昨年のデジタルカメラ出荷実績はなんと31.7%減の前年比68.3%!

CP+ 2017

カメラ映像機器工業会(CIPA)が2016年のデジタルカメラの出荷実績を発表しました。昨年春の熊本地震の影響で多くのカメラメーカーが思うように生産が行えなかったこともあり、デジタルカメラの出荷実績は、2015年と比較して68.3%と、3割以上減少したとのこと。

今回は昨年のデジタルカメラの出荷実績の話題をご紹介します。



■2016年出荷実績と2017年の見通し


CIPAの発表を要約すると以下のような感じです。

デジタルカメラ全体での出荷実績
  • 2016年出荷実績、総出荷は対前年比68.3%
  • レンズ交換式カメラの構成比は48%に拡大
  • 2016年(1~12 月累計)のデジタルカメラ総出荷実績は2千420万台
  • デジタルカメラの出荷実績は1999年の統計開始以来、2007年に1億台を突破するまでは右肩上がりで推移した
  • 世界的な景気後退の影響を受けた2009年に初めて減少、2010年は増加に転じたものの、2011年は東日本大震災やタイ国洪水により深刻な打撃を受けて再び減少、これ以降も減少が続いている
  • 2016年4月の熊本地震はデジタルカメラ主要部品大手の工場を直撃して一時操業停止の事態に至らしめるなど、その影響は決して軽微なものではなかった
  • 当該部品の供給が再開し始めた秋以降の実績では顕著な回復傾向を示しており、こうした基調を引き継ぐ2017 年は当業界にとってリベンジを期す年で、年初のスタートダ ッシュから決して力を緩めることの出来ない年と位置付けられる
ジャンル別構成比
  • 総出荷数量が減少を続ける中にあって、品目別構成比では高付加価値・高単価商材 である、レンズ交換式デジタルカメラが 2013年に27%、2014年に32%、2015年に37%と構成比を拡大している
  • レンズ交換式デジタルカメラの構成比は、2016年は48%に至った
下げ止まらないコンデジと、復活を賭ける一眼
  • レンズ交換式デジタルカメラは対前年比88.9%で、レンズ一体型デジタルカメラ(いわゆるコンパクトデジタルカメラ)は、1千260万台と対前年比56.3%と極めて低調な実績に終わった
  • レンズ交換式デジタルカメラは1千160万台で、熊本地震直後は対前年比 7 割程度に低迷したが、秋から9割代、年末に掛けて2ケタアップ と勢いを取り戻し、年間計でも対前年比9割まで戻すことが出来ている
海外で粘るレンズ交換式カメラと交換レンズ
  • 地域別では「レンズ一体型デジタルカメラ(コンデジ)」の日本向けが68.4%、日本向け以外が54.2%、「レンズ交換式デジタルカメラ(一眼)」の日本向けが78.8%、日本向け以外が90.4%
  • レンズ一体型デジタルカメラ(コンデジ)がスマートフォンとの苛烈な競合に晒される中、スマートフォンと一線を画すレンズ交換式デジタルカメラ(一眼)は底堅い
  • 交換レンズの出荷実績は対前年比88.6%で、1千920万本の出荷となっている
  • 対を為すボディ側の生産の低迷とのリンクを免れることは出来なかったが、ボディ側に対して1.6~1.7 倍のスケールを誇る以前からの傾向は堅持した
2017年のデジタルカメラ出荷見通し
  • 2017年(1~12 月累計)のデジタルカメラ総出荷は2千170万台で対前年比89.7%と見 通した
  • 品目別では「レンズ一体型デジタルカメラ」が1千50万台で対前年比83.3%
  • レンズ交換式デジタルカメラは1千120万台で96.6%
  •  レンズ交換式カメラ用レンズは1千800万本で対前年比 93.8%と見通した
  • スマートフォンで写真に目覚めてデジタルカメラを買い求めるステップアップ需要など「レンズ一体型デジタルカメラ」に対して「レンズ 交換式デジタルカメラ」がより堅調に推移することを見通した

参考:CIPA(※PDF)
画像:CP+

Reported by 正隆