カメラ川柳「ハレ切りは…」

「ハレ切りは 意外と効果が あるのピョン!」

夏ですね。フレアとゴーストの季節です。そういうことにしておきましょう。

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さてハレ切りは皆さんご存知だと思います。ゴーストやフレアを防ぐためにレンズフードだけでなく、黒い下敷きや傘で有害光をカットするものです。

ちなみにご存知かとは思いますが、「ハレ切り」は「ハレーション切り」の略だそうです。

私は結構長い間、「晴れ切り」という意味だと思っていました。



■解説


ハレ切りは基本的にカメラを三脚に設置した状態で行う訳ですが、使用するレンズによっても効果の大小があります。

ズームレンズでは広角側でケラれないようにフードの長さを広角側でケラれないように合わせて設計されているため、望遠側ではフードの効果はほとんど見込めません。そのためズームレンズでは効果が高くなる傾向にあります。

また、フードの長さ自体が短く、レンズが飛び出たような所謂出目金タイプのレンズになってしまうため有害光の影響を受けやすい超広角レンズ、本来はもっとフードが長くても写り込まないが強度や携帯性、逆付け時の操作性などの都合で敢えて短かめに作られている望遠レンズなどでも高い効果が期待できます。

要するに撮影に必要でない範囲からくる有害光がレンズ前玉に当たる状況では、大概のレンズでハレ切りの効果が期待できます。

ハレ切りですが、理屈上は写り込まない範囲でなるべくレンズから離して、可能な限り大きなものでハレ切りするとより効果的です。

え?離すほどいいの?と思われるかも知れません。
これは何故かというと、離すほど大きなハレ切りを設置することが出来るために有害光を大幅にカット出来るからです。

つまり、レンズにハレ切りを近づけるということはケラれてしまうために結局フードと大差ない程度しかハレ切りを前に出せず、ハレ切りの効果を出せません。

レンズから離すほど大きく前に出せるためケラれずに有害光をカット出来るわけです。

分かりづらい話だとは思います。

レンズの近くでハレ切りしようが、離してハレ切りしようがカットしている位置が違うだけで同じ角度の光をカットしているのではないか?だから効果は同じでは?と考えてしまいがちです。

これ図で描くと説明しやすいのですが、ハレ切りもフードもレンズから離すほどより広範囲の有害光をケラれずに遮断できます。

プロミナー

これはコーワのマイクロフォーサーズ用レンズですが、今時珍しいかぶせ式フードとなっています。

かぶせ式かバヨネットかは有害光をカットする能力に直接関係ありませんが、こういったレンズ鏡筒の口径よりも広いフードの方が、ケラれずに前に迫り出す設計に出来るため遮光効果は高くなります。この理屈でもっと効果の大きなものがハレ切りになります。

ハレ切りも黒い下敷きでも良いのですが、黒い傘などより大きなものを離して設置する方がハレ切り効果は大きくなります。
今までコントラストが低く感じたレンズなどもハレ切りで見違えるかも知れません。是非お試しあれ。

画像:驚愕の超広角レンズ「PROMINAR 8.5mm F2.8」を検証,SLIK セルフサンシェード

Reported by 正隆