カメラ業界の未来を憂う皆さんこんにちは。
CIPAの2019年1-2月期の出荷台数・出荷金額統計が発表されました。前年(2018年)同期比で、レンズ交換式カメラの出荷台数は72.4%、出荷金額は76.4%と大幅に減少しています。
デジタルカメラの全盛期であった2012年と比較して、現在のカメラ業界はどうなったのか?果たしてデジタルカメラ業界の不振は止まるのか?を考えてみたいと思います。
■2012年を100%とした場合の現在の状況
デジタルカメラが最も売れた2012年を100として、1-2月の同期を今年2019年と比較してみましょう。
年 | 2012 | 2017 | 2018 | 2019 | ||
全体 | 数量 | 14,065,224 | 3,693,639 | 2,681,487 | 1,936,546 | |
割合 | 100.0% | 26.3% | 19.1% | 13.8% | ||
コンデジ | 数量 | 11,682,969 | 2,012,336 | 1,208,118 | 869,141 | |
割合 | 100.0% | 17.2% | 10.3% | 7.4% | ||
交換式 | 全体 | 数量 | 2,382,255 | 1,681,303 | 1,473,369 | 1,067,405 |
割合 | 100.0% | 70.6% | 61.8% | 44.8% | ||
一眼レフ | 数量 | 1,944,699 | 1,057,331 | 969,898 | 611,766 | |
割合 | 100.0% | 54.7% | 49.9% | 31.5% | ||
ミラーレス | 数量 | 437,556 | 623,972 | 503,471 | 455,639 | |
割合 | 100.0% | 142.6% | 115.1% | 104.1% |
一眼レフの減少は加速、ミラーレスの増加はすでに頭打ち
赤枠の部分を見ていただければ分かるように、唯一の成長カテゴリーと言われていたミラーレスも、直近3年間の変化を見るとすでに頭打ちとなっており、2012年と同水準になりつつあります。
対して一眼レフの減少には歯止めがかからず、減少が急速に進んでいます。
ミラーレスだけを見ても、すでにピークであった2017年から出荷台数で反転し減少していることがわかります。
つまり、ミラーレス自体がすでに斜陽であるというわけです。
台数だけでなく金額ベースでも停滞
出荷台数では減少していても、金額ベースならミラーレスは伸びているのではないか?と思われているかもしれませんが、実はもう金額ベースでもミラーレスの成長は止まりつつあります。
ミラーレス出荷金額の前年比(金額の単位は千円) | ||||
年 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
金額 | 21,859,875 | 30,121,898 | 32,207,854 | 34,759,783 |
前年比 | 143.4% | 137.8% | 106.9% | 107.9% |
このように、2018-2019年に各社からフルサイズミラーレスが登場してなお、金額ベースでさえミラーレスの成長はすでに止まりつつあります。
我々カメラマニアがどれだけ騒ごうとも、結局フルサイズミラーレスには世間というものに対する訴求力にかけていることは明白で、現在のカメラ業界は「最盛時から減少した状態で存続させる」ということさえ難しい危機的な状況です。
残されたわずかな猶予期間に、フルサイズミラーレスではない大きな改革を起こせるかどうかに、レンズ交換式カメラの存亡がかかっているのかも知れません。
Reported by 正隆