ユーチューバーになるためのオススメ撮影機材を解説

LUMIX GH5

YouTubeでの動画投稿も一般化した昨今。さまざまなユーチューバーに使われているキング・オブ・一眼動画機といえばパナソニックのLUMIX GH5です。

4K/60p記録や、4:2:2 10bit 4K/30p記録、ALL-Intra記録、最大400Mbpsの高ビットレート記録、HDR動画記録、ボディ内5軸手ぶれ補正、防塵防滴など、動画機として民生用機と業務機のいいとこ取りをしたようなスーパースペックとなっています。

目次

そこで多くのユーチューバーも使っている、LUMIX GH5でYouTube動画撮影をする際のおすすめのレンズやアクセサリー一式をご紹介します。

■カメラボディ


カメラはもちろん、LUMIX GH5

もちろんボディはLUMIX GH5です。

  • 室内でも高画質動画で撮影できる
  • 広角レンズを使えば室内でもワイドに撮影できる
  • 一般的なスチールカメラのような動画の30分制限がない
  • 長時間の撮影でも熱停止が起こりにくい
  • バリアングル液晶で自撮り撮影時の設定確認がしやすい
  • オプションでXLRアダプターが使えてマイクの選択肢が多い

などなど、まさにユーチューバーのための夢のカメラ、それがLUMIX GH5です。

なぜLUMIX GH5が選ばれるのか?

価格帯が近いビデオカメラとしてはソニーのFDR-AX700やキヤノンのiVIS GX10も有力な選択肢で、これらはソニー・キヤノンの民生用ムービーカメラのフラッグシップに位置付けられているモデルで、画質・機能性ともにハイレベルに仕上がっています。

またLUMIX GH5の弱点としてはオートフォーカスがそれほど速くないという点があるのに対して、FDR-AX700やiVIS GX10はオートフォーカスが高速で、スポーツや動物撮影などではむしろそちらの方が好ましい選択と言えるでしょう。

しかし、室内での撮影が多いユーチューバーにとってオートフォーカスの速さはそれほど重要ではないことが多く、その高い動画品質や、狭い室内での撮影に広角レンズの選択肢が多い(実際にはFDR-AX700やiVIS GX10もワイドコンバージョンレンズが使用可能です)という利点から、LUMIX GH5は多くのユーチューバーに支持されています。

4K/60pはYouTube動画にも活かせる

LUMIX GH5は4K/60pという高い解像度に加えて、非常に高いビットレートでの記録が可能で、一眼動画としてはもちろんのこと、ムービーカメラと比較しても非常にハイレベルな動画品質を実現しています。

現在は編集の都合や視聴者の環境に合わせて、ユーチューバーの多くは4KではなくFHDが主流であるものの、FHD記録でもLUMIX GH5の動画品質は抜きん出ています。

またYouTubeではLUMIX GH5の4K/60pを生かした散歩動画などでも人気で、一部のユーチューバーは電動スタビライザーと組み合わせて、視聴者自身が散歩しているかのような気持ちになる高いクオリティの動画を提供しています。

■レンズ


LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.

LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.は35mm判換算で約16-36mmの画角を持つ超広角ズームレンズです。

以前からあるLUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH.が2009年発売であるのに対して、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.は2017年に登場しました。

そのため、狭い室内での自撮りが多くなるユーチューバにとって、そのパースペクティブから部屋を広く見せる効果があるとともに、撮影距離が近くても十分な広さで撮れるため、カメラからあまり離れずに撮影することが可能です。

そのため設定のために撮影位置とカメラの間を行ったり来たりする距離が少なくて済み、非常に撮影が楽になるという利便性もあります。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.は最大撮影倍率が低いため、「小さいものをアップで撮る」といった用途には適しませんが、散歩動画や室内での自撮り撮影が多い方にはおすすめのレンズです。

LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.

LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.LUMIX GH5のキットレンズとなっているレンズで、約210gと軽量でありながら必要十分な画質と広い焦点レンジ、さらに手ぶれ補正機能「Dual I.S. 2」にも対応しています。

LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.は動画撮影にも有用なレンズです。

以上の機材で撮影した場合、合計重量は約935gとなっており、これなら1.0kgまで対応の電動スタビライザーにも積載することが可能です。

そのため屋外での撮影で、Dual I.S. 2を生かすも良し、さらに拘って電動ジンバルを使うも良し、歩きながらの撮影が非常に使いやすいのが、LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.の大きな特徴となっています。

LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.はユーチューブ動画の撮影には使い勝手の良いオールラウンダーですから、明確な被写体が決まっていないのであれば、LUMIX GH5のレンズキットを購入し、まずはLUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.を使って撮影を始めるのも良いでしょう。

より高画質な標準ズームレンズである、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.は320gであるため、電動ジンバルを使う場合はもう少し強力な1.5kg対応や2.0kg対応のものが必要になりますが、LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.よりもさらに高画質な標準ズームレンズを希望する場合は、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.もおすすめのレンズです。

この2本のレンズの画質的な差は動画撮影では静止画ほどには出にくいと思われますが、動画撮影だけでなく静止画撮影を楽しむのも本来のスチールカメラの使い方としておすすめです。

■バッテリー


DCカプラー(DMW-DCC12)+ACアダプター(DMW-AC10)

LUMIX GH5はバッテリー持ちに関しては特別長いモデルではなく、またLUMIX GH5でなくとも動画撮影ではバッテリーはどんどん減っていきます。

撮影中に電源が切れると面倒ですし、そもそもバッテリー残量を気にしていては撮影に集中できません。

そこで室内での撮影などでは、DMW-DCC12DMW-AC10を組み合わせることで、バッテリー切れを心配することなく撮影が可能です。

ユーチューバーにとってDCカプラーACアダプターは、必須のアクセサリーと言えるでしょう。

バッテリーパック(DMW-BLF19)

室内ではDCカプラーACアダプターを組み合わせれば長時間の撮影が可能ですが、外ロケでは予備のバッテリーパックが必須となります。

静止画と異なり動画ではバッテリーの消耗が非常に激しく、LUMIX GH5も4K/60p撮影で手ぶれ補正を作動させたり、撮影環境によってはバッテリーが早めに切れることがあります。

バッテリーパックDMW-BLF19)は外ロケを行う方には必須のアクセサリーと言えるでしょう。

■メモリーカード


128GBもしくは64GBのSDXCメモリーカード×2枚

なにせ動画撮影が前提ですから、4K/60p撮影を行う場合などはSDカードもかなりハイスペックなものが必要になります。

FHDでの撮影しか行わないという場合は別ですが、4K/60p動画を撮影するようであれば、UHS-II スピードクラス3(U3)の64GB〜128GBなどの高価ではあるものの高性能かつ大容量のSDXCカードを使用するのが理想です。

ざっくり言うと、以下のようになります。

動画記録 ビットレート 16GB 32GB 64GB 128GB
C4K/24.00p 150Mbps 約12分 約27分 約56分 約110分
4K/59.94p 150Mbps 約12分 約27分 約56分 約110分
4K/29.97p 100Mbps 約19分 約41分 約85分 約170分
FHD/59.94p 100Mbps 約19分 約40分 約80分 約165分

パナソニック純正SDXCカードであれば、UHS-II対応で、読み出し最大280MB/秒・書き込み最大250MB/秒、なんと4Kどころか8Kまで対応している、

などを利用するのが理想的です。

しかし上の2つは非常に高価で、かつバックアップ記録もするとなればそれが2枚も必要になるわけですから、もう少し安価なものとして、UHS-I対応で読み出し最大95MB/秒・書き込み最大90MB/秒の、

などがおすすめです。

■マイク


XLRマイクロホンアダプター(DMW-XLR1)+MKH 416-P48U3

XLRマイクロホンアダプターDMW-XLR1は、業務用マイクなどに使われるXLR端子のマイクをLUMIX GH5に繋げられるようにするためのアダプターで、DMW-XLR1とXLR端子のマイクを組みわせることで低ノイズかつ高音質の録画が可能になります。

XLR端子のマイクはそのままではLUMIX GH5には接続できないため、DMW-XLR1を使用する必要があるというわけです。

マイクを選ぶ際は、一般的なスタイルのユーチューバーであれば自分の声だけを拾えば良いのですから、単一指向性や超指向性のマイクを選ぶと良いでしょう。

DMW-XLR1に接続するXLR端子のマイクとしては、高価ではあるものの評価が高いものではゼンハイザーのMKH 416-P48U3、安価なものではタスカムのTM-150SGなどがあります。

MKH 416-P48U3はその音質、使い勝手とも非常に評価が高く、DMW-XLR1と組み合わせることで自撮り主体のユーチューバーにとって理想的な録音環境を揃えることが出来るでしょう。

またマイクをカメラにマウントして使用する際は、付属もしくは別売りのショックマウントを使用し、レンズの駆動音を抑える工夫も行いましょう。

もしそれでもレンズの駆動音が気になるようであれば、カメラとは別にマイク用のスタンドを立ててカメラと離して設置する方法があります。

また、そこまでやりたくないという場合は、カメラを設置している三脚にゴリラポッドやクランプなどを使ってマイクをカメラから離して取り付けるといった方法があります。

■三脚・雲台


System Ace L MS

System Ace L MSはザハトラーの三脚+雲台のセットです。

勿論本格的なビデオ三脚と雲台ですから、「ザハトラーの中では比較的軽量な三脚」と言っても、重量は3.9kg、縮長は86cmありますから、一般的な意味での軽量三脚とかトラベラー三脚とは異なります。

しかし、LUMIX GH5でちゃんと撮りたいということであれば、System Ace L MSは理想的な三脚となっており、カウンターバランスもLUMIX GH5+広角〜標準レンズでは適切なものとなっています。

ユーチューバーの場合、System Ace L MSは外ロケというよりは家の中で使用する三脚としておすすめです。

またもう少し安価なものとしては、リーベックTH-Xなどもおすすめの三脚+雲台のセットとなっています。

トラベラー三脚GT1545T+雲台GH1382TQDキット(GK1545T-82TQD)

家の中ではザハトラーのSystem Ace L MSリーベックTH-Xを使うとしても、外ロケではなるべく軽量な三脚を持っていきたいもの。

自撮り撮影を行うタイプのユーチューバーの場合は、外で自分自身を撮るためにも三脚は必要な場合があります。その際はジッツオの可搬性に優れるトラベラー三脚、GK1545T-82TQDがおすすめです。

もちろん強風などの特殊な状況は別ですが、GK1545T-82TQDであれば、LUMIX GH5の高画質な動画撮影にも十分に対応出来ることでしょう。

■ブラシレスジンバル


PILOTFLY H2-45

自撮り撮影で三脚を使用する場合はブラシレスジンバルは必要ありませんが、散歩動画など歩きながらの撮影を行う場合、ブレなく安定した動画を撮影するのにはブラシレスジンバルのような電動ジンバルを使用することで圧倒的に安定した動画を撮影することが可能です。

PILOTFLY H2-45は電動ジンバルの中でも精度が高く、背面液晶が隠れずに見えるという特徴があります。


例えば一通り組み合わせる場合、

セット1(贅を尽くしたセット)
セット2(とりあえず始めたいセット)

などのパターンがあります。

そしてなによりもユーチューバーに必要なのは、幾つになっても情熱を持って生きたいと願う心なのかも知れません。

画像:Panasonic

Reported by 正隆