フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。
過去の各級の予想問題のまとめ
合格目指してさっそく問題です!
難易度:2級レベル
問:RAWで撮影した画像データを、このRAWに対応した画像編集ソフトで確認したところ、画像の一部に白飛びや黒潰れの警告が出ていた。
そこで画像編集ソフトのRAW現像機能を利用して白飛びや黒潰れの修正を行うことにした。この場合、白飛びや黒潰れを解消することができるか?最も正しいと思うものを次の中から選べ。
① ある程度の白飛びは修正できるが黒潰れは修正できない
② ある程度の黒潰れは修正できるが白飛びは修正できない
③ ある程度の白飛びや黒潰れであればどちらも修正できる
正解はこのあとすぐ!
■正解は③(ある程度の白飛びや黒潰れであればどちらも修正できる)
RAWは白飛びや黒潰れの修正が可能
RAWデータでは、カメラや画像編集ソフトで白飛びや黒潰れ警告が出ていたり、またヒストグラム上で白飛びや黒潰れが確認できる画像データであっても、ある程度の範囲であれば現像ソフトなどで白飛びや黒潰れのいずれの修正が可能です。
特に白飛びに関しては「白飛びはデータがないのでRAWでも修復不可能」と勘違いされているケースが多いようですが、それは誤解です。その点に関しては、
実は白飛びもRAWで諧調を戻せる。白飛びにはデータがないという誤解。
上の記事で詳しく説明していますのでご興味がある方はご覧いただければと思います。
ただし、極端な露出オーバーや露出アンダーはいずれも修正が困難であり、RAW記録だからといっていい加減な露出で撮影して良いということではありませんし、もちろん白飛びや黒潰れがあるからといって、必ずしもダメな写真ということでもありません。
■RAWは露出オーバーで白飛びや露出アンダーで黒潰れした場合もある程度階調を戻せる
「白飛びはデータがないので修正出来ない」という誤解が広まった理由
時々聞かれる勘違いとして「デジタルカメラは黒潰れは補正できるが、白飛びはデータが残っていないのでRAWでも階調を戻すことが出来ない」というものがあります。
しかしこれはフィルムカメラからデジタルカメラへの移行期に、ネガフィルムと比較してデジタルカメラが白飛びしやすかったため起きた誤解です。
つまり、
- デジタルカメラはフィルムより露出アンダーに強い
- デジタルカメラは(ネガ)フィルムより露出オーバーに弱い
という点が誇張されて、
「デジタルカメラは露出オーバーに弱い→デジタルカメラでは白飛びに気をつけるべきである→デジタルカメラは白飛びをしたら修正できない→RAWデータでも白飛びは修正できない」
というふうに誇張され広まった間違いで、実際にはRAWで撮影した場合白飛びしていても、ある程度の範囲であれば画像編集ソフトなどを利用して階調を取り戻すことが可能です。
逆に考えてみましょう。もしも本当に白飛び部分にはデータがないのであれば、黒潰れ部分もデータがないから黒潰れているということになりますから、やはり「黒潰れもデータがないから修正できない」という事になってしまいます。
つまり、「白飛びにはデータがない、黒潰れにはデータがある」というのは、これ自体おかしなことを言っているわけです。
なぜRAWデータは白飛びや黒潰れを修正出来るのか?
ではなぜRAWデータは、白飛びや黒潰れを修正できるのでしょうか?
ご存じのようにRAWは画像そのものではなく画像のデータであるため、RAWで撮影した際、カメラの液晶モニターや画像編集ソフトで表示されている映像は、「現在の設定で現像すると概ねこのような画像に仕上がります」というプレビューに過ぎず、RAWデータの全体像を現しているわけではないのです。
そのため画像編集ソフトなどで、特定のピクセルのRGB値が「255,255,255(白)」や「0,0,0(黒)」といったように表示されていても、それは「この設定で現像するとそのピクセルは白になる、あるいは黒になる」という意味に過ぎず、RAWデータにはプレビューで表現されている以上のデータが残っています。
ですから、RAWはソフトウェアの調整機能を利用することで、ある程度階調を取り戻すことが可能になるというわけです。
またソフトウェアによっては、白飛びしていないチャンネルの情報から、白飛びしている箇所のデータを予測することで白飛びしているチャンネルの階調を復元することが出来たり、同様に黒潰れしていないチャンネルの情報から、黒潰れしている箇所の階調を予測し復元するといった事が出来るソフトウェアもあります。
アドビによるRAWデータの解説
またカメラメーカーやアドビなどの画像編集ソフトメーカーも、RAWで撮影することで、ある程度の範囲であれば「白飛びも黒潰れも修正が可能である」としています。
一例を挙げますと、アドビの「RAW現像とは?(入門編)」ではこのように解説しています。
“RAWデータなら黒つぶれ、白飛びの復元が可能
色情報を間引きして、圧縮処理が施してあるJPEG データの場合、黒つぶれや、白飛びしてしまった部分にはほとんど情報が残っていないので、もはや手の施しようがありません。
一方、RAWデータの場合、一 見、黒つぶれして真っ黒に見える部分にもしっかりと情報が残されており、Lightroomならそのディテールを保ったまま、明るく復元することができま す。
もちろん、白飛びも同様に復元できます。”
という訳で、この問題では③の「ある程度の白飛びや黒潰れであればどちらも修正できる」が正解となります。
白飛びや黒潰れ修正の実例
最後にRAWデータからの白飛びや黒潰れの修復を解説しているサイトを幾つかご紹介しましょう。
- ニコン:露出オーバー気味の撮影により、白とびが生じてしまったRAW画像の階調を補正したい
- アドビ:白飛び・黒つぶれを解消
- デジカメプラス:RAWデータはこういうときに力を発揮する
このようにRAWで撮影することで、白飛びや黒潰れのクリッピング警告が出ていたり、ヒストグラム上で白飛びや黒潰れが確認される場合でも、画像編集ソフトなどで調整を加えることで、ある程度の範囲であれば白飛びや黒潰れした箇所の階調を取り戻すことが可能です。
Reported by 正隆