オリンピック手袋事情と便利なレンズロック解除ボタン操作方法

画像引用:Canon(https://youtu.be/th7v_JsjzKY)

皆さんこんにちは。

これから特に寒い季節に入っていき、撮影時のレンズ交換も億劫になる時期です。そこで今回は、

  • 冬季オリンピックの手袋事情
  • 各社のレンズロック解除ボタンの位置について
  • キヤノンやニコン機でのレンズロック解除ボタンの素早い操作方法

これらについてお話ししたいと思います。

目次
  • 冬季オリンピックフォトグラファーの手袋事情
    • 冬季オリンピックフォトグラファーにとってどのくらい手袋が重要か?
  • レンズロック解除ボタンはどこにあるべきなのか?
    • 各メーカーのレンズロック解除ボタンの位置
    • 手袋着用時のグリップ側レンズロック解除ボタンのリスク
  • 安全性と利便性を両立するために
    • グリップ反対側のレンズロック解除ボタンをスムーズに押す方法
    • レンズ交換やカメラを置く際の注意点

では始めましょう。

■冬季オリンピックフォトグラファーの手袋事情


冬季オリンピックフォトグラファーにとってどのくらい手袋が重要か?

冬季オリンピックフォトグラファーは酷い場合は-15度以下の環境で数時間撮影を続けるため、指を出していたら凍傷にかかってしまいます。しかも素早い操作が必要な撮影です。

凍傷で指を切断なんてことになったらもう仕事を続けること自体難しくなりますから、そのためごついグローブを着用して撮影するわけです。グローブも一般的なフォトグローブよりも分厚いものになります。

厳冬期に撮影するスポーツフォトグラファーの手袋事情が少しわかる動画がこちらです。実際に2018年の平昌冬季オリンピックなどでフォトグラファーが使った手袋などが紹介されている場面から始まります。

前回の冬季五輪である2018年の平昌オリンピックを撮影していたフォトグラファーなどの手袋を紹介しています。

画像引用:Canon(https://youtu.be/th7v_JsjzKY)

動画内でも出てきますが、一回の撮影でこれだそうです。恐ろしいですね。どれだけ素早い操作を繰り返しているのやら。

このように冬季オリンピックを撮影するレベルのフォトグラファーというのは手袋必須で、しかもゆっくり撮影できるわけではないので、分厚い手袋をしていても素早い操作ができるカメラが必要になるわけです。

  • 手袋を着用していても操作ができる→NG
  • 手袋を着用していても素早い操作が出来る→OK

こういうことです。

ただこの点に関しては過去に散々話してきたと思いますので、今回はレンズロック解除ボタンとの関連性について話していこうと思います。

■レンズロック解除ボタンはどこにあるべきなのか?


各メーカーのレンズロック解除ボタンの位置

まずは各社のレンズロック解除ボタンの位置について見ていきましょう。カメラの正面から見た場合です。

  • キヤノン→右
  • ニコン→右
  • ソニー→左下
  • 富士フイルム→左下
  • オリンパス→右
  • パナソニック→左下(LUMIX Sシリーズ)
  • リコー→左下

となっています。つまり向かってマウントの右側にあるメーカーと左下にあるメーカーがあります。

レンズロック解除ボタンが左下にあるメリットは分かり易いですね。

  1. 右手の薬指などでレンズロック解除ボタンを押す
  2. 左手でレンズを外して
  3. 左手でレンズを付ける

以上3工程でレンズ交換が終了するので、素早い交換が可能です。

ではグリップの右側にあるキヤノン、ニコン、オリンパスはなぜ向かって右側にレンズロック解除ボタンがあるのでしょう?

  1. カメラの正面を自分に向ける
  2. 右手の親指でレンズロック解除ボタンを押す
  3. 左手でレンズを外して
  4. 左手でレンズを付ける
  5. 付け替えたらまた持ち替えて右手でグリップする

すごく面倒です。

持ち替えの動作も不自然で神経を使います。そう考えると、マウントの左下にレンズロック解除ボタンがある方が明らかに便利です。

ここで詳しい方なら「それキヤノンやニコンのレンズ交換のやり方を知らないだけでしょ」と思われるでしょう

その通りです。

先ほどご紹介した5工程のレンズ交換の方法が間違いというわけではありませんが、実はキヤノンやニコンも右手でグリップを持ったままレンズ交換できるようになっています

その方法は後でご紹介するとして、先に手袋を着用している時のグリップ側レンズロック解除ボタンのリスクについてお話ししていきましょう。

手袋着用時のグリップ側レンズロック解除ボタンのリスク

グリップ側のレンズロック解除ボタンはスペースが十分にある、ある程度大きなカメラの場合は問題ないのですが、グリップとレンズロック解除ボタンの間にスペースが小さいとこのような問題が生じる場合があります。

海外のYouTuberの方が、α1EOS R5でポートレートから野生動物まで撮影するという動画なのですが、超望遠レンズを使用しての野鳥撮影中、α13度も不意にレンズが外れたと報告しています。

理由としては、寒冷地での撮影でグローブを着用して撮影すると、知らず知らずの間にレンズロック解除ボタンを押してしまっていることが原因です。

画像引用:Amazon(https://amzn.to/3ir7w5U)

α1の場合、向かって左下にレンズロック解除ボタンがあるのですが、グリップとマウントの距離がないために、厚手のグローブをしていると、知らず知らずのうちにレンズロック解除ボタンに触れてしまうわけです。

画像引用:YouTube(https://youtu.be/FwNRND2qVZU)

そして撮影中にロックが外れ、高価なFE 600mm F4 GM OSSを落下させそうになったとのことです。

αのレンズロック解除ボタンはグリップから近すぎる上、出っ張らせすぎです

テレコンを付けているため、α1にしては比較的根元の細くなっている部分が長い状態なのでグローブを着用しても指のスペースはある程度あるのですが、厚手のグローブを着用するとあのレンズロック解除ボタンでは不用意に押してしまうでしょう。

そして大口径超望遠レンズの重みで落下させそうになってしまうというわけです。

100万円を軽く超えるようなレンズを1回の撮影で3回も落としそうになるというのは怖すぎると思います。

勿論グリップと反対側にレンズロック解除ボタンががあるEOS R5ではそのようなことは無かったそうです。

なので、αでグローブを着用して超望遠レンズを使用するような場合は、レンズの不用意なアンロックによる落下に注意してください。

レンズロック解除ボタンはもっと低くして、意識して押さなければロックが解除されないように作るべきでしょう。

またα1の場合はこんなにグリップとレンズマウントが近すぎては、フロントファンクションボタンなども配置するスペースもありません

つまりグリップの反対側にレンズロック解除ボタンを配置した方が安全性は高いのです。その上でレンズロック解除ボタンを持ち替えずに操作出来ればなおさら便利なので、その方法をご紹介します。

■安全性と利便性を両立するために


グリップ反対側のレンズロック解除ボタンをスムーズに押す方法

実はグリップ反対側にレンズロック解除ボタンがあるキヤノンやニコンの機種でも、右手でグリップを握ったままレンズ交換はできるのです。

その方法をキヤノンの方が解説してくれています。

この左手の人差し指でレンズロック解除ボタンを押しながら回して外すレンズ交換の方法であれば、カメラを持ち変えて右手でレンズロック解除ボタンを押す必要が無いため、

  • グリップ反対側に解除ボタンがであるため意図せず押してしまう心配がない
  • グリップ側レンズロック解除ボタン同様にレンズ交換が速い
  • 埃が入りにくいようにカメラを下に向けたままレンズ交換できる
  • グリップ側にファンクションボタンを付けてもロック解除ボタンとの誤操作の心配がない

といった様々なメリットがあります

ニコンの場合はレンズ交換時の回す方向が逆であるため手首の角度的にキヤノンよりは若干やりづらさを感じますが、しかしニコン機を使い慣れているユーザーなら問題ないでしょう。キヤノンをメインで使っている私でもニコン機も全然できますし。

レンズ交換やカメラを置く際の注意点

私もキヤノン機もニコン機もこの人差し指でレンズロック解除ボタンを押しながら回す方法でレンズ交換するのですが、慣れは必要ですが、カメラを正面に持ち替えるよりも劇的に早くて楽です。

アンロックの動作とレンズを外す回転動作が一体になっているので、指が覚えてしまえば、ロックボタンを押すという行為にかかる時間は意識的には0秒に近くなります(もちろん実際に0秒ということはないですよ)。

実は超慣れてしまうと「レンズの置いてある位置さえ分かっていれば」目を瞑っていてもレンズ交換できるので、真っ暗闇でもレンズ交換可能です。目を瞑って練習してみると面白いですよ。現像の時にダークバッグの中でフィルムをリールに巻くのより簡単ですから。

ただしグリップ側レンズロック解除ボタンの機種であれ、グリップ反対側のレンズロック解除ボタンの機種であれ、レンズ交換時の注意点として、

  • しゃがんでカメラバッグの上でレンズ交換する
  • 大口径超望遠レンズであればレンズを立てたり置いた状態でレンズ交換する

といった、レンズがこれ以上落下する余地がない、あるいは落下しても大丈夫な状態でレンズ交換をしてください

そんなわけで今回は冬期のオリンピックのフォトグラファーの手袋事情やレンズ交換のテクニックについてお話しさせていただきました。

Reported by 平原正隆