接写リングを使うとレンズの明るさ(露出倍数)はどう変わる?

中間リング

フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。合格目指してさっそく問題です!

難易度:準1級レベル

問:焦点距離50mmのレンズとカメラの間に、厚さ20mmの接写リング(中間リング)を入れ、露出をマニュアル露出モードに設定し、ピントをマニュアルフォーカスで無限遠の位置に合わせて撮影した。

この時、中間リングを使用した事で露出倍数は幾つになるか?最も近いものを次の中から選べ。

① 2
② 3
③ 4

正解はこのあとすぐ!

■正解は①(2)


接写リング使用時のF値の計算方法

まずマスターレンズの有効口径を求めます。レンズの有効口径は、以下の式で求められます。

有効口径=焦点距離÷F値

この問題の場合、マスターレンズ(元のレンズ)の焦点距離が50mmとなっています。仮にこのレンズのF値がF2.0だとすると、

50mm(焦点距離)÷F2.0(F値)=25mm(有効口径)

以上のようになり、F2の場合レンズの有効径は25mmとなります。その上で、F値は以下の式で求められます。

F値=焦点距離÷有効口径

マスターレンズが50mmで接写リングが20mmなのですから、この場合の合計焦点距離は70mmとなり、

70mm(焦点距離)÷25mm(有効口径)=F2.8(F値)

ということで、このマスターレンズのF値が仮にF2であれば、レンズに20mmの接写リングを付けた時、マスターレンズ+接写リングのF値はF2.8であることがわかります。

  • マスターレンズ=F2.0
  • マスターレンズ+接写リング=F2.8

であるならば、「接写リングを付けた事によって、1段分暗くなっている」ということがわかります。

F値の1段分は露出倍数で言うと2になるので、選択肢①の「2」が正解というわけです。

接写リング(中間リング)を付けた場合の露出倍数の求め方まとめ

  1. レンズの仮のF値を決め、焦点距離÷F値でレンズ有効径を出す
  2. レンズの焦点距離+接写リングの長さで焦点距離を出す
  3. 焦点距離(レンズ+接写リング)÷有効口でF値を出す
  4. そうして出たF値を最初のF値と比較する

■露出倍数だけ分かれば良い時


接写リングを使用した場合の露出倍数の求め方

実は接写リングを使用した場合の露出倍数を一発で算出する計算式があり、

露出倍数=(中間リングの厚さ÷レンズの焦点距離+1)²

以上の式で求めることが可能です。

この問題の場合は、

露出倍数=(20mm÷50mm+1)²=1.96

となるので、やはり露出倍数が約2であることがわかります。

画像:Amazon

Reported by 正隆