北朝鮮情勢が緊迫していますが、今回は日本が核攻撃などの武力攻撃を受けた際に発せられるJアラート(全国瞬時警報システム)と、その際の避難方法を、「内閣官房 国民保護ポータルサイト」のガイドブックからご紹介したいと思います。
日本が核攻撃を受けるというのはまさに最悪の状況であるわけですが、転ばぬ先の杖ということでお付き合い頂ければと思います。
■Jアラート(全国瞬時警報システム)とは?
Jアラートとはなにか?
まず、日本が核攻撃を含む武力攻撃を受けた際、我々がそれを知るためのシステムであるJアラート(全国瞬時警報システム)についてご説明させて頂きます。
Jアラートは、津波などの大規模災害や、武力攻撃・テロなど、日本国民に甚大な被害が懸念される自体が発生した際、国民保護のために必要な情報を通信衛星を利用して瞬時に国民に知らせる警報システムのことです。
Jアラートは自然災害などさまざまなケースに対応していますが、有事に関する物としては、
- 弾道ミサイル
- 航空攻撃
- ゲリラ・特殊部隊
- 大規模テロ
などに対応しています。
Jアラートは何をしてくれるのか?
Jアラートは、こうした武力攻撃を内閣官房が察知した際、全国の地方公共団体やあらゆる公共機関にこの情報が伝わり、自動起動による警報・音声放送・各キャリアの緊急メールなどまさに「ありとあらゆる方法で」国民に非常事態が伝達されます。
日本に向けて弾道ミサイルが発射された場合
仮に日本に向けて弾道ミサイルが発射された場合、Jアラートは上図のような流れによって警報を発します。
まずは第一段階として、弾道ミサイルが日本に向けて発射された場合、それを内閣官房が察知した時点で弾道ミサイルが発射された事がJアラートによって国民に伝えられます。
次にその後弾道ミサイルがどのようなルートを通るかを判断し、3つのパターンに分けて続報が伝えらえます。
- 弾道ミサイルが【日本に落下する可能性があると判断した】場合
- 屋内避難の呼びかけ
- 落下場所等についての情報
- 弾道ミサイルが【日本の上空を通過した】場合
- ミサイル通過情報
- 弾道ミサイルが【日本の領海外の海域に落下した】場合
- 落下場所等についての情報
ケース2及びケース3に関しては、勿論好ましい状況ではないとはいえ直接の被害がその時点では発生していません。問題は弾道ミサイルが日本に落下すると判断された場合のケース1になります。
「弾道ミサイルが日本に落下する」と判断された場合、Jアラートによってすかさず屋内避難の呼びかけが行われるようになっています。
では、実際に屋内避難とはどのような建物に、どのようにして避難すれば良いのでしょうか?事項では内閣官房のガイドブック及び有識者らによる意見を参考にご説明させて頂きます。
■核攻撃を受けた際の避難場所・避難方法
実際に「日本に着弾する形で核弾頭を搭載した弾道ミサイルが発射された」と仮定し、Jアラートによって屋内避難の呼びかけが行われた場合の適切な避難場所及び避難方法について解説します。
猶予は数分
Jアラートがいかに優れたシステムであっても、弾道ミサイルの発射後瞬時に警報を発する事が出来るわけではなく、仮に北朝鮮から日本に向けて弾道ミサイルが発射された場合、発射から着弾までは約10分、Jアラートが国民に届いてから着弾までは着弾場所によって多少異なるものの、「数分程度の猶予」と言われています。
つまり出来るだけ早く、遅くとも2〜3分以内に、なるべく頑丈な地下施設や建築物に退避する必要があるというわけです。
避難場所の有力候補
避難する際より助かる確率の高い場所は以下のような順になっています。
- 地下街や地下鉄、地下駐車場などの地下施設
- 鉄筋コンクリートなどの頑丈な建築物
- 一般家屋
このようになっています。
最有力は地下施設
まず地下施設に関しては、一説では「爆心地であったとしても、地下に避難していれば生存率は高いだろう」と言われています。そのため、もしも近くに地下鉄・地下街・地下駐車場などがあれば、落ち着いて、かつ速やかにそちらに避難しましょう。
しかしながら地下施設及びそこに至る階段は多くの人々が殺到する可能性があるため、冷静に行動する事を心がけましょう。
頑丈な鉄筋コンクリートの建築物への避難も有力
もしも速やかな地下施設への避難が難しい場合、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建築物へ避難しましょう。鉄筋コンクリートは核攻撃による爆風にも耐えるケースがあり、また現代では多くの公共施設やマンションが鉄筋コンクリートの建築物であるため、地下施設への入り口が付近に見当たらない場合は、なるべく頑丈な鉄筋コンクリートの建物に避難すると良いと言われています。
ただし地下施設とは異なり建築物の場合は窓があるため、建物内に避難した場合も窓からは離れ、なるべく窓のない建築物の中心部へ移動しましょう。
何もないよりは建物に
速やかな地下施設や頑丈な鉄筋コンクリートの建築物に避難する事がどうしても困難な場合、とりあえず近くにある家屋に避難しましょう。こうした建物の場合、不運にも爆心地に近かった場合には建物そのものが吹き飛ばされたり、倒壊した建物の下敷きになる可能性もありますが、直接核の熱線を浴びるよりは助かる可能性が高いと言えるでしょう。
もしも猶予時間内に地下施設や安全な建物に避難する事が可能であれば、可能な限り頑丈な建築物へ避難するべきですが、そのための十分時間が無いと判断される場合は近くの家屋に避難しましょう。
窓から離れなるべく建物内部の頑丈な場所へ移動
地下施設に避難できなかった場合、可能な限り頑丈な建築物へと避難するのは既に申し上げましたが、建築物内に避難しただけで安心は出来ません。
熱線を浴びないよう、窓から離れてなるべく建物内部の頑丈な場所へと移動しましょう。もしもどうしても窓がある部屋への避難しか出来ない場合、カーテンを締め、床に伏せると良いと言われています。
例えばそれが鉄筋コンクリートの建物であれば、なるべく窓から離れ、建物内部の頑丈な部分へと移動しましょう。自宅で避難するという状況あれば、すかさずカーテンを締めて、換気扇を止め、お風呂場やトイレなど窓のない場所に移動して続報を待ちましょう。
■転ばぬ先の杖
北朝鮮情勢が非常に緊迫しているため今回特別編として、日本が核攻撃を受けるという最悪のケースを想定し、内閣官房国民保護ポータルサイトのガイドブックなどの情報を元にこの記事を書かせていただきました。
今回参考にさせて頂いた内閣官房の「武力攻撃やテロなどから身を守るために」のガイドブックはこちらから(※PDF)ご覧いただく事が出来ます。
日頃から心構えと家族との知識の共有を行い、最悪の事態が起こらないように祈りつつ十分な備えをしておきましょう。
参考:内閣官房国民保護ポータルサイト
画像:内閣官房国民保護ポータルサイト
動画:J-CASTチャンネル
Reported by 正隆