次にカメラ市場から撤退するメーカーはどこなのか?

デジタルカメラ市場からの撤退

皆さんこんにちは。

遂にカシオがカメラ事業からの撤退を発表しました。不況のカメラ業界、果たして次にカメラ事業から撤退するのはどのメーカーなのか?多くのカメラファンが心配しつつ見守っていることと思います。

そこで今回は、一般的な順位当てパズルを使って、不謹慎にも「次にカメラ事業から撤退するのはどこのメーカーなのか?」という論理パズル(※もちろん現実の話ではありません)を作ってみましたので、暇つぶしにやってみていただければと思います。

では問題です!

難易度:IQ120相当

問題:カメラメーカーのうち4社(オリンパス、パナソニック、富士フイルム、リコー)は、実は既に4社共がカメラ事業からの撤退を予定しています。

そこで、それぞれのメーカーに、「いつ頃カメラ事業から撤退するのか?」について聞いてみましたが、最後に撤退するメーカー以外の3社はウソを吐きました。

以下の各社の発言内容から、「最初に撤退するメーカー」を当てて下さい。

【発言】

  • オリンパス「最初に撤退する」
  • パナソニック「リコーより後に撤退する」
  • 富士フイルム「パナソニックより後に撤退する」
  • リコー「富士フイルムより先に撤退する」

【条件】

  • 最後に撤退するメーカー以外はウソを吐いている
  • メーカー同士はお互いがいつ撤退するのかを知っている

正解はこのあとすぐ!

■正解「最初に撤退するのは富士フイルム」


オリンパスの発言に注目する

まずオリンパスの発言に注目してみましょう。

  • オリンパス「最初に撤退する」

オリンパスは「最初に撤退する」と発言していますが、

  • 最後に撤退するメーカー以外はウソを吐いている

という条件から、最後に撤退するメーカー以外はウソを吐いているのですから、オリンパスが本当のことを言っている最後に撤退するメーカーであるはずはありません。

なぜなら、本当の事を言っているはずの最後に撤退するメーカーが「最初に撤退する」と発言するのは矛盾しているからです。

ですから、オリンパスはウソを吐いているため、最後に撤退するメーカーではないことが分かると同時に、「最初に撤退する」という発言もウソであるということになります。

そのため、オリンパスは最初にカメラ業界から撤退するメーカーでもないし、最後に撤退するメーカーでもないという事です。

最初 2番目 3番目 最後
オリンパス × ×
パナソニック
富士フイルム
リコー

表にするとこうなり、オリンパスは2番目か3番目に撤退するメーカーであることが分かります。

リコーの発言に注目してみる

次にリコーの発言を見てみましょう。

  • リコー「富士フイルムより先に撤退する」

最後に撤退するメーカーのみが本当のことを言っているのですから、「富士フイルムよりも先に撤退する」と言っているリコーの発言はウソという事になります。

もしこの発言が本当であれば、リコーは最後に撤退するメーカーではないということですから、ウソを吐いているはずで、やはり矛盾が生じてしまうというわけです。

そして、同時にこの発言がウソなのですから、「リコーは富士フイルムよりも後に撤退する」ということも分かります。

ですから、リコーが撤退するのは、富士フイルムよりも後であり、かつ最後でも無いということになりから、それはすなわち、オリンパスと同様に、「最初と最後ではない」ということでもあります。

最初 2番目 3番目 最後
オリンパス × ×
パナソニック
富士フイルム
リコー × ×

表はこうなります。

そして、リコーの「富士フイルムよりも先に撤退する」というウソの発言から、「リコーは富士フイルムは後に撤退する」というのが分かりますから、リコーよりも先に富士フイルムが撤退するのであれば、富士フイルムは最後に撤退するメーカーでは無いということも分かります。

最初 2番目 3番目 最後
オリンパス × ×
パナソニック
富士フイルム ×
リコー × ×

表はこうなります。

最後に撤退するのはパナソニック

これまでの結果をまとめた表から、少なくとも「オリンパス、富士フイルム、リコーの3社は、最後に撤退するメーカーでは無い」ということが分かります。

ということは、最後に撤退するメーカーは残ったパナソニック以外にはあり得ません。

最初 2番目 3番目 最後
オリンパス × ×
パナソニック × × ×
富士フイルム ×
リコー × ×

というわけで、「最後に撤退するメーカーはパナソニック」であることが分かりました。

一番最初にカメラ事業から撤退するのは富士フイルム

もう一度表を見てみましょう。

最初 2番目 3番目 最後
オリンパス × ×
パナソニック × × ×
富士フイルム ×
リコー × ×

パナソニックが最後に撤退するメーカーであることが分かったと同時に、この表から、「最初に撤退する可能性があるのが、富士フイルム以外には無い」ということもわかります。

ですから、

最初 2番目 3番目 最後
オリンパス × ×
パナソニック × × ×
富士フイルム × × ×
リコー × ×

このようになり、この問題の正解、つまり4社のうち「最初に撤退するのは、富士フイルムである」ということが分かりました。

■カシオの次にリアルにカメラ事業から撤退するのはどのメーカーなのか?


リアルに撤退するのはどのメーカーか?

今回の話はもちろん現実の話ではなく、あくまで論理パズルに過ぎません。

しかし、実際にカシオがデジタルカメラ事業から撤退し、非常に厳しい環境下にあるカメラ業界は、「次に撤退するのはどのメーカーなのか?」ということが話題になっています。

ニコンとキヤノンも安泰ではない

あくまで個人的な予想ですが、ニコンやキヤノンがカメラ事業から撤退することは相当先までないと考えます。

この2社のカメラに対する情熱は尋常ではなく、それは我々が想像している以上のものです。この2社はこれまでにもカメラが売れない時代を十分に経験しており、それでもカメラ作りの歩みを頑なにやめなかったメーカーです。

一見ビジネスライクに見えるキヤノンも、実際にはカメラ事業に対して非常に高いプライドを持っていますし、ニコンがカメラ事業から撤退する時があるとすれば、それはニコンという企業が無くなる時でしょう。

それほどこの2社のカメラ事業に対する執念は凄まじいのです。

とはいえ現在のカメラ市場では、長い間業界を牽引してきたこの2社でさえも、予断を許さない非常にシリアスな状況になっていることも確かでしょう。

ソニーとオリンパスは堅実路線か?

ソニーは現在イメージセンサー事業が堅調で、カメラ事業も高付加価値商品によって収益が上がっていることから、当面カメラ市場から撤退するような不安はないと思います。

ただ同時に、ここ数年のソニーのデジカメ市場での快進撃はほぼ止まり、既に陰りを見せているように見えます。

オリンパスも市場全体では苦しいと言っても、ミラーレスで息を吹き返すまでの方が厳しかったでしょうから、レンズ交換式カメラは製品サイクルが伸びるようなことはあったとしても(むしろその方が本来のカメラのありようでしょうし)、当分大丈夫だと思います。

しかし、現在Toughシリーズだけとなったコンパクトデジタルカメラ市場からの撤退の可能性はありそうです。

富士フイルム、パナソニック、リコーはどうなるのか?

特にカメラ事業の継続が怪しいのは、富士フイルム、パナソニック、リコーあたりでしょうか?

パナソニックは動画需要もあるため、マイクロフォーサーズマウントからの完全撤退は当面無さそうですが、コンパクトデジタルカメラ市場からの撤退や、ミラーレスのラインナップをGHシリーズなどの一部に絞っていくという可能性はあると思います。

富士フイルムの基幹事業がもはやフィルムでもカメラでもないのは誰もが知っていると思いますし、幾らなんでも道楽でカメラ事業を続けられるほど、企業経営は甘くはないでしょう。

そう考えると、富士フイルムはコンパクトデジタルカメラからの撤退と、ミラーレスの規模縮小程度はあり得ると考えます。

最後にリコーですが、本体の事業まで厳しいリコーの状況を考えると、主要国内メーカーの中で現在カメラ事業が最も苦境に立たされているように見え、デジカメ市場からの撤退に最も近いメーカーと見られがちです。

しかし、リコー(及びペンタックスブランド)は、そういった状況に既に慣れているメーカーですから、今回も執念で乗り越えて欲しいものです。


もちろんこれらも、なんらの事実にも基づかない、全て個人的な予想にすぎませんから、ユーザーの方が気にする必要は全くありません。

というわけで、どうなることか分からない、お先真っ暗のカメラ業界ですが、何とか各社踏ん張って生き残って頂きたいと切に願います。

画像:CASIO

Reported by 正隆