レンズラインナップファンの皆さんこんにちは。
一眼レフ、ミラーレスさまざまなマウントが各社から登場していますが、果たしてレンズラインナップが充実しているマウント、不足しているマウントはどこなのでしょうか?
【目次】
- レンズラインナップ本数比較の条件
- 本数のカウント方法とカテゴリー分け
- サードパーティ製レンズは対象外
- マイクロフォーサーズについて
- マウントアダプターやコンバージョンレンズの使用は対象外
- 各マウントのレンズラインナップ比較
- レンズラインナップ比較表
- 各部門の最多レンズラインナップマウント
- 豊富なラインナップを誇る一眼レフマウントは、古いレンズの刷新が課題
- 着々とラインナップを増やすミラーレスマウントは、特殊レンズの充実が課題
- 一般的な撮影は殆どのマウントが対応可能
そこで今回は、各カメラメーカーの合計16マウントに関して、どのジャンルのレンズが何本あり、どういった点が課題なのか、各社のレンズラインナップについて考えてみたいと思います。
■レンズラインナップ本数比較の条件
本数のカウント方法とカテゴリー分け
各マウントの各メーカーの公式サイトを参考とし、在庫分のみのものは除外、現行品のみを対象としています。
レンズのカテゴリー分けは、35mm判換算で以下のような焦点距離を基本としています。
- 焦点距離
- 超広角:23mm以下
- 広角:24〜34mm
- 標準:35〜60mm
- 望遠:61〜300mm
- 超望遠:301mm以上
- マクロレンズ:0.5倍以上の撮影倍率を持つレンズ
- 魚眼レンズ:対角魚眼・円周魚眼として登録さているレンズ
- アオリレンズ:ティルト及びシフト機構を持つレンズ
また、
- 高倍率ズームのような広角から望遠域までをカバーしているレンズは標準レンズとしてカウント
- APS-Cレンズなどで良くある55-250mmや55-300mmのようなレンズは望遠端が35mm判換算で300mmを超えますが、望遠域(35mm判換算で61-300mm程度)が大部分となるため望遠レンズとしてカウント
- フルサイズ用の80-400mmや100-400mmも、300mm以下の領域の方が広いため、超望遠レンズではなく望遠レンズとしてカウント
- フルサイズ用の200-400mmや200-500mmのような、301mm以上の領域が半分以上のレンズは超望遠レンズとしてカウント
としています。
サードパーティ製レンズは対象外
サードパーティ製レンズは正確には膨大な数のレンズが存在するため、対象外としています。
マイクロフォーサーズについて
オリンパスとパナソニックはマイクロフォーサーズの共通マウントとして展開しているため、合計本数は二社を合計して計算しています。
マウントアダプターやコンバージョンレンズの使用は対象外
マウントアダプターやコンバージョンレンズは単体での使用が出来ないため、対象外としています。
■各マウントのレンズラインナップ比較
レンズラインナップ比較表
各部門の1位には濃いピンク色、2位にはピンク色、3位には薄いピンク色で着色しています。
マウント | ズームレンズ | 単焦点レンズ | 特殊レンズ | 合計 | ||||||||||
超広角 | 広角 | 標準 | 望遠 | 超望遠 | 超広角 | 広角 | 標準 | 望遠 | 超望遠 | マクロ | 魚眼 | アオリ | ||
EF | 1 | 3 | 4 | 10 | 1 | 2 | 6 | 8 | 5 | 6 | 4 | 1 | 5 | 56 |
EF-S | 2 | 0 | 8 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 15 |
EF-M | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 6 |
F/FX | 1 | 3 | 6 | 6 | 3 | 4 | 8 | 12 | 10 | 4 | 6 | 2 | 4 | 69 |
F/DX | 0 | 3 | 7 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 16 |
Nikon 1 | 0 | 1 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 |
E/FE | 1 | 2 | 6 | 3 | 1 | 0 | 1 | 5 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 25 |
E/E | 1 | 0 | 9 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 15 |
A/Full | 0 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 3 | 5 | 1 | 2 | 1 | 0 | 20 |
A/APS-C | 0 | 1 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 12 |
m4/3 | 2 | 2 | 14 | 4 | 3 | 2 | 4 | 7 | 5 | 2 | 4 | 2 | 0 | 51 |
X | 1 | 0 | 6 | 4 | 1 | 2 | 3 | 3 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 26 |
G | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 |
K/FA | 1 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 3 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 12 |
K/DA | 0 | 1 | 8 | 5 | 0 | 2 | 1 | 3 | 4 | 2 | 1 | 1 | 0 | 28 |
645 | 0 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 16 |
各部門の最多ラインナップマウント
- ズームレンズ
- 超広角
- EF-S(キヤノン)
- マイクロフォーサーズ(オリンパス・パナソニック)
- 広角
- EF(キヤノン)
- F/FX(ニコン)
- F/DX(ニコン)
- 標準
- マイクロフォーサーズ(オリンパス・パナソニック)
- 望遠
- EF(キヤノン)
- 超望遠
- F/FX(ニコン)
- マイクロフォーサーズ(オリンパス・パナソニック)
- 超広角
- 単焦点レンズ
- 超広角
- F/FX(ニコン)
- 広角
- F/FX(ニコン)
- 標準
- F/FX(ニコン)
- 望遠
- F/FX(ニコン)
- 超望遠
- EF(キヤノン)
- 超広角
- マクロ
- F/FX(ニコン)
- 魚眼
- F/FX(ニコン)
- マイクロフォーサーズ(オリンパス・パナソニック)
- アオリ
- EF(キヤノン)
- 合計
- F/FX(ニコン)
このようになっており、マウント毎の純正レンズラインナップの豊富さでは、
- ニコンFマウント:85本
- キヤノンEFマウント:71本
- マイクロフォーサーズマウント:51本
などがトップ3となりました。
ニコン・キヤノンは流石の歴史とユーザー層の厚みを背景にしたラインナップの幅広さから、マイクロフォーサーズはオリンパスとパナソニックの協力体制によって、トップ3を獲得したと言えるでしょう。
豊富なラインナップを誇る一眼レフマウントは、古いレンズの刷新が課題
ニコンFマウントとキヤノンEFマウントのレンズラインナップは、数の面では他社を圧倒しています。
特に大口径超望遠レンズやアオリレンズといった需要の少ないレンズまで豊富にラインナップ出来るのは、そうした特殊なレンズを購入するユーザーを抱えていればこそ出来るラインナップと言えるでしょう。
また、ペンタックスはフルサイズ用レンズではEFやFマウントに数で見劣りするものの、APS-C用レンズのラインナップでは全マウントで最多のラインナップとなっています。
逆にこれらの一眼レフマウントは、発売から長い期間が経過し、古くなってしまっているレンズも多いため、それらのリニューアルが課題と言えるでしょう。
着々とラインナップを増やすミラーレスマウントは、特殊レンズの充実が課題
ミラーレスではマイクロフォーサーズマウントが健闘しており、オリンパスとパナソニックの連携による力が発揮されています。
ソニーEマウントのレンズラインナップも着々と充実してきており、また全般的に写りの評価が高いことも特徴です。
また富士フイルムは1社であることを考えると、レンズラインナップはそれなりに頑張っていると言えるでしょう。
ただし、ミラーレス全般に超望遠やアオリレンズのような特殊なレンズのラインナップは不足しています。
しかしそうしたレンズは、なければそられを使用するユーザーは獲得出来ませんから、最初は売れないことを覚悟の上で特殊なレンズまで継続してラインナップしていけるかが、ミラーレスマウントの課題と言えるでしょう。
一般的な撮影であればどのマウントでも大丈夫
各社の主力マウントに関しては、一般的な撮影であればいずれも十分に対応可能なレンズラインナップとなっています。
あとは各マウントごとに、
- 古くなったレンズのリニューアル
- 価格帯のバリエーションの充実
- 特殊レンズのラインナップ
などに期待しましょう。
画像:Amazon
Reported by 正隆