ファインダーの視度調整ダイヤルを+やーに動かすと像はどう変化する?

ファインダー

フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。

過去の各級の予想問題のまとめ

合格目指してさっそく問題です!

難易度:1級レベル

問:一眼レフやミラーレス(ノンレフレックス)などのカメラのファインダーの中には、近視や遠視に対応するために「視度調整」や「視度調節」と呼ばれる機能が採用されているものがある。

この視度調整機能が「-3~+1m-1(dpt)」の設定範囲をもつ機種で、視度を-側(マイナス側)に調整し、「-3m-1」の状態に設定した。

この時「ファインダー像の見かけ上の距離」は、どのような状態になっているか?最も適切に説明しているものを次の中から選べ。

① ファインダー像が約3cm先の像として見えるように設定される
② ファインダー像が約30cm先の像として見えるように設定される
③ ファインダー像が約33cm先の像として見えるように設定される

正解はこのあとすぐ!

■正解は③(ファインダー像が約33cm先の像として見えるように設定される)


ファインダー像は初期状態ではどのようになっているのか?

ファインダーそのものは実際には僅か数センチ先のプリズムからの光を見ています。

しかし、数センチ先の像を見るのは苦痛であるため、カメラのファインダーでは接眼レンズの働きで、初期状態では(多くの機種で)ファインダー像を見かけ上1.0m程度先の像として見えるように視度調整されています。

視度調整のプラスやマイナスの意味

ファインダーの視度調節には+側とー側がありますが、この+側は遠視や老眼の場合の視度調節に、ー側は近視の場合の視度調節に使用します。

そのため、視度調整を動かすと、

  • +側に動かす→遠視や老眼で見やすいように、見かけ上像を遠ざける
  • ー側に動かす→近視で見やすいように、見かけ上像を近付ける

というように補正されます。

視度調整の数値の意味

視度調整は仕様表などでは「-3~+1m-1(dpt)」といった調整範囲が表記されています。

しかしこの「-3~+1m-1(dpt)」というのは、ファインダー像の見かけ上の距離をメートル単位で直接示しているわけではありません。

この視度調節の「m-1」という単位は、レンズの屈折率を表す「ディオプター(ディオプトリ)」という単位の表記となっています。

つまり、仕様表上で「視度調整範囲:-3~+1m-1(dpt)」と表記されていれば、-3mから+1mの範囲という意味ではなく、「-3ディオプターから+1ディオプターまでの範囲で視度調整を行える」という意味になります。

ディオプター(ディオプトリ)の意味

この視度調整範囲を示すディオプター(ディオプトリ)という単位ですが、これは所謂メガネレンズの「度」を表す表記としても使われています。

ちなみにディオプターは略して、「D」や「dpt」として評価される場合があります。

ディオプターは、焦点距離(m)の逆数でレンズの屈折率を表していますから、「1/焦点距離(m)=ディオプター」というわけです。

つまり、例えば近視側(ー側)に視度調整を行い、ファインダー像の焦点距離が0.5mになるように設定した場合、1/0.5(m)=2(dpt)なのですが、ー側に動かしているので、「-2dpt」になるというわけです。

これは例えるなら、「焦点距離0.5mの凹面の近視用眼鏡をかけた状態でファインダーを見る」のと同じ効果を生みます。

そのため、ー側に視度調整を行うと近視用眼鏡と同じ効果が、+側に視度調整を行うと遠視・老眼用眼鏡と同じ効果を得られるというわけです。

「-3m-1(dpt)」ではファインダー像は何cm先に見える?

さて問題文では「-3m-1( dpt)」に設定しています。

「dpt=1/焦点距離(m)」ですから、「-3m-1( dpt)」はどうなるかというと、

  • -1dpt=1/1(m)=約1.0m先に像が見える(初期状態)
  • -2dpt=1/2(m)=約0.5m先に像が見える
  • -3dpt=1/3(m)=約0.33m先に像が見える

となり、正解は選択肢③の「ファインダー像が約33cm先の像として見えるように設定される」となります。

画像:Nikon

Reported by 正隆