キヤノンの大ヒットフルサイズ一眼レフEOS 6D後継となる、EOS 6D Mark IIが正式発表されました。
EOS 6D Mark IIは有効画素数2620万画素の専用イメージセンサーとデュアルピクセルCMOS AFを採用し、さらにバリアングル液晶を搭載するなどのフルモデルチェンジを果たしています。
加えてEOS 6D Mark IIの詳細スペックに加えて旧モデルとなるEOS 6Dと、EOS 5D Mark IV、さらにはニコンのD750やペンタックスのK-1との性能比較表を製作してみましたのでご紹介します。
■EOS 6D Mark IIの特徴
EOS 6D Mark IIの主な特長
EOS 6D Mark IIはEOS 6D(2012年12月発売)の後継機種で、4年半ぶりの登場となったエントリーフルサイズ一眼レフです。
前モデルと比較して、新型イメージセンサーと新型画像処理エンジンによる高画質化、さらにオートフォーカス性能の劇的な進化、それに合わせて動体にも対応できる連写性能のアップをなしています。
さらに自撮りやローアングル・ハイアングルに対応したバリアングル液晶モニターとライブビューでも高速に動作するデュアルピクセルCMOS AFを採用したことで、オールラウンドな被写体に対応できる性能と小型軽量を両立し、ハイアマチュアユーザーに最適な性能を実現しています。
フルサイズセンサーならではの高画質
EOS 6D Mark IIには、専用となる有効画素数約2620万画素のフルサイズイメージセンサーと最新の画像処理エンジンであるDIGIC 7を搭載しています。
これによって常用ISO感度ISO100-40000を達成、高感度耐性も大幅に向上させており、夜景や室内スポーツなどにも対応できる高感度性能を実現しています。
持ち運びに優れた携帯性と快適な操作性
EOS 6D Mark IIはフルサイズデジタル一眼レフで世界最軽量を実現していた前モデルのEOS 6Dのコンセプトを受け継ぎ、新たにバリアングル液晶モニターやさまざまな機能アップを果たしながらもバッテリーやメモリーカードを含む状態で約765gという軽量を実現しています。
EOS 6D Mark IIの基本仕様
- 総画素数:約2710万画素
- 有効画素数:約2620万画素
- 画像処理エンジン:DIGIC 7
- オートフォーカス:デュアルピクセルCMOS AF
- 測距点数:45点オールクロスタイプ
- 測光方式:7560画素RGB+IR測光センサーによる63分割TTL開放測光
- ファインダー視野率:上下/左右とも約98%
- ファインダー倍率:約0.71倍
- 液晶モニター種別:タッチパネル対応バリアングル液晶モニター
- 液晶モニター:3.0型104万ドット
- 連続撮影速度:最高6.5コマ/秒(ライブビュー撮影においてサーボAF設定時は最高約4コマ/秒)
- 常用ISO感度:ISO100-40000
- 拡張ISO感度:L(ISO50相当)、H1(ISO51200相当)、H2(ISO102400相当)
- シャッター速度:1/4000~30秒、バルブ
- ストロボ同調最高シャッター速度:1/180秒
- 動画記録:Full HD/60p、HD/60p
- 手ぶれ補正:5軸電子手ブレ補正(動画撮影時)
- 4Kタイムラプスムービー:搭載
- アンチフリッカー:搭載
- Wi-Fi:搭載
- Bluetooth:搭載
- NFC:搭載
- GPS:搭載
- 電子水準器:搭載
- バッテリー:LP-E6N/LP-E6
- 撮影可能枚数:約1200枚(ファインダー撮影時)
- 記録メディア:SD/SDHC/SDXCカード(UHS-Iカード対応)
- サイズ:144.0 × 110.5 × 74.8mm
- 重さ:685g(本体のみ)、765g(CIPA準拠)
多彩な販売バリエーション
EOS 6D Mark IIにはボディだけでなくレンズキットのバリエーションも用意されています。
EOS 6D Mark IIの画質と作例
EOS 6D Mark IIの作例を見てみると、なかなかスッキリしていて、解像感・ダイナミックレンジ共にEOS 6Dからの画質の進化を感じさせます。
EOS 6D Mark IIの等倍作例はこちらに掲載されています。
作例1(ポートレート)/撮影データ
- 撮影モード:絞り優先AE
- Tv(シャッター速度):1/500秒
- Av(絞り数値):F1.2
- ISO感度:ISO100
- レンズ:EF85mm F1.2L II USM
- ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)
- ピクチャースタイル:ポートレート
作例2(ポートレート)/撮影データ
- 撮影モード:マニュアル露出
- Tv(シャッター速度):1/100秒
- Av(絞り数値):F1.4
- ISO感度:ISO100
- レンズ:EF35mm F1.4L II USM
- ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)
- ピクチャースタイル:ポートレート
作例3(風景)/撮影データ
- 撮影モード:プログラムAE
- Tv(シャッター速度):1/200秒
- Av(絞り数値):F10.0
- ISO感度:ISO100
- レンズ:EF24-70mm F4L IS USM
- ホワイトバランス:太陽光
- ピクチャースタイル:風景
■EOS 6D Mark IIとEOS 6DやEOS 5D Mark IVの比較は?
EOS 6D Mark II vs EOS 6D vs EOS 5D Mark IV
EOS 6D Mark IIと前モデルEOS 6D、加えて上位機であるEOS 5D Mark IVの基本性能を比較してみましょう。
機種名 | EOS 6D Mark II | EOS 6D | EOS 5D Mark IV |
総画素数 | 約2710万画素 | 約2060万画素 | 約3170万画素 |
有効画素数 | 約2620万画素 | 約2020万画素 | 約3040万画素 |
連写速度 | 約6.5コマ/秒 | 約4.5コマ/秒 | 約7.0コマ/秒 |
AF測距点 | 45点 | 11点 | 61点 |
クロス測距点 | 45点 | 1点 | 41点 |
ファインダー視野率 | 約98% | 約97% | 約100% |
ファインダー倍率 | 約0.71倍 | 約0.71倍 | 約0.71倍 |
シャッター速度 | 1/4000〜30秒 | 1/4000〜30秒 | 1/8000〜30秒 |
ストロボ同調速度 | 1/180秒 | 1/180秒 | 1/200秒 |
常用ISO感度 | ISO100-40000 | ISO100-12800 | ISO100-12800 |
拡張最高ISO感度 | ISO102400 | ISO102400 | ISO102400 |
動画記録 | Full HD/60p | Full HD/30p | 4K/29.97p |
手ぶれ補正 | 5軸電子式 | レンズに依存 | レンズに依存 |
液晶タイプ | バリアングル式 | 固定式 | 固定式 |
タッチパネル | 対応 | 非対応 | 対応 |
液晶サイズ | 3.0型 | 3.0型 | 3.2型 |
液晶解像度 | 約104万ドット | 約104万ドット | 約162万ドット |
電子水準器 | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
内蔵ストロボ | なし | なし | なし |
Wi-Fi機能 | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
NFC | 搭載 | 非搭載 | 搭載 |
Bluetooth | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
GPS | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
幅 高さ 奥行 |
144.0mm 110.5mm 74.8mm |
144.5mm 110.5mm 71.2mm |
150.7mm 116.4mm 75.9mm |
質量 | 約765g(CIPA) 約 685g(本体) |
約755g(CIPA) 約680g(本体) |
約890g(CIPA) 約800g(本体) |
■EOS 6D Mark IIとD750やPENTAX K-1の比較は?
EOS 6D Mark II vs D750 vs PENTAX K-1
EOS 6D Mark IIとニコンのD750に加えてK-1の基本性能を比較してみましょう。
機種名 | EOS 6D Mark II | D750 | K-1 |
総画素数 | 約2710万画素 | 約2493万画素 | 約3640万画素 |
有効画素数 | 約2620万画素 | 約2432万画素 | 約3640万画素 |
連写速度 | 約6.5コマ/秒 | 約6.5コマ/秒 | 約4.4コマ/秒 |
AF測距点 | 45点 | 51点 | 33点 |
クロス測距点 | 45点 | 15点 | 25点 |
ファインダー視野率 | 約98% | 約100% | 約100% |
ファインダー倍率 | 約0.71倍 | 約0.70倍 | 約0.70倍 |
シャッター速度 | 1/4000〜30秒 | 1/4000〜30秒 | 1/8000〜30秒 |
ストロボ同調速度 | 1/180秒 | 1/200秒 | 1/200秒 |
常用ISO感度 | ISO100-40000 | ISO100-12800 | ISO100-204800 |
拡張最高ISO感度 | ISO102400 | ISO51200 | ISO204800 |
動画記録 | Full HD/60p | Full HD/60p | Full HD/60i |
手ぶれ補正 | 5軸電子式 | レンズに依存 | 5軸センサーシフト式 |
液晶タイプ | バリアングル式 | チルト式 | フレキシブルチルト式 |
タッチパネル | 対応 | 非対応 | 非対応 |
液晶サイズ | 3.0型 | 3.2型 | 3.2型 |
液晶解像度 | 約104万ドット | 約122.9万ドット | 約103.7万ドット |
電子水準器 | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
内蔵ストロボ | なし | あり | なし |
Wi-Fi機能 | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
NFC | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
Bluetooth | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
GPS | 搭載 | 非搭載 | 搭載 |
幅 高さ 奥行 |
144.0mm 110.5mm 74.8mm |
140.5mm 113.0mm 78.0mm |
136.5mm 110.0mm 85.5mm |
質量 | 約765g(CIPA) 約 685g(本体) |
約840g(CIPA) 約750g(本体) |
約1010g(CIPA) 約925g(本体のみ) |
■EOS 6D Mark IIは買いか?
EOS 6D Mark IIとEOS 5D Mark IV、どちらが買いか?
EOS 6D Mark IIのスペックを見てみると、EOS 6Dから、イメージセンサーの刷新、デュアルピクセルCMOS AF、連写性能、可動式液晶モニター、常用ISO感度の向上など、画質・使い勝手共に大幅な進化を果たしています。
上位機となるEOS 5D Mark IVと比較すると、基本性能や高級感ではEOS 5D Mark IVに軍配が上がるものの、EOS 6D Mark IIにはEOS 5D Mark IVにはないバリアングル液晶モニターや軽さといった魅力があり、加えて価格差もあるため、悩ましいところでしょう。
本格的に写真撮影を趣味や仕事として行いたい方で、かつバリアングル液晶モニターを必要としていないのであれば、EOS 5D Mark IVがおすすめ。もう少し気楽なものでよく、携帯性と価格差を考慮するのであればEOS 6D Mark IIがおすすめです。
画像:Canon
Reported by 正隆