仕事で撮影している人の名刺や肩書きを見てみると、肩書きは「カメラマン」だったり「フォトグラファー」だったり「写真家」だったり色々です。
今日は写真撮影を仕事にしている人の呼び方について考察してみたいと思います。
■「カメラマン」「フォトグラファー」「写真家」呼び方の海外事情
写真撮影をしてお金を稼いでいるという意味ではカメラマンもフォトグラファーも写真家も全て同じなのですが、プロフィールや名刺上での肩書きは人によってバラバラです。
ちなみに海外では、日本で言うところの写真撮影者「カメラマン(男女問わず)」も「フォトグラファー」も「写真家」も全てPhotographer(フォトグラファー)で通じます。
日本では静止画(スチール撮影)と動画(ムービー)の撮影者のことを、
- 静止画 カメラマン(男女問わず)
- 動画 ビデオカメラマン(男女問わず)
と慣例的に読んでいますが、海外でそういった慣例がなく、
- カメラマン(Cameraman)=カメラを持つ人
という意味で使われることが多く、またアマチュアの動画撮影者のことを呼ぶ際に多く使われるため、カメラマンと言ってもプロの静止画撮影者であることが分かりません。
また英語圏ではカメラマンと別にカメラレディという表現もあるため、カメラマンと伝えると男性を想像してしまいます。
結果的に英語圏で「カメラマン(Cameraman)」と相手に伝えると、伝えられた多くの人は「アマチュアの動画撮影者でかつ男性」を想像することが多いということです。
では海外ではなんと呼ぶのが正しいのか?ですが、海外での呼称としては、
- プロの写真撮影者(男女):フォトグラファー(Photographer)
- プロの動画撮影者(男女):ビデオグラファー(Videographer)
- プロの映画撮影者(男女):シネマトグラファー(Cinematographer)
- アマチュアの写真撮影者(男女):フォトグラファー(photographer)
- アマチュアの動画撮影者(男女):カメラパーソン(Cameraperson)
- アマチュアの動画撮影者(男性):カメラマン(Cameraman)
- アマチュアの動画撮影者(女性):カメラレディ(Cameralady)
となります。
つまり英語圏では静止画の撮影者のことは、プロ・アマ男女問わずフォトグラファー(Photographer)、動画の撮影者のことはプロの場合はビデオグラファー(Videographer)、アマチュアの場合は男性ならカメラマン(Cameraman)、女性ならカメラレディ(Cameralady)と呼ばれるのが一般的ですが、英語圏と言っても様々な国があるため一概に○○と呼ぶということは出来ません。
■「カメラマン」「フォトグラファー」「写真家」呼び方の国内事情
写真家
「写真家」という肩書きは日本では作品性や芸術性の高い写真を撮影している人が使っていることが多く、企業などから商品などの写真撮影を依頼されて撮るというよりは、芸術写真を撮影してそれを作品集などの形で売りこむといった業務形態をとっている方に多く見受けられます。
カメラマン
カメラマンは主に企業や個人から撮影を依頼され、人物・商品などの撮影を行う仕事を請け負う形態の方のことを指して「カメラマン」と呼んでします。
カメラマンと一口に言ってもその被写体はさまざまで、代表的な例を挙げてみます。
呼称 | 被写体 |
ブライダルカメラマン | 結婚式・披露宴 |
スクールカメラマン | 学校行事 |
写真館カメラマン | 七五三・成人式・証明写真・婚礼・プロフィール |
ポートレートカメラマン | 人物写真全般 |
報道カメラマン | 報道写真全般 |
広告カメラマン | 広告媒体向けの人物・商品撮影 |
建築カメラマン | 不動産・観光地の建築物 |
スポーツカメラマン | プロスポーツ全般 |
風景カメラマン | 自然風景や観光地などの景観 |
動物カメラマン | 野生動物・ペット |
航空カメラマン | 空撮・航空機 |
鉄道カメラマン | 鉄道 |
舞台カメラマン | ライブ・舞台 |
フォトグラファー
フォトグラファーは本来の意味は前述の通り海外では写真撮影を行う人(プロ・アマ問わず)のことですが、日本では「カメラマンよりオシャレなイメージ」という安直な理由で使われている事が多いのが実情です。
■結局どれも同じ事
結局「写真を撮影して稼ぐ」という意味では全て同じで、肩書きが何であろうがそこは変わりません。本人がどう見られたいかで肩書きを変えているだけというのが現実です。
ちなみに私は「カメラマン」と名乗ることが多いですが、本当はもっと中二病みたいな肩書きにしたいところです…。
撮影ジャンルもさまざまあるため、撮影ジャンルごとでも時に「○○(被写体ジャンル)カメラマンより○○(被写体ジャンル)カメラマンの方が上」といった議論も時折聞きますが、率直に申し上げてそういった話は意味がありません。
どのジャンルであっても上手くなるためには専門的な知識と経験が必要です。
皆さんは肩書きにこだわらず、ぜひ写真の中身を磨いていって頂ければと思います。
Reported by 正隆