フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。
過去の各級の予想問題のまとめ
合格目指してさっそく問題です!
難易度:1級レベル
問:レンズの明るさを表す指標に「T値」があるが、
- 焦点距離100mm
- 有効口径50mm
- 透過率90%
以上の条件のレンズがあった場合、このレンズのT値は幾つになるか?最も近いものを次の中から選べ。
① T2.1
② T2.2
③ T2.3
正解はこのあとすぐ!
■正解は①(T2.1)
レンズの「F値」と「T値」の違い
T値を求める前に、そもそも「T値とは何か?」ということをご説明します。
写真用レンズでレンズの明るさの指標として用いられることが多い「F値」は、「レンズの透過率を100%と仮定した場合の数値」となっています。
同じF値の2本の異なるレンズがあった場合、例えその2本が同じF値であっても、レンズの構成枚数やレンズコーティングの違いから、レンズを実際に透過してイメージセンサー(あるいはフィルム)に届く最終的な光の量には違いが生まれます。
その「透過率を含めて算出されるレンズの明るさ」が「T値」で、シネマレンズなどではレンズの明るさを表す指標として、F値ではなくT値による表記が定着しています。
そこでこの問題では「T値」の求め方が聞かれているわけです。
レンズのF値の求め方
この問題の場合、まずはレンズのF値を求めます。F値は「焦点距離÷有効口径」の式で求められるため、
(焦点距離)100mm÷(有効口径)50mm=(F値)F2.0
となり、このレンズのF値がF2.0であることが分かります。
レンズのT値の求め方
レンズのF値はF2.0であることが分かりました。
次にレンズのT値を求めるわけですが、T値は、
- T値=F値÷√透過率(%)×10
以上の式によって求められます。
このレンズの場合、F値がF2.0、レンズの透過率が90%なのですから、
T値=2.0÷√90×10
という計算式で求められます。
√90=9.48683298050514ですから、
2.0÷9.48683298050514×10=2.10818510677892
となり、このレンズのT値はT2.10818510677892、約T2.1であることが分かるわけです。
最終的に「T2.10818510677892」に最も近い選択肢はどれか?ということで、選択肢①の「T2.1」が正解となります。
T値で気をつけて欲しいのは、
- F値=理論値
- T値=実測値
と勘違いされているケースがありますが、そうではありません。
T値はレンズの透過率を考慮した理論値であり、「実際に透過してくる光量をレンズの後ろで計測した数値」といったものではなく、T値もまたF値と同じく計算によって導き出されます。
この問題では、
- F値=焦点距離÷有効口径
- T値=F値÷√透過率(%)×10
この2つの式を覚えておくことがポイントとなります。
画像:ZEISS
Reported by 正隆