バリューアングルな皆さんこんにちは。
富士フイルムがXシリーズののイベントにおいて、レンズマウントの潜在能力を表すバリューアングルなる考え方を提唱しています。
そこで今回はこのバリューアングルの意味と各マウントのバリューアングルの数値をご紹介したいと思います。
■バリューアングル
バリューアングルとは?
富士フイルムの提唱する「バリューアングル」とは、
- マウント内径
- フランジバック
- イメージセンサー対角長
から算出される、マウントの潜在能力のようなものを表した数値で、このバリューアングルの数値が大きいほど、高画質なレンズ設計が容易になるという指標となります。
バリューアングルはイメージセンサーの対角長が短いほど有利になるため、一般的には、
- マウント内径が大きいほど
- フランジバックが短いほど
- イメージセンサーが小さいほど
バリューアングルの値は高くなる傾向にあります。
注意点としては、バリューアングルとはあくまでもマウントのレンズ設計における優位性を表したもであり、結果としてのレンズ性能を保証するもではありません。
しかし、同等の技術力を持っているメーカー同士であれば、バリューアングルに優れるマウントの方がより高画質なレンズを作りやすいことも事実であるため、レンズマウントの将来性を考えた場合にはある程度参考になるものと言えるでしょう。
各マウントのバリューアングルの値
各マウントのバリューアングルの値は以下のようになっています。
APS-Cとフルサイズセンサーの両方をラインナップしているマウントに関しては、重複しないようにフルサイズセンサーを搭載した場合のみを記載しています。
順位 | メーカー | マウント | バリューアングル | フォーマット |
1 | キヤノン | EF-M | 55.12 | APS-C |
2 | 富士フイルム | X | 48.08 | APS-C |
3 | オリンパス/パナソニック | MFT | 46.15 | フォーサーズ |
4 | ニコン | Z | 40.26 | フルサイズ |
5 | キヤノン | RF | 30.03 | フルサイズ |
6 | 富士フイルム | G | 21.67 | ミディアム |
7 | ハッセルブラッド | XCD | 17.68 | ミディアム |
8 | ライカ/パナソニック/シグマ | L | 15.74 | フルサイズ |
9 | ソニー | E | 8.99 | フルサイズ |
このようになっており、バリューアングルの大きい順で並べると、
- APS-C専用マウント:EF-M→X
- フルサイズ:Z→RF→L→E
- ミディアムフォーマット→G→XCD
という順になっています。
APS-C専用マウントとしては、キヤノンのEF-Mが最もバリューアングルに優れているという結果になっています。
フルサイズでは最もマウント内径が大きくフランジバックの短いニコンZマウントが40.26とトップ、キヤノンのRFマウントが30.03と2位となり、ライカ・パナソニック・シグマのアライアンスとなるLマウントが15.74で3位、フルサイズ対応マウントとしてはかなりギリギリの口径となっているソニーEマウントが8.99と最下位という結果になっています。
Reported by 正隆