写真撮影では、写真の明るさを変えるテクニックとして、プラス補正やマイナス補正といった露出補正、また段階露出(ブラケット)と呼ばれる操作があります。
そこで今回は、この露出補正とはどのようなものか?をご紹介します。
■露出補正とは?
露出補正とは?
現在のカメラの多くは、撮影条件に応じて適切な明るさとして写るよう、カメラ側が自動的に露出を制御してくれます。
しかし、カメラの測光や適正露出に対する判断が完璧ではないことや、撮影者の意図によって適切な露出が異なるため、期待した露出になるとは限りません。
そのためカメラの自動露出に対して、撮影者が補正を加えることで「明るめに写す」「暗めに写す」といったことが出来るようになっており、この機能を露出補正機能と呼んでいます。
露出補正は機種によって補正幅や補正量の上限・下限が異なるものの、現在のレンズ交換式デジタルカメラでは、多くの機種で、補正幅を0.3EV(1/3段)、0.5EV(1/2段)、1.0EV(1段)などの幅で、また補正量を±5EV(±5段)程度までの範囲で補正することが可能になっています。
プラス補正とは?
自動で計算された露出値に対して露出を増やすことを「プラス補正」と呼び、自動露出に対して明るめに写すことになります。
プラス補正はカメラでは「+」として表示され、ISO感度を固定している場合、絞り優先モードではシャッタースピードが遅くなり、シャッター速度優先モードでは絞り値が小さく(絞りが開く)なるようにカメラが動作します。
例えば「雪景色」のような反射率の高い被写体では、自動露出で撮影すると実際の見た目よりも暗く写ってしまいがちですが、プラス補正を行うことで見た目に近い白さで雪景色を撮影することが可能です。
マイナス補正とは?
自動で計算された露出値に対して露出を減らすことを「マイナス補正」と呼び、自動露出に対して暗めに写すことになります。
マイナス補正はカメラでは「ー」として表示され、ISO感度を固定している場合、絞り優先モードではシャッタースピードが速くなり、シャッター速度優先モードでは絞り値が大きく(絞りが閉じる)なるようにカメラが動作します。
例えば「黒い岩」のような、反射率の低い被写体が画面の大部分を占める場合、自動露出で撮影すると実際の見た目よりも明るく写ってしまいがちですが、マイナス補正を行うことで見た目に近い岩の黒さで撮影することが可能です。
■露出ブラケット(段階露出)とは?
露出ブラケット(段階露出)とは?
カメラの撮影テクニックの一つに、露出ブラケット(段階露出)というものがあります。
この「露出ブラケット」とは、露出を0.3EV(1/3段)、0.5EV(1/2段)、1.0EV(1段)といった幅で、段階的に露光量を変えながら露出調整を行って撮影することをいいます。
一口に「ブラケット撮影」と言っても、カメラには、
- 露出ブラケット
- フォーカスブラケット
- ホワイトバランスブラケット
- ISO感度ブラケット
といったさまざまなブラケット撮影がありますが、ここで解説しているのは最も一般的な「露出ブラケット」にあたります。
オートブラケット(自動段階露出)とは?
露出ブラケットは露光量を変えながら撮影することを指しますが、現在のカメラには「オートブラケット」と呼ばれる機能があります。
このオートブラケットとは、自動的に露光量を変えながら撮影する機能で、要するに、露出ブラケット撮影をカメラで自動的に行うというものです。
多くのカメラでは、このオートブラケット機能には、「どのような調整幅で露光するか?」「合計何枚撮影するのか?」などのカスタマイズ設定を行うことが可能になっています。
多くのレンズ交換式カメラのオートブラケット機能では、カメラが適正露出と判断した露光量に対して、0.3EV(1/3段)、0.5EV(1/2段)、1.0EV(1段)などの調整幅を設定して、カメラが考える適正露出に対して露光量を変えながら、プラス側とマイナス側に3〜9枚程度の撮影を行うのが一般的です。
画像:Nikon
Reported by 正隆