カメラ稼働率ファンの皆さんこんにちは。
カメラの販売シェアに関しては語られることも多く、またデータも豊富に出ています。
では、時々話題になる「カメラの稼働率」と言うべきか、実際に撮影に使われている機材のシェアはどうなっているのでしょうか?
【目次】
- 稼働率(撮影シェア)の調査方法
- GANREFの投稿作品、1,356,981作品から算出
- ランキングを見るに際しての注意点
- 最も撮影に使われているのは?
- 稼働率の高いカメラメーカーは?
- 一番良く見かけるのはやっぱりキヤノン
- 安定のニコンはここでも良く使われている
- ペンタックスユーザーはとても撮影熱心
- 写真好きよりカメラ好きが多い傾向のソニー ユーザーも稼働率もバランス感覚のオリンパス
- ユーザーの傾向が分かれる富士フイルム
- パナソニックはもはやレアな存在なのか?
そこで今回は、GANREFの1,356,981作品を対象に、実際に使用されているカメラメーカーの稼働率(撮影シェア)について調べてみます。
■稼働率(撮影シェア)の調査方法
GANREFの投稿作品、1,356,981作品から算出
機種毎の使用率まで分かる大手写真サイトとして今回はGANREFを参考にしています。
勿論GANREFはFlickrやInstagramほどの規模でありませんし、また世界的に展開しているわけではないため、基本的に日本国内が対象になりますが、国内の写真サイトとしてはかなりの大手であること、また撮影機材の統計が取り易いという理由から今回はGANREFを参考にしています。
とは言えGANREFのサンプル数は相当あるため、もし仮に国内全体で調査出来たたとしても基本的には同じような傾向になると考えられます。
今回はGANREFの作品の中から、撮影枚数の上位100機種、1,356,981作品を対象に集計、
- 各メーカーの機種数
- 各メーカーの総作品数
- 1機種当たりの作品数
- 撮影シェア
などを算出しています。
ランキングを見るに際しての注意点
ランキングや数値を見る際の注意点としては、良く売れているメーカーほど、当然その分作品数は多くなる傾向にあるため、結局のところ稼働率(というか撮影に使われているカメラのシェア)は販売台数シェアに影響を受けています。
そのため、基本的には市場シェアが高い方が有利になるわけですが、言い換えれば、市場シェアが高いはずなのに作品数が少ないとか、市場シェアが低いはずなのに作品数が多いといった逆転現象が起きている場合は、シェアの割に「稼働率の高いメーカーである」とか、「稼働率の低いメーカーである」と表現することも出来るでしょう。
また、これは言うなれば、「撮影地や観光地などでどのメーカーのカメラを見かける可能性が多いのか?」という事にも繋がってくるでしょう。
■最も撮影に使われているのは?
稼働率の高いカメラメーカーは?
ブランド | 機種数 | 撮影作品数 | 1機種平均 | 撮影シェア |
キヤノン | 28機種 | 575,319作品 | 20,547作品 | 42.4% |
ニコン | 32機種 | 490,445作品 | 15,326作品 | 36.1% |
ペンタックス | 9機種 | 96,576作品 | 10,731作品 | 7.1% |
ソニー | 16機種 | 89,976作品 | 5,624作品 | 6.6% |
オリンパス | 11機種 | 82,108作品 | 7,464作品 | 6.1% |
富士フイルム | 3機種 | 18,819作品 | 6,273作品 | 1.4% |
パナソニック | 1機種 | 3,738作品 | 3,738作品 | 0.3% |
合計 | 100機種 | 1,356,981作品 | 13,570作品 | 100% |
一番良く見かけるのはやっぱりキヤノン
1位は対象とした1,356,981作品中575,319作品もの撮影に使用されていたキヤノンEOSシリーズでした。
時に「キヤノンは売れているが使われていない」というような事を言われることもありますが、それは事実ではなく、
- 機種数:2位(28機種)
- 総作品数:1位(575,319作品)
- 1機種当たり作品数:1位(20,547作品)
- 撮影シェア:42.4%
という結果になっています。
GANREFという写真マニアが集まるサイトの特性上、EOS 5DシリーズやEOS 7Dシリーズなど上位機種のユーザーがキヤノンの撮影枚数を跳ね上げてはいるようですし、勿論これまでのユーザーの蓄積という部分もあるでしょう。
とは言え、そうしたユーザー数の多さも含めても、一番使われているレンズ交換式カメラはキヤノンであり、ユーザーは撮影も相当していると言って良いでしょう。
安定のニコンはここでも良く使われている
2位となったのは安定のニコンで、
- 機種数:1位(32機種)
- 総作品数:2位(490,445作品)
- 1機種当たり作品数:2位(15,326作品)
- 撮影シェア:36.1%
となっています。
TOP100にランクインした機種数は堂々の1位、総作品数はキヤノンに次いで2位となっています。
撮影シェアはトップのキヤノンに近く、3位以下のメーカーにも大差をつけています。
なにかニコンらしい結果で驚きが無いのですが、というわけでニコンユーザーは数も多く、撮影も頻繁にしているという結果になりました。
ペンタックスユーザーはとても撮影熱心
最も驚くべきは3位のペンタックスでしょう。
- 機種数:5位(9機種)
- 総作品数:3位(96,576作品)
- 1機種当たり作品数:3位(10,731作品)
- 撮影シェア:7.1%
ペンタックスユーザーはブランドの知名度に拘らない、実用性重視の方が多いのでしょう。
そのためか、ペンタックスユーザーはまめに撮影しているという印象がありますが、それは数値にも表れています。
市場シェアではかなり下の方であるはずのペンタックスが総作品数で3位というのは凄いことだと思いますし、ペンタキシアンたちが、「我々は撮る派だ」という位の権利はあるでしょう。
写真好きよりカメラ好きが多い傾向のソニー
4位はソニーのEマウントとAマウントを含むαシリーズで、
- 機種数:3位(16機種)
- 総作品数:4位(89,976作品)
- 1機種当たり作品数:6位(5,624作品)
- 撮影シェア:6.6%
となっています。
TOP100に入った機種数は3位とかなり多く、αを持っている人を見かける機会は少なくないはずです。
αは僻地のようなガチガチの撮影地よりも、観光地や都市部の撮影スポットなどで良く見かける印象があります。
ただ、1機種あたりの作品数は6位となっており、これはかなり低めと言えるでしょう。
そうしたことから、ソニーの場合ユーザー数は多いものの、写真好きよりは、カメラ好きが多い傾向にあると言えるのかも知れません(どちらが偉いという意味ではありません)。
ユーザー数も稼働率もバランス感覚のオリンパス
撮影シェアで5位となったオリンパスは、
- 機種数:4位(11機種)
- 総作品数:5位(82,108作品)
- 1機種当たり作品数:4位(7,464作品)
- 撮影シェア:6.1%
という、実に中庸な結果となりました。
オリンパスユーザーは極端な写真愛好家やカメラマニアというより、良い意味で一般的な方が多い印象ですが、機種数で4位、1機種あたりの作品数も4位となっており、OM-DやPENシリーズはファッション的な部分だけではなく、撮影にも結構使用されているようです。
こうした面でもオリンパスユーザーは、特別頻繁に撮影している訳では無いものの、写真愛好家とカメラ愛好家のバランスがある程度取れているという事なのでしょう。
ユーザーの傾向が分かれる富士フイルム
5位は富士フイルムのXシリーズで、撮影枚数のTOP100にランクインした3機種と数が少ないのはシェアの問題から仕方がない事だと思います。
- 機種数:6位(3機種)
- 総作品数:6位(18,819作品)
- 1機種当たり作品数:5位(6,273作品)
- 撮影シェア:1.4%
1機種あたりの作品数はやや少なめで、どちらかと言うとカメラ好きである傾向が見て取れますが、富士フイルムユーザーは、他のメーカー以上に、「とても高い頻度で撮影を行なっている熱心な写真愛好家」と「殆ど撮影をしない熱心な機材マニア」の二派にパッキリ分かれているように思います。
そのためか、撮影地などでXシリーズを使用している人を見ると、他のメーカーと比較して初心者の方は極端に少なく、撮影慣れしているユーザーが多いように見受けられます。
パナソニックはもはやレアな存在なのか?
7位となったのはパナソニックで、
- 機種数:7位(1機種)
- 総作品数:7位(3,738作品)
- 1機種当たり作品数:7位(3,738作品)
- 撮影シェア:0.3%
ランクインした機種数、総作品数、1機種あたりの作品数全てで最下位となっています。
LUMIX Gシリーズはそれほど売れているというイメージはありませんが、撮影枚数TOP100に1機種しか入らないというのは異常な気がします。
販売シェアを見る限りそこまで売れていないということは無いでしょうから、殆ど使用されていないか、動画用途が多いかのいずれかなのかも知れません。
私もLUMIX GH5のユーザーでありながら動画用途でしか使っていないので人のことを言える立場ではありませんが、静止画撮影にも使い易いカメラですから、多くのユーザーにもっと静止画撮影にも使って欲しいと思います。
また撮影地にもそれなりに行くのですが、体感としてもLUMIX Gシリーズは、(国内の大手7社の中で)ユーザーを見かける機会が一番少ないレアブランドであるという印象はあります。
画像:Amazon
Reported by 正隆