フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。
過去の各級の予想問題のまとめ
合格目指してさっそく問題です!
難易度:2級レベル
問:レンズの中には、無限遠側にピントリングを回していくと「∞」のマークを超えてもさらにピントリングが周り、ピント位置が無限遠からズレてしまうものがあります。この現象のことは一般的に「オーバーインフ」と呼ばれていますが、このオーバーインフの「インフ」とは何の略でしょうか?次の中から選べ。
① インフィニティ
② インフレーション
③ インフォメーション
正解はこのあとすぐ!
■正解は①(インフィニティ)
オーバーインフの「インフ」はインフィニティの略
オーバーインフの「インフ」は「インフィニティ」の略となっています。
∞(無限大)がインフィニティですから、無限大を超えるのでオーバーインフィニティ、それを略してオーバーインフというわけです。
■オーバーインフはなぜ必要?
オーバーインフが出ないメリット
まず初めにオーバーインフがないレンズのメリットをご紹介します。
日中の風景撮影などで無限遠で撮影する場合、オートフォーカスを使用して遠景にピントを合わすことで無限遠にピントを自動的に合わせることが可能ですが、夜景の撮影や花火など、暗い場所での遠景を撮影する際などは、オートフォーカスでは上手く無限遠の被写体にピントが合わせられない場合があります。
その際無限遠側にピントリングを回した行き当たりが無限遠であれば、暗所でも簡単に無限遠にピント合わせを行うことができるわけです。これがオーバーインフが起きないレンズのメリットになります。
対してオーバーインフが起こると、単純にピントリングを無限遠側に目一杯回した時、無限遠でピントが止まらず行き過ぎてしまい無限遠にピントが合いません。そのためオートフォーカスが効きにくいような暗所でマニュアルフォーカスで無限遠に合わせる場合の手間が増えてしまうというわけです。
オートフォーカスレンズのオーバーインフは何のため?
先ほどご説明したように、オーバーインフがなければピントリングを無限遠側に目一杯回すだけで無限遠にピントを合わせることが出来るわけですから、オーバーインフは起こらない方が良いように思います。
ではなぜオーバーインフを無くすように設計しないのでしょうか?
オートフォーカスレンズの場合ピントを電動で動かすわけですが、ピント位置を無限遠に合わせるようにモーターでレンズを動かした場合、オーバーインフがないとレンズを駆動した際に行き止まりの無限遠の位置から先に余裕がないためにモーターに大きな負荷がかかる場合があります。
そのためオートフォーカスレンズでは∞の先に余裕が必要になり、オーバーインフが必要というわけです。
ちなみに同様の理由から近接側にもわずかに余裕が作られています。
マニュアルフォーカスレンズでも起こるオーバーインフの理由は?
先ほどオートフォーカスレンズではレンズ駆動の理由からオーバーインフが発生するということを解説させて頂きました。
では手動でピントを動かすマニュアルフォーカスレンズでは、モーターに負荷がかかることはないのだからオーバーインフがないのか?というと、実は現代のマニュアルフォーカスレンズの多くでオーバーインフは発生します。
これには幾つかの理由がありますが、その一つが製造誤差を許容するためという理由があります。
レンズ交換式カメラの歴史は長く、マウントによっては数十年単位の歴史があるため、古いボディにも取り付けられるケースが多々あります。
過去数十年にわたって作られたあらゆるボディに取り付けられる可能性を考えると、無限遠側をピッタリの設計をしてしまうと極まれに、レンズやボディの製造誤差などから無限遠が出ないというケースが起きてしまいます。
そのためマニュアルフォーカスレンズの場合も、レンズやボディの個体差を許容できるように、オーバーインフを残すことで確実に無限遠が出せるようにしているというわけです。
同様の理由からマウントアダプターは無限遠が出ないリスクを回避するため、意図的に規定のフランジバックよりもわずかに短めになるように作られる事が多くなっています。
画像:Amazon
Reported by 正隆