ワールド・イメージング・アワード 2016が発表されましたので、今回はワールド・イメージング・アワード/レンズ部門をご紹介します。
レンズ部門は2016年に発売されたすべての写真用交換レンズを対象とし、質感や操作性、オートフォーカスや描写性能といった様々な角度から選考され、有識者による投票によってベストレンズが選出されます。
果たして2016年のベストレンズはどれなのか!?レンズ部門各賞を一挙ご紹介!
■ワールド・イメージング・アワードとは?
「映像機器のオリンピック」とも呼ばれるワールド・イメージング・アワードは、
カメラカテゴリー
- 一眼レフ部門
- ミラーレス部門
- コンパクト部門
- レンズカテゴリー
- 超広角レンズ部門
- 広角レンズ部門
- 標準レンズ部門
- 中望遠レンズ部門
- 望遠レンズ部門
- 超望遠レンズ部門
- 特殊レンズ部門
- アクセサリーカテゴリー
- 三脚部門
- 雲台部門
- カメラバッグ部門
- その他アクセサリー部門
の3つのカテゴリーの中に全14の部門があり、各年に発売された映像機器製品の中から選出されます。
■超広角レンズ部門
大賞:Canon EF16-35mm F2.8L III USM
EF16-35mm F2.8L III USMはキヤノンが誇るいわゆる大三元レンズの一つで、F2.8通しの超広角ズームレンズです。
プロカメラマンやハイアマチュアに絶大な人気を誇るシリーズの最新モデルですが、EF16-35mm F2.8L III USMは大口径のガラスモールド非球面レンズを2枚と研削非球面レンズを1枚採用しています。
EF16-35mm F2.8L III USMは周辺光量落ちがやや大きいものの、高い解像力が魅力の大口径ズームレンズです。16mm域では強めの樽型収差、24mm域ではほとんど収差が見られず、35mm域では軽い糸巻き収差が発生しますが、EOS 5DsやEOS 5Ds Rといった超高画素時代に対応した高解像レンズとなっています。
超広角レンズ部門入賞製品
- Panasonic:LEICA DG SUMMILUX 12mm/F1.4 ASPH.
- SIGMA:12-24mm F4 DG HSM | Art
- ZEISS:Batis 2.8/18
- ZEISS:Milvus 2.8/21
- Tokina:AT-X 14-20 F2 PRO DX
■広角レンズ部門
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROはマイクロフォーサーズでも大きなボケを求める人にピッタリの標準単焦点レンズです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROのレンズ構成は14群19枚(スーパーEDレンズ 1枚、EDレンズ 2枚、E-HRレンズ 1枚、HRレンズ 3枚、非球面レンズ 1枚)という非常に贅沢な構成となっており、スナップやポートレートなどに最適な高画質標準レンズとなっています。
広角レンズ部門入賞製品
- FUJIFILM:FUJINON XF23mmF2 R WR
- ZEISS:Otus 1.4/28
- ZEISS:Milvus 2/35
■標準レンズ部門
SONY FE 24-70mm F2.8 GM
FE 24-70mm F2.8 GMはソニーEマウントの最高峰標準ズームレンズとなっており、超高度非球面レンズ「XA(extreme aspherical)レンズ」1枚を含む計3枚の非球面レンズを採用しています。
またナノ粒子コーティングである「ナノARコーティング」も搭載し、フレアやゴーストを効果的に抑制しています。
FE 24-70mm F2.8 GMはEマウントユーザー待望のF2.8通しズームレンズとして登場しましたが、単に明るいというだけでなく非常に高画質なレンズとして高く評価されています。
標準レンズ部門入賞製品
- SONY:Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
- ZEISS:Milvus 1.4/50
■中望遠レンズ部門
Nikon AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDは三次元の被写体を立体的に表現することを目的とした三次元ハイファイの設計思想を採用しています。
ピント面からアウトフォーカス部へと自然に変化していくのが特徴の一つで、ピント面から外れた瞬間急にボケるといった不自然さを抑制しています。ピント面の高いシャープネスと自然なボケ味は、ポートレートなど大きなボケ味を生かした撮影に高い威力を発揮します。
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDはナノクリスタルコートも採用し、高い逆光耐性を実現していることも魅力です。
中望遠レンズ部門入賞製品
- SIGMA:50-100mm F1.8 DC HSM | Art
- SIGMA:85mm F1.4 DG HSM | Art
- TAMRON:SP 85mm F/1.8 Di VC USD(Model F016)
- TAMRON:SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)
- SONY:FE 85mm F1.4 GM
■望遠レンズ部門
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは35mm判換算で600mm相当という画角をもつマイクロフォーサーズ用の超望遠レンズで、オリンパスとしては初めてレンズ内手ぶれ補正機構を搭載、ボディ内手ぶれ補正との協調動作によって世界初のシャッタースピード6段分という驚異的な補正能力を実現しています。
色収差、歪曲収差、周辺減光の全てが非常に小さく抑えられており、開放F値から高い画質を実現しています。
1.4倍テレコンバーターMC-14と組み合わせることで35mm判換算で840mm相当の超望遠を実現しながらも画質劣化を最小限に抑えていることもM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROの大きな魅力です。
望遠レンズ部門入賞製品
- Canon:EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
- SONY:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
- Nikon:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
■超望遠レンズ部門
SIGMA 500mm F4 DG OS HSM Sports
500mm F4 DG OS HSM Sportsは非常に高級感の高い外装処理が施されており、メーカー純正レンズと比較しても全く引けを取らないものとなっています。
また別売りのレンズフットTS-81はアルカスイス互換プレートであるため、現在プロ・ハイアマチュアには主流となりつつあるアルカスイス系クランプにそのまま固定することが可能です。
500mm F4 DG OS HSM SportsはFLDガラス2枚とSLDガラス1枚を採用、開放F値から非常に高い画質を実現しています。周辺減光はややあるものの、オートフォーカスも高速で、超望遠大口径レンズとして非常に魅力の高いものとなっています。
超望遠レンズ部門入賞製品
- LEICA:LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.
- FUJIFILM:FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
- TAMRON:SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)
■特殊レンズ部門
Nikon PC NIKKOR 19mm f/4E ED
PC NIKKOR 19mm f/4E EDアオリ機能を搭載した超広角レンズです。
建築物の撮影や内装を広く見せたい際などに適した19mmの非常に広い画角をもち、ティルトシフト機構は操作の自由度が増した新たなレボルビング機構を採用しています。
さらにロック操作が不要なシフト機構によりアオリ撮影時の操作性が向上している点も「新世代のアオリレンズ」という印象を強めています。
もちろん画質面においても高い解像力と周辺までの均一性を実現しており、高画質な超広角レンズとしてもお使いいただけます。ナノクリスタルコート採用による高い逆光耐性はもちろん、フッ素コートも採用しているため、いわゆる出目金タイプの前玉ではあるもののメンテナンス性にも配慮された作りとなっています。
特殊レンズ部門入賞製品
- Canon:EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
■ワールド・イメージング・アワード 2016-2017を振り返って。
もちろんワールド・イメージング・アワードは私の脳内でのみ開催されているものです。
画像:Amazon
Reported by 正隆