある!?標準出力感度と推奨露光指数のお話

EOS 5D Mark IV

フィルムやデジタルカメラでは、露光できる光の強弱を表す指標としてISO感度があります。しかしこの感度の表記には、「推奨露光指数」と「標準出力感度」という2つの基準があります。

カメラの仕様表などを見ると、「推奨露光指数」と「標準出力感度」どちらで表記しているかはメーカーによって異なります。果たしてこの2つの表記は何が異なるのでしょうか?今回は「推奨露光指数」と「標準出力感度」についてご紹介します。



■推奨露光指数(REI)とは?


推奨露光指数はREIとも呼ばれ、これは「Recommended Exposure Index」の略です。

推奨露光指数は各カメラメーカーや露出計メーカーが適切と考える露光量に基づいて決められる指標で、メーカーが推奨する像面平均露光量の露光指数となります。そのため推奨露光指数はメーカーごとの適正露出に対する考えが影響した数値となっています。

推奨露光指数は、

REI(推奨露光指数)= 10/Em(像面平均露光量:単位lx・s)

によって求められます。

■標準出力感度(SOS)とは?


対して標準出力感度はSOSとも呼ばれ、こちらは「Standard Output Sensitivity」の略となっています。

標準出力感度は、所定の撮影条件下で静止画撮影を行った場合に所定のデジタル出力値を得るために必要な入力露光量を求め、これを換算して数値化したもので、18%の反射率を持つ被写体を撮影した際に8bitで0から255段階中の118となる明るさが基準となっています。

標準出力感度は、

SOS(標準出力感度)= 10/Hm(当該露光量:単位lx・s)

によって求められます。

■推奨露光指数で表記するメーカー、標準出力感度で表記しているメーカー


「標準出力感度」はカメラの光感応性に基づいて規定される測定量であるのに対し、「推奨露光指数」はカメラメーカーによる画質(露光量)評価に基づく推奨設定指標であるため、メーカーごとの適正露出に対する考え方の違いが影響を及ぼします。

そのため「標準出力感度」と「推奨露光指数」は概念的には異なりますが、カメラを実際に使用する上ではその露出制御に関してどちらもおおよそ適切に機能します。ですから「標準出力感度」と「推奨露光指数」のどちらでなければダメということではありません。

メーカーそれぞれに考え方があるため、仕様表上などで「標準出力感度」「推奨露光指数」どちらの基準で記載されているかはメーカーによって異なります。

  • 推奨露光指数(REI)派 → キヤノン、ニコン、ソニー
  • 標準出力感度(SOS)派 → オリンパス、パナソニック、リコー/ペンタックス、フジフイルム

となります。

参考:CIPA
画像:Canon

Reported by 正隆