Youtubeの自称プロカメラマンを見抜く方法

YouTubeの自称プロカメラマンを見抜く方法

皆さんこんにちは。

最近カメラ系YouTuberの中に箔付けのためにプロカメラマンを自称している人が増えているように思います(箔付けになってもいない気がしますが)。

そもそもプロかアマチュアかと機材の知識量には全く関係がないので、活躍しているフォトグラファーでも機材に詳しくない人は沢山いますし、フォトグラファーより機材に詳しいアマチュアのかたも幾らでもいます。

そこで今回は、

  • 撮影で生計を立ているフォトグラファーか?
  • 実際は撮影の仕事をしていないYouTuberか?

これを見分ける方法を考えてみました。

ただしカメラ系YouTuberとフォトグラファーでどちらが偉いとかそういう意味では全くありません

なので今回の話も、単に「フォトグラファーとして本当に活動しているかどうか」を見分ける方法であって、特定のYouTuberのことを言っているわけではありませんので、そうした点もご留意ください。

目次
  • こういう部分ではプロかどうかは分からない
    • プロサービスに入っているかは活動実態とは無関係
    • 機材の価格とプロかどうかも無関係
  • フォトグラファーと自称プロカメラマンのYouTuberを見分ける方法
    1. SNS以外の仕事を請け負う窓口がない
    2. ストラップがアンカーリンクス
    3. おしゃれな帽子を被っている
    4. カメラ系のイベントによく登場している
    5. 撮影ジャンルと機材に一貫性がない
    6. YouTube動画投稿やライブ配信を頻繁にしている
    7. 発光するインテリアやPCを置いている
    8. カメラやレンズは高価だがモニターは安物
    9. 机の上や側にカメラやレンズを並べている
  • フォトグラファーを名乗っているだけの9つの代表的パターン
    • 該当する項目の数が表す意味
  • フォトグラファーとカメラ系YouTuberのそれぞれの価値
    • フォトグラファーの価値
    • カメラ系YouTuberの価値

というわけで今回はそのような話です。

■こういう部分ではプロかどうかは分からない


プロサービスに入っているかは活動実態とは無関係

まず先に「こういう点では撮影の仕事をしているかどうか判断できない」という点をご紹介しておきます。

以前はよくプロサービス会員ならプロの証明になると思わていましたが、プロでもプロサービスに入らない人もいれば、一旦入会しても退会する人もざらにいます。

またソニーのプロサービスなどは紹介者不要だった気がしますが、CPSやNPSは会員の紹介がないと入会できないので、会員の師匠やある程度仲の良い会員の知人がいないと、フォトグラファーとしての活動実績があっても入会できないという面もあります。

例えば写真館や式場のブライダル撮影のアルバイトからフリーになった若者などは、アルバイトの状態ではプロサービスに入れないですし、フリーになっても紹介してくれる会員の知り合いがいないという場合もあります。

プロサービスの入会審査は仕事の実績の証明はシビアなものではないので紹介してくれる人さえいれば基本入れます。有名なフォトグラファーとかすごく活躍しているフォトグラファーでないと入れないとかそういうものではありません。

プロサービス会員資格というのは「クレジットカードの審査」のようなもので、クレジットカードも一旦発行されたら、

  • 年収が下がったからカードの発行を取り消す
  • 転職したからカードの発行を取り消す

なんてことは普通はないのと同じで、カメラのプロサービスも撮影の仕事をしなくなったからといって会員資格剥奪とかされません。

機材の価格とプロかどうかも無関係

また他に聞くのは「プロは大三元レンズ」といった機材系のイメージみたいなのもあるのですが、レンズやアクセサリーは撮影ジャンルで違ってくるので、大三元かどうかなんてプロかどうかと全く関係がありません

私は使っていますが、それは私がたまたまその焦点距離をよく使うというだけです。

カメラボディは上級機ならジャンルを問わずに汎用性が効く場合も多いですが、レンズやアクセサリーなどは特に撮影ジャンルごとに違うので、一概に「プロは○○を使う」とは言い切れないわけです。

ジャンルによってはライカを使っている人もたまにいますし、若い独立したばかりの人などはそんなにお金がないですから、F4通しのいわゆる小三元の場合もあれば、サードパーティ製レンズを使っている場合もざらにあります。

しかし彼ら彼女らは撮影で生計を立てているのですから、紛れもないフォトグラファーですし、安価な機材でも上手い人は上手いです。そんな人は沢山います。

なので、撮影しているところを見ればプロかアマチュアかは大体分かりますが、所有している機材の価格でプロかアマチュアかなんて分からないです

お金さえあれば誰でも買えるのがカメラやレンズですから大した意味はありません。

■フォトグラファーと自称プロカメラマンのYouTuberを見分ける方法


というわけで、

  • 本当に撮影で生計を立てているフォトグラファーなのか?
  • 自称プロカメラマンのYouTuberなのか?

これを判断するために考えてみたのが以下の項目で、これらに該当する数が多いほど「自称」プロである可能性が高いと思います。

※ただし、1つでもあればダメだとかプロじゃないとかそういう意味ではありませんから、極端にとらえないでくださいね。

一つ一つ説明していきます。

1.SNS以外の仕事を請け負う窓口がない

当たり前のことですが、仕事を受けるには受ける窓口が必要になります。特にフリーのフォトグラファーはそうした窓口がなければそもそも依頼が来ないのでWebサイトなど何らかの窓口があります。

中には、

  1. フォトエージェンシー(アマナイメージズやアフロのようなもの)
  2. 広告代理店(博報堂フォトクリエイティブのようなもの)

などに所属しているフォトグラファーもいて、そういう人はそこを通じて仕事受けているので事情が変わりますが、そもそもフォトエージェンシーや広告代理店は当然自社のWebサイトを持っていますし営業もかけています。

そうしたところに所属しているフォトグラファーでも調べてみると個人のWebサイトも持っている人も沢山います。

対して営業写真館などで働いているといったかたは会社が窓口となってお客さんを連れて来るわけですから、個人のWebサイトを持っていない人も沢山います。

しかしフリーのフォトグラファーは当然仕事の依頼が沢山来て欲しいわけですから、なるべく間口は広く用意しておきたいので、ツイッターやYouTubeしか連絡手段がないなんていうことは普通はありません。

SNSをやっていないということではなく「SNSしかやっていない」という人は少ないということです。

わざわざ「依頼の間口を狭くするプロ」っておかしいでしょう?フォトグラファーは隠れ家レストランじゃないので。

そのため、

  • コンタクトが簡単に取れそう→活動している可能性が高い
  • コンタクトが取りにくそう→活動していない可能性が高い

というわけです。

2.ストラップがアンカーリンクス

これは「カメラ系YouTuberあるある」だとおもうのですが、やたらピークデザインのアンカーリンクスを使っている人が多いように思います。

しかし、フォトグラファーはストラップを付けずに撮影するということは基本ありませんからアンカーリンクスは使いません。ストラップを外す必要がないので。

ムービーが主体のカメラ系YouTuberはアンカーリンクスの使用者が多いのに対して、リアルなフォトグラファーは普通のストラップを付けっぱなしにしている人が多くなります。

一番わかりやすいところで言えば、オリンピックやワールドカップなどを見ればわかると思いますが、大抵のフォトグラファーはカメラ付属のストラップかプロストラップを付けていて、アンカーリンクスを使っている人はほとんどいないと思います

ポートレートのフォトグラファーもカメラ付属のストラップかプロストの人が多いと思います。

しかしカメラ系YouTuberはカメラを、

  • YouTubeの動画撮影
  • カメラそのものをYouTubeで見せるため

このいずれかの目的で使っていることが多いため、ストラップを外しやすいアンカーリンクスを使う人が多くなるのだと思います

もちろんアンカーリンクスがダメということではなく、便利なストラップの取り付け方式で素晴らしいアイデアだと思いますが、フォトグラファーはストラップを外すということ自体ほとんどないというだけです。

ちなみにピークデザインのストラップとともに登場したアンカーリンクス(当時はアンカーリンクという名称でした)を、デジカメWatchの記事で2015年にレビューし日本で広くこのシステムを紹介した最初の人物は実は私でした。

それが様々な人(YouTuberも含めて)を経由して日本で広まり、アンカーリンクスはYouTuberにも広く使われるようになっていきました。その時のデジカメWatchの記事がこちらです。

速写ストラップのニューカマーを試す Peak Design Slide

この記事は当時結構反響があり、ストラップそのものよりもアンカーリンクスのシステムがここから流行っていきました。

3.おしゃれな帽子を被っている

次ですが、実際に撮影しているフォトグラファーでもたまにおしゃれな帽子をかぶっている人はいますが全体から見れば極めて少数です。

単純に撮影の邪魔だからです。

ネイチャー系のフォトグラファーやスポーツイベントを撮影する人で防寒や熱中症対策のために被っているのは別です。あれはもちろん必要な道具でしょう。

そうではなく「それ要らないだろ」というタイプのおしゃれ系の帽子をかぶっている人のことです。

おしゃれ帽子のようなものは、現実のフォトグラファーではなく、イメージの中の「おしゃれフォトグラファー像」に憧れているだけだと思います。そんな仕事じゃないんですけどね。

4.カメラ系のイベントによく登場している

CP+やカメラメーカーのイベントに出ている肩書きが「プロカメラマン」や「写真家」のかたを撮影料で生計を立てているフォトグラファーと言えるかは微妙だと思います。実態は撮影料ではなく出演料でしょうし。

それはそれで立派な仕事なので批判するつもりなどは全くありませんが、撮影の対価で生活しているフォトグラファーと、出演料で生活する講師業は似て非なるものだと思います。

異なるノウハウが必要な仕事だからです。

またイベントやセミナーで作例を出すには作例自体を撮りに行かなければいけませんが、フォトグラファーは仕事の撮影とポートフォリオ用の作品撮りやその他の雑務で忙しいので、セミナーやイベントに頻繁に出演したりそれ用の作例を撮っている暇はありません。また仕事で撮影した写真は作例として大勢の前で勝手に使えません。

ただしこれは、一回二回カメラのイベントに登壇したからどうこうという意味ではありません。あくまでも「頻繁に」そうしたイベントに出演しているのはフォトグラファーとしては不自然だということです。

5.撮影ジャンルと機材に一貫性がない

これは先に書いた「機材の価格とプロかどうかは無関係」とある意味で同じような話でもあり、フォトグラファーなら自分が撮影するジャンルがある程度決まっているので、それ以外の機材は通常必要ありません(中には本当に趣味でクラシックカメラなどを集めている人もいますが)。

そのため撮影ジャンルがわからないようなカメラやレンズのラインナップというような、不自然な機材の揃え方をしているのは、再生数が伸びやすい話題性のある機材を雑多に買わなければいけないカメラ系YouTuberにありがちなことのように思います。

まだ若いフォトグラファーで「欲しい機材が十分に買えないので安価なもので妥協せざるを得ない」という場合は多々ありますし、それは全然おかしなことではありません。

しかし例えば、

  • 撮影ジャンルに一貫性のない高級機はなぜか幾つも持っている
  • 安価なものなのに撮影に必要なはずの機材はなぜか持っていない

というのは、カメラ自体のレビューを仕事にしているYouTuberの傾向だと思います。

6.YouTube動画投稿やライブ配信を頻繁にしている

身もふたもない話ですが動画制作には時間がかかるため、そもそもまともに仕事をしているフォトグラファーはYouTube活動はしません

実際に現在とても活躍しているポートレートフォトグラファーを参考にしてみましょう。

下の表のフォトグラファーは、

  • 一般週刊誌で最も発行部数が多いFRIDAYで
  • 最近3年間の間に1回以上巻頭グラビアを撮影している

という間違いなく売れているポートレートフォトグラファーの方たちです。

一般週刊誌最多発行部数を誇るFRIDAYの巻頭グラビアを依頼されるのはもの凄く売れているポートレートフォトグラファーだけですし、もちろんこれは1雑誌の巻頭グラビアの撮影回数なので、この方たちは他の多くの雑誌でもグラビア撮影をしたり広告写真なども撮影しています

果たしてそんな「売れているフォトグラファーたち」はどんなSNSを活用しているのでしょうか?そしてYouTubeで活動しているのでしょうか?

順位 名前 Web Twitter Instagram YouTube 撮影回数
01位 Takeo Dec. あり あり あり なし 20
02位 佐藤裕之 なし あり なし なし 16
03位 LUCKMAN あり あり あり なし 10
03位 熊谷貫 なし なし なし なし 10
03位 三宮幹史 あり なし あり なし 10
06位 三瓶康友 あり なし なし なし 9
07位 柴田フミコ あり なし あり なし 8
07位 曽根将樹 あり なし あり なし 8
07位 中村和孝 あり なし あり なし 8
07位 細居幸次郎 なし なし なし なし 8
11位 岡本武志 なし なし なし なし 7
11位 西田幸樹 なし なし なし なし 7
13位 西條彰仁 あり あり なし なし 6
14位 黒沼論 あり なし なし なし 5
15位 倉本GORI あり なし あり なし 4
15位 中山雅文 あり なし あり なし 4
17位 阿部ちづる あり なし なし なし 3
17位 菊池泰久 あり なし なし なし 3
17位 吉田崇 なし なし なし なし 3
20位 ND CHOW あり あり あり なし 2
20位 桑島智輝 あり あり あり なし 2
20位 佐賀章広 なし なし なし なし 2
20位 東京祐 あり あり あり なし 2
20位 舞山秀一 あり あり なし なし 2
20位 松田忠雄 あり あり あり なし 2
26位 Jimmy Ming Shum あり あり あり あり 1
26位 江口博彦 あり なし なし なし 1
26位 江森康之 あり なし なし なし 1
26位 遠藤優貴 あり なし あり なし 1
26位 熊木優 あり なし あり なし 1
26位 栗山秀作 あり なし あり なし 1
26位 佐藤佑一 なし あり あり なし 1
26位 篠山紀信 なし なし なし なし 1
26位 鈴木ゴータ あり なし あり なし 1
26位 田口まき なし あり あり なし 1
26位 富田恭透 なし なし あり なし 1
26位 豊田亮 なし なし あり なし 1
26位 中島功補 なし なし なし なし 1
26位 中村昇 なし なし なし なし 1
26位 野村恵子 あり あり あり なし 1
26位 𣘺本雅司 なし なし なし なし 1
26位 藤本和典 なし あり あり なし 1
所有者数 26名 14名 23名 1名
所有率 61.9% 33.3% 54.8% 2.4%

これを見てわかるように他のSNSの使用率と比較して、売れているフォトグラファーはYouTubeでの活動をほとんどやっていません

42名中、唯一YouTubeにチャンネルを持っていたJimmy Ming Shumさんも、投稿した動画は7年前の1本だけなので事実上使っていないも同然の状態です。

フォトグラファーにとっての優先度は、

  1. Webサイト(仕事を受けるために使う):61.9%
  2. Instagram(ポートフォリオに使う):54.8%
  3. Twitter(出版物や写真展の告知に使う):33.3%
  4. YouTube(無くても困らない):2.4%

なのでフォトグラファーの利用率は自然とWeb>Instagram>Twitter>YouTubeとなるわけです。

Webサイトについて(使用率:61.9%)

フォトエージェンシーや広告代理店に所属している人は別として、完全にフリーのフォトグラファーならWebサイトは持っている人が多いと思います。

超売れっ子ならWebサイトを持っていなくても人脈で直接連絡が来るかと思いますが、そんなのは本当に超レアな話なので、フリーのフォトグラファーならWebサイトをもっておいた方がいいと思います。

またこのブログも更新し続けて検索順位が上がるにつれ撮影依頼や作品撮りのモデルさんの応募も増えていったので、フォトグラファーもただサイトを作るだけではなくサイトを活用する方法を考えると良いでしょう。ただ作っただけのサイトだと、窓口にはなりますが集客力はほとんどありません。

もちろん今回の表に出ているような人たちは凄く売れている人たちなので、私のようにちまちまブログを書く必要などありませんが、そうした人たちでさえ、やはり一番利用率が高かったのは「自身のWebサイト」でした。

余談ですが今回調べていて個人的に凄いと思ったのは、Takeo Dec.さんのサイトで、メニューも何もなく連絡先の電話番号やメールアドレスを記載した1ページだけです。

確かにTakeo Dec.さんクラスなら連絡先だけ書いておけば十分でしょう。「ポートフォリオならあなたのお手元の雑誌に載っているでしょう?」と言っても本当に載っている可能性が十分ありますから。

Instagramについて(使用率:54.8%)

Instagramは過半数の方が使っており人気があるようです。最近は「ポートフォリオをブックではなくWebで見たい」という出版社がとても増えているため、そうしたことも背景にあるのかもしれません。

私はInstagramは使わず、仕事用のWebポートフォリオはAmazing Graphの独立した非公開ページとDropboxに入れてあります。

そうすると相手にポートフォリオのページのURLと閲覧パスワードをメールで送れば良いだけですし、Instagramのように公開ではないので、掲載許可が取りづらい事務所の人の撮影事例でも(財産権としての)肖像権を気にせず見せられるのですごく便利です。この方法は若いフォトグラファーさんに教えて貰いました。

ちなみに私のポートフォリオで一番食いつきが良いのは女性アナウンサーさんの写真で、理由はわかりませんが、タレントさんの撮影事例やモデルさんを使った作品撮りは絶対に皆んなポートフォリオに入れたがるので、毎日見ている編集者のかたは逆に見飽きているのかもしれません。

もし知名度のある女性アナウンサーさんなどの撮影経験がある人は、Instagramとかには載せられないですが、ブックには入れておくのがおすすめです。

いずれにせよフォトグラファーのポートフォリオ用のInstagram利用率はこれからも増えていくだろうと思います。

Twitterについて(使用率:33.3%)

これは個人差があると思いますが、今回調べた範囲でも1/3程度と「余力がある人はTwitterも使う」という感じなのでしょう。

余力があれば使うのは良いと思います。もちろん「何を食べた」とか「どこに行った」とかは全く無意味なので写真関係の話や告知だけに使うのが良いでしょう。

YouTubeについて(使用率:2.4%)

そして問題はこれです。

撮影は、打ち合わせ(Web会議システムやメールも含めて)→撮影準備→撮影→レタッチ→納品、といった様々な作業がセットで「仕事」なので、撮影時間以外の労働時間の方が基本的に長くなります

しかしYouTube用の動画の撮影や編集(外注してもそのやりとりが必要ですので)をしているとかなり時間を奪われてしまうはずです。

そのためこの表でも売れているフォトグラファーのYouTube使用率は2.4%とWebサイトや他のSNSと比較して極端に低くなっており、先にお話したように、42名中ただ1名YouTubeに動画投稿してたJimmy Ming Shumさんも7年前の1本だけです。

つまり普通に仕事をしているフォトグラファーなら、YouTubeの動画をコンスタントに作ったり配信している暇などないはずです。

7.発光するインテリアやPCを置いている

また動画に出てくる部屋を見るだけでもなんとなくは分かってしまうものです。

フォトグラファーは室内照明の演色性や天井や壁紙の色さえ結構気にしている人が多いので、変な色の照明器具を仕事部屋には置かないです。

例えば、演色性の高い照明器具であれば、

などがあります。

ただ、この話は「そこまでこだわるべき」という話ではなくて、演色性の悪い光るインテリアや光るゲーミングPCのような、色被りが起きるものをわざわざ置いたりはしないという意味です。そんなフォトグラファーはいないと思います。

8.カメラやレンズは高価だがモニターは安物

またカメラやレンズには湯水のようにお金をかけるのにモニターは安物というのも変でしょう。

  • カメラは高級機
  • レンズも高級品
  • モニターは安価

というのは、バランスがとれていなさすぎて不自然だと思いますが、カメラは動画で何度も話題に出来ますが、モニターは話題にできるのは精々1-2回でしょうから、YouTuberにとってはモニターはお金をかける価値がないのかもしれません。

また、まともなプリンターを持っていないというような場合もちょっと変だと思います。

大きなプリントが必要になる作品展のプリントならともかく、ポートフォリオ用のプリントをするのに一々プロラボに行くフォトグラファーは今はほとんどいないので、大抵のフォトグラファーは仕事場にまともな写真用のプリンターを持っているはずです。カメラやレンズよりずっと安いのですから。

9.机の上や側にカメラやレンズを並べている

YouTuberに多い例として、机や机のすぐそばにカメラやレンズをずらずら並べているというのもあります。機材のアピールをしたいのだと思いますが、普通にフォトグラファーとして仕事をしていればあんな面倒で危険なことはしません

画像:EIZO(https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/matching/environment/step1.html)

このイラストはEIZOの環境整備のページの引用ですが、これが正しいフォトグラファーのデスクという意味ではありません。人によってジャンルも違えば使いやすい方法があると思います。

ただし、カメラやレンズを机にずらずら並べておく意味は全くないので置きません

その点は多くのフォトグラファーが共通していると思います

私の場合はその日使った機材だけをカメラバッグ(Logistics Manager 30 V2.0です)から出して、

  1. 帰ってきたらまず撮影データをPCに取り込む
  2. バッテリー充電をして使ったカメラとレンズを簡単にチェック
  3. ブロアーでゴミを飛ばして
  4. バッグにすぐ戻しておく

という流れです。

会社の共用機材なら機材を所定の場所に保管するはずですから、やはりテーブルの上にカメラやレンズを立てて放置はしないでしょう。

YouTuberに机の上や側にカメラやレンズを並べておく人が多いのは、彼らは動画や配信で機材を見せるのが仕事なので、その方が都合が良いのだと思います。それはそれで合理的な判断だと思います

フォトグラファーを名乗っているだけの9つの代表的パターン


該当する項目の数が表す意味

これらを総合的に判断して作ったのが下の表です。該当する項目が多いほど実際には撮影をしていないと思います

プロカメラマン名乗っているだけの9つの代表的パターン
1.SNS以外の仕事を請け負う窓口がない 仕事を受けていない証拠
2.ストラップがアンカーリンクス YouTuberが好んで使う
3.おしゃれな帽子を被っている 妄想のカメラマン像への憧れ
4.カメラ系のイベントによく登場する イベント&セミナー講師業
5.撮影ジャンルと機材に一貫性がない 撮影していると必然的に偏る
6.YouTube動画投稿やライブ配信を頻繁にしている そもそもそんな暇はない
7.発光するインテリアやPCを置いている まともに色を見る気がない
8.カメラやレンズは高価だがモニターは安物 撮影よりレビューが目的化
9.机の上や側にカメラやレンズを並べている 機材を見せることが目的化
該当数ごとのフォトグラファーとして仕事をしている確率
1つも該当しない フォトグラファー確率90%
1つ該当 フォトグラファー確率80%
2つ該当 フォトグラファー確率70%
3つ該当 フォトグラファー確率60%
4つ該当 フォトグラファー確率50%
5つ該当 フォトグラファー確率40%
6つ該当 フォトグラファー確率30%
7つ該当 フォトグラファー確率20%
8つ該当 フォトグラファー確率10%
9つ該当 フォトグラファー確率0%

■フォトグラファーとカメラ系YouTuberそれぞれの価値


フォトグラファーの価値

最後にフォトグラファーとカメラ系YouTuberのそれぞれの価値について私の考えをお話ししておきたいと思います。

フォトグラファーの価値というのは当然「頼まれた写真を期待に応えられるように撮ること」であって、YouTubeに面白い動画を投稿したりライブ配信をすることではありません。

もちろんYouTubeに動画を投稿しても全然構わないですが、それがメインになったのなら、それは普通に考えて職業は「YouTuber」だと思います。

カメラ系YouTuberの価値

また逆にカメラ系YouTuberにはフォトグラファーとは異なる価値があり、同時に異なる才能も求められるでしょう。

カメラ系YouTuberにはエンターテイメント性や何を発信すれば伸びるのかといった動画の需要を見抜く力が必要ですし、動画のアイデアも豊富です。もちろん「話が上手い」といったことも強い武器になるでしょう。

そもそも「表情豊かに話す」とか「テンポよくスムーズに喋る」ということ自体、慣れや改善の積み重ねで身につく技術でしょう。

そんなわけで今回は、YouTubeにいる自称プロカメラマン(正確には撮影の仕事をしていない人)の見分け方をご紹介してみましたが、YouTuberも立派な仕事だと思います。