Zマウント、Eマウントファンの皆さんこんにちは。
遂にニコンからフルサイズミラーレスZシリーズZ6とZ7が登場しました。
フルサイズミラーレスにはLEICA SLシリーズもありますが、ニコンZ6とZ7の実質的なライバルはやはりソニーのα7 IIIとα7R IIIと言えるでしょう。
【目次】
そこで今回はこの話題のフルサイズミラーレス4機種の性能を比較してみたいと思います。
■Z6、Z7、α7 III、α7R III性能比較
Z6、Z7、α7 III、α7R IIIスペック比較
形式 | ||||
機種名 | Z6 | Z7 | α7 III | α7R III |
レンズマウント | Zマウント | Zマウント | Eマウント | Eマウント |
総画素数/有効画素数 | ||||
総画素数 | 約2528万画素 | 約4689万画素 | 約2530万画素 | 約4360万画素 |
有効画素数 | 約2450万画素 | 約4575万画素 | 約2420万画素 | 約4240万画素 |
撮像素子/ダストリダクション | ||||
撮像素子 | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
ダスト低減機能 | イメージセンサークリーニング イメージダストオフデータ取得 |
イメージセンサークリーニング イメージダストオフデータ取得 |
センサーシフト駆動 | センサーシフト駆動 |
記録形式/記録方式 | ||||
最大記録画素数 | 6048×4024 | 8256×5504 | 6000×4000 | 7952×5304 |
画質モード | RAW RAW+JPEG JPEG TIFF |
RAW RAW+JPEG JPEG TIFF |
RAW RAW+JPEG JPEG |
RAW RAW+JPEG JPEG |
記録媒体 | XQD | XQD | メモリースティック PRO Duo | メモリースティック PRO Duo |
メモリースティック PRO-HG Duo | メモリースティック PRO-HG Duo | |||
メモリースティック マイクロ | メモリースティック マイクロ | |||
SD | SD | |||
SDHC(UHS-I /II) | SDHC(UHS-I /II) | |||
SDXC(UHS-I /II) | SDXC(UHS-I /II) | |||
micro SD | micro SD | |||
micro SDHC | micro SDHC | |||
micro SDXC | micro SDXC | |||
スロット数 | 1 | 1 | 2 | 2 |
対応規格 | DCF 2.0 Exif 2.31 PictBridge |
DCF 2.0 Exif 2.31 PictBridge |
DCF 2.0 Exif 2.31 |
DCF 2.0 Exif 2.31 |
ファインダー | ||||
ファインダー | 電子ビューファインダー | 電子ビューファインダー | 電子ビューファインダー | 電子ビューファインダー |
視野率 | 100% | 100% | 100% | 100% |
倍率 | 約0.80倍 | 約0.80倍 | 約0.78倍 | 約0.78倍 |
解像度 | 約369万ドット | 約369万ドット | 約236万ドット | 約368万ドット |
アイポイント | 約21.0mm | 約21.0mm | 約18.5mm | 約18.5mm |
視度調節範囲 | -4~+2m-1 | -4~+2m-1 | -4〜+3m-1 | -4〜+3m1 |
シャッター | ||||
シャッタースピード | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 |
ストロボ同調速度 | 1/200秒 | 1/200秒 | 1/250秒 | 1/250秒 |
レリーズ機能 | ||||
連続撮影速度 AF/AE追随 |
最高約5.5コマ/秒 | 最高約5.5コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 |
連続撮影速度 AF追随 |
最高約12コマ/秒 | 最高約9コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 |
連続撮影枚数 | 12 bit RAW ロスレス圧縮 35枚 |
12 bit RAWロスレス圧縮 23枚 |
RAW 89枚 | RAW 76枚 |
14 bit RAWロスレス圧縮 43枚 |
14 bit RAWロスレス圧縮 19枚 |
|||
12 bit RAW 圧縮 37枚 |
12 bit RAW 圧縮 23枚 |
|||
14 bit RAW 圧縮 43枚 |
12 bit RAW 圧縮 19枚 |
|||
12 bit RAW 非圧縮 33枚 |
12 bit RAW 非圧縮 23枚 |
RAW 非圧縮 40枚 |
RAW 非圧縮 28枚 |
|
14 bit RAW 非圧縮 34枚 |
14 bit RAW 非圧縮 18枚 |
|||
ー | ー | RAW+JPEG 79枚 |
RAW+JPEG 76枚 |
|
ー | ー | RAW 非圧縮+JPEG 36枚 |
RAW 非圧縮+JPEG 28枚 |
|
TIFF(RGB) 27枚 |
TIFF(RGB) 21枚 |
ー | ー | |
JPEG FINE 44枚 |
JPEG FINE 25枚 |
JPEG エクストラファイン 163枚 |
JPEG エクストラファイン 76枚 |
|
JPEG NORMAL 44枚 |
JPEG NORMAL 25枚 |
JPEG ファイン 172枚 |
JPEG ファイン 76枚 |
|
JPEG BASIC 46枚 |
JPEG BASIC 25枚 |
JPEG スタンダード 177枚 |
JPEG スタンダード 76枚 |
|
露出制御 | ||||
測光範囲 | -4~17EV | -4~17EV | -3~20EV | -3~20EV |
ISO感度 | 静止画 ISO100-51200 |
静止画 ISO64-25600 |
静止画 ISO100-51200 |
静止画 ISO100-32000 |
拡張下限 ISO50 |
拡張下限 ISO32 |
拡張下限 ISO50 |
拡張下限 ISO50 |
|
拡張上限 ISO204800 |
拡張上限 ISO102400 |
拡張上限 ISO204800 |
拡張上限 ISO102400 |
|
オートフォーカス | ||||
測距点数 | 273点 像面位相差検出 |
493点 像面位相差検出 |
693点 像面位相差検出 |
399点 像面位相差検出 |
検出範囲 | -2~+19EV | -2~+19EV | -3~+20EV | -3~+20EV |
ローライトAF時 | ー | ー | ||
-4〜+19EV | -4〜+19EV | |||
瞳AF | なし | なし | あり | あり |
手ぶれ補正機能 | ||||
方式 | 5軸補正 | 5軸補正 | 5軸補正 | 5軸補正 |
補正効果 | 5.0段 | 5.0段 | 5.0段 | 5.5段 |
動画機能 | ||||
ファイル形式 | MOV MP4 |
MOV MP4 |
XAVC S AVCHD 2.0 |
XAVC S AVCHD 2.0 |
圧縮方式 | H.264 MPEG-4 AVC |
H.264 MPEG-4 AVC |
H.264 MPEG-4 AVC |
H.264 MPEG-4 AVC |
記録モード | 3840×2160 30p/25p/24p 144Mbps |
3840×2160 30p/25p/24p 144Mbps |
3840×2160 30p/24p 100/60Mbps |
3840×2160 30p/24p 100/60Mbps |
1920×1080 120p/100p/60p 50p/30p/25p/24p 144/56/28Mbps |
1920×1080 120p/100p/60p 50p/30p/25p/24p 144/56/28Mbps |
1920×1080 120/60/30/24p 100/60/50Mbps |
1920×1080 120/60/30/24p 100/60/50Mbps |
|
最長記録時間 | 約29分59秒 | 約29分59秒 | 約29分 | 約29分 |
モニター | ||||
モニター種別 | チルト式 | チルト式 | チルト式 | チルト式 |
画面サイズ | 3.2型 | 3.2型 | 3.0型 | 3.0型 |
画面解像度 | 約210万ドット | 約210万ドット | 約92.1万ドット | 約92.1万ドット |
インターフェース | ||||
USB | Type-C | Type-C | マイクロUSB | マイクロUSB |
HDMI | HDMI Type C | HDMI Type C | HDMI Type D | HDMI Type D |
外部マイク入力 | ステレオミニジャックφ3.5mm | ステレオミニジャックφ3.5mm | ステレオミニジャックφ3.5mm | ステレオミニジャックφ3.5mm |
プラグインパワー | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
ヘッドホン出力 | ステレオミニジャック φ3.5mm |
ステレオミニジャック φ3.5mm |
ステレオミニジャック φ3.5mm |
ステレオミニジャック φ3.5mm |
シンクロターミナル | なし | なし | なし | あり |
LAN端子 | なし | なし | なし | なし |
Wi-Fi(無線LAN) | ||||
方式/規格 | IEEE802.11 b/g/n/a/ac |
IEEE802.11 b/g/n/a/ac |
IEEE 802.11 b/g/n |
IEEE 802.11 b/g/n |
Bluetooth | ||||
Bluetooth | あり | あり | あり | あり |
電源 | ||||
使用電池 | EN-EL15b | EN-EL15b | NP-FZ100 | NP-FZ100 |
バッテリーパック | ー | ー | VG-C3EM | VG-C3EM |
電池寿命 | ||||
撮影可能枚数 | ファインダー使用時 | |||
約310枚 | 約330枚 | 約610枚 | 約530枚 | |
背面モニター使用時 | ||||
約380枚 | 約400枚 | 約710枚 | 約650枚 | |
寸法・質量 | ||||
幅×高さ×奥行き | 約134.0mm 約100.5mm 約67.5mm |
約134.0mm 約100.5mm 約67.5mm |
約126.9mm 約95.6mm 約73.7mm |
約126.9mm 約95.6mm 約73.7mm |
本体質量 | 約675g/使用時 | 約675g/使用時 | 約650g/使用時 | 約657g/使用時 |
約585g/本体 | 約585g/本体 | 約565g/本体 | 約572g/本体 |
■性能的に優れているのは?
スペックはα7 IIIとα7R IIIに一日の長がある
まず最初に、カメラの良し悪しは仕様表だけで語ることは出来ません。
実際今回のスペック比較では、α7 IIIの方がα7R IIIよりも仕様表上勝る点が多くなっていますが、だからと言って「α7R IIIよりもα7 IIIの方が優れたカメラである」とは言い切れないでしょう。
しかし今回の趣旨はカタログスペックの比較ですから、それにそって言うならば、Z6・Z7と比較位して、α7 IIIとα7R IIIの方が、
- AF/AE追随時の連写性能
- 連続撮影可能コマ数
- 撮影可能コマ数(バッテリーライフ)
- デュアルスロット
- 小型軽量ボディ
などスペック的には勝る部分が多いと思います。
そうした面でソニーはフルサイズミラーレスの先駆者であること、またその技術力の高さを改めて知らしめたと言えます。
操作性と高級感に期待させるZ6とZ7
対してZ6、Z7は、α7 III、α7R IIIよりも大きなボディであるわけですから、ダブルスロットの搭載や、(新型バッテリーを採用してでも)撮影可能枚数の向上など、今後の課題が見受けられます。
また今回Z6とZ7では非搭載となっている瞳AFも、搭載が期待されている方が多い機能のように思います。
とは言え、Z6・Z7も新マウントの初代機としては高い性能を実現しており、ホールディング性やファインダー・背面モニター品質など、ニコンならではの拘りが感じられる部分もあります。
またαシリーズと比較して、(実際に高価ではあるものの)Zシリーズの方が高級感があるように思います。
Zシリーズとαシリーズの将来性
本来カメラの良し悪しは、仕様表ではなく人間の方を向いて語られるべきもので、そうした意味ではZシリーズは初代機でありながら、「良い意味でのニコンらしさ」も既に見受けられます。
しかし価格面なども踏まえると、スペック的にはもう一歩二歩進んだものにして欲しかったところでしょう。
対するαはスペックに振り切ったカメラ作りをしているわけですから、今回の比較では、「スペックで他社に遅れをとるわけにはいかない」というソニーの意地を見せた結果となりました。
ただし、ソニーがフルサイズミラーレス市場へ進出したのが2013年であることを考えると、Z6とZ7は既にα7 IIやα7R IIの性能は明確に超えており、5年間のビハインドを一気に詰めてきたとも言えます。
また、今後世代を経てブラッシュアップされていけば、大口径のZマウントの優位性も発揮されていく事でしょう。
これまでフルサイズミラーレス市場には、αシリーズ以外にもLEICA SLがありましたが、価格面などの理由からα7シリーズの競合機とは言えませんでした。
そういう意味でニコンZシリーズは、αシリーズにとって実質的には初の競合機であり、これからのニコンZシリーズ、ソニーαシリーズの更なる進化に期待したいと思います。
画像:YouTube(Nikon Europe)
Reported by 正隆