SNSの自撮りレタッチはなぜ不自然になってしまうのか?

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SNSの自撮り画像レタッチにお悩みの皆さんこんにちは。

昨今インスタグラムやツイッターなどのSNS上で、非常に不自然な自撮り画像を見かけることも多いと思います。これらの不自然なレタッチは一体どこを失敗しているのでしょうか?

PetaPixelにイギリス人写真家RANKINさんが行った実験が紹介されています。

実験はRANKINさんがティーンエイジャーを撮影し、その撮影画像と、それを本人たちにスマートフォンアプリを用いてSNSにアップロードする用の画像にレタッチしてもらった画像とを比較しており、そこからポートレートでのレタッチの注意点を学ぶことができます。

目次
  • 自撮り写真のレタッチ時の注意点
    • レタッチ例1
      • 痩身レタッチは骨ではなく肉の膨らみを軽く押さえる程度にする
      • 肌のレタッチは一時的な肌荒れのみ修正する
    • レタッチ例2
      • キャッチライトは黒目の量とのバランスに気をつける
    • レタッチ例3
      • 肌の修正で残すべきものと消すべきもの
      • 生え際の修正は適度にボカすか不規則性を持たせる
    • レタッチ例4
      • 鼻は細くしてはいけない
  • レタッチで変えていい部分、変えてはいけない部分
    • 不気味なレタッチにならないために
    • レタッチで修正していい部分と修正してはいけない部分

そこで今回は、レタッチ画像を元にSNSなどでやってしまいがちな人物レタッチのありがちな失敗と適切なレタッチを行うための注意点について解説したいと思います。

■自撮り写真のレタッチ時の注意点


レタッチ例1

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痩身レタッチは骨ではなく肉の膨らみを軽く押さえる程度にする

今回掲載されている画像の中でも最も不自然な仕上がりになってしまっているのがこの写真のように思います。

痩身レタッチでの注意点は骨を大きく削らないことで、肉付きが膨らんでいる部分を軽く押さえるような感じで行うようにしましょう。骨格ごと動かしてしまうと、このレタッチ例のように別人になってしまいます。

またこの例では顎だけでなく鼻筋も細くし過ぎており、頭部のバランスが崩れています。

肌のレタッチは一時的な肌荒れのみ修正する

肌のレタッチも過剰で、ニキビや吹き出物といった一時的な肌荒れに関してはレタッチで消しても良いと思いますが、健康な部分の肌の質感まで完全になめしてしまうと、このように非常に不自然な肌の仕上がりになってしまいます。

また、唇はそのままではシワが多く見えるので多少滑らかにすることがありますが、ここまで均一になめしてしまうとやはり不自然な仕上がりになってしまうため、ハイライトを残しながら小さいシワだけを消していくほうが自然な仕上がりとなります。

レタッチ例2

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キャッチライトは黒目の量とのバランスに気をつける

2つめのケースでは肌の修正は抑制されており、先ほどの画像と比較して不自然さは多少抑えられています。

このレタッチ例2の大きな問題の一つは、キャッチライト(黒目に入るハイライト部分)の分量にあります。

キャッチライトの効果としては、瞳に輝きを与え表情を生き生きと見せる効果があります。

しかしキャッチライトは入らなければ生気のない目になるものの、多すぎると意識が飛んでしまっている不気味な目つき見えてしまう場合があります。

そのためキャッチライトのハイライトは、黒目の黒い部分よりも量を少なく入れるのがコツなのですが、このレタッチではもともと薄く広く入っていた面積の広いキャッチライト部を全部大幅に白くしてしまっているため、不自然になっているわけです。

キャッチライトの量を撮影時にコントロールできる場合にはキャッチライトが大きくなり過ぎないように適切な面積で入れ、キャッチライトが大きく入ってしまっている場合には、真っ白にし過ぎないようにレタッチする必要があります。

キャッチライトも適切な分量や強度があるというわけです。

レタッチ例3

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肌の修正で残すべきものと消すべきもの

こちらのレタッチ例では、肌修正をやり過ぎています。

肌のレタッチで消すべきもの残すべきものの判断基準は、一般的には、その人の肌に常にあるものなのかそれとも一時的なものなのか?という点とされています。

つまり、ニキビや一時的な肌荒れなどはレタッチで修正してよく、シミやホクロといったその人の肌に基本的に常にあるものに関しては、その人物の個性を形成している特徴であると捉えて、修正しないほうが良いとされています。

このレタッチ例では、シミやホクロまでかなり薄くしているため、人工的な肌に見えてしまっています。

生え際の修正は適度にボカすか不規則性を持たせる

この例3の元画像では、眉毛の下側に抜き忘れている毛がまばらにありますが、これは抜くことが出来るものであるため、レタッチで消しても構いません。

ただしこのレタッチ後の画像のように、眉毛のアウトラインをエッジを効かせるように塗りつぶしてしまうと、眉毛自体が不自然に見えてしまいます。

そのため眉毛のアウトラインは少しぼかしてみたり、横一直線に修正したようにならないように気をつけると、より自然な仕上がりになります。

レタッチ例4

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鼻は細くしてはいけない

鼻筋が通って高く見えるようにしたいというのは願望としてはわかりますし、メイクや陰影のレタッチで適度に見栄えを良くすることは構いませんが、このレタッチ例4のように、形そのものを細くしてしまうのは、実際のその人物と見比べた際の違和感を強調してしまうことになります。

そのため鼻をレタッチをする場合には、化粧のようにシャドウ部分とハイライト部分を適切に強調する程度に抑えてレタッチすると良いでしょう。

Photoshopであれば、覆い焼き&焼き込みツールの露光量を10%前後と低く設定し、全体のバランスを見ながらハイライトとシャドウの強さを調整していくと自然な仕上がりになります。

同じように瞳を大きく見せたい場合も、アイシャドーをほんの少し濃くしたり、アイラインやまつげを焼き込みツールでなぞることで、目の大きさ自体は変えることなく瞳の大きさを強調することができます。

■レタッチで変えていい部分、変えてはいけない部分


不気味なレタッチにならないために

SNSにアップロードされる自撮り画像が不自然になってしまう傾向にあるのは、その自分を形成している特徴を根本的に変えてしまう、あるいは無くしてしまうという点が一つで、これは要するに違う人になってしまっているという結果にも繋がります。

ホクロや骨格といったものはその人物の個性の一部ですから、レタッチで変えてはいけません。

またもう一つのよくある失敗は、バランスを欠いてしまうという点で、肌を完全に塗りつぶしてしまったり、キャッチライトを強く入れ過ぎてしまうということに注意する必要があります。

レタッチで修正していい部分と修正してはいけない部分

レタッチで変えていい部分とそうでない部分をざっくりというと以下のようになります。

  • 適度に修正していい部分
    • ニキビや一時的な肌荒れ
    • 産毛や抜き忘れの毛
    • メイク部分の色や明るさ
    • ほつれ毛
  • 修正すべきでない部分
    • シミやホクロ
    • 骨格や鼻筋
    • 目や鼻などパーツの大きさ

例えていうならば、

  • 一般的なメイクやヘアメイクで行えること→レタッチOK
  • 美容整形で行うこと→レタッチNG

というわけです。

レタッチは元の画像と比較しながら、過ぎたるは及ばざるが如しということを心がけて行うと良いでしょう。

画像:PetaPixel,RANKIN

Reported by 正隆