レンズのザイデルの5収差ってどんなもの?

球面収差

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難易度:準1級レベル

問:レンズが結ぶべき理想の像と、実際の結像には様々な要因からズレが生じます。このズレのことを収差と呼び、19世紀ドイツの数学者ルートヴィヒ・ザイデルはこの収差を5つに分類し、この分類は「ザイデルの5収差」と呼ばれています。

ではこの「ザイデルの5収差」とはどのようなものか?次の中から選べ。

① 像面湾曲、歪曲収差、球面収差、軸上色収差、倍率色収差
② 像面湾曲、歪曲収差、球面収差、非点収差、コマ収差
③ 像面湾曲、球面収差、単色収差、色収差、コマ収差

正解はこのあとすぐ!

■正解は②(像面湾曲、歪曲収差、球面収差、非点収差、コマ収差)


「ザイデルの5収差」とは以下の5つとなります。

像面湾曲

レンズに平行な焦点面が平面にならず、お椀型に湾曲した結像面になる現象

像面湾曲

歪曲収差

結像面の周辺部に、樽型や糸まき型の歪みが起こる現象

歪曲収差

球面収差

レンズを通った光が一点に収束せず前後にばらつくために、シャープにならない現象

球面収差

非点収差

光軸外の点光源が同心円方向と直径方向で焦点距離がずれ、垂直な2本の線に分離する現象

非点収差

コマ収差

光軸外の点光源が、点ではなく彗星状に尾を引いて結像する現象

コマ収差

ザイデルの5収差には色収差は含まれない?

ザイデルの5収差は単色収差の分類であるため、軸上色収差や倍率色収差といった色収差は含まれません。

色収差に関しては、以下のようなものがあります。

軸上色収差

色によって光の波長が異なるため、ピントを合わせても結像する位置が色によって異なります。波長の長い赤は中間の緑よりも遠くに、波長の短い青は近くに焦点を結ぶことで、色がぼやけたようにズレて見える現象です。

軸上色収差は輝点の周辺に発生し、絞りを絞り込むことで改善することが可能です。

倍率色収差

軸上色収差が凸レンズ系に平行光線が入った時に起こりますが、光軸外の斜めから入射した光の屈折率の違いで起こるのが倍率色収差です。

倍率色収差は画面周辺部で放射方向に発生し、絞りを絞っても改善されません。

画像:Wikipedia

Reported by 正隆