ツァイスが新しいOtusシリーズレンズ、Otus 1.4/28を発表しました。
Otusシリーズはこれで3本目となりますが、果たしてどのようなレンズなのでしょうか?等倍による作例などを交えて見ていきましょう!
■Zeiss Otusシリーズとは?
ツァイスが世界最高の光学性能を目指して価格・携帯性を妥協せず作り込んだシリーズで、先に発売されているOtus 1.4/55、Otus 1.4/85も世界中で非常に高い評価を受けています。
デカい、重い、マニュアルフォーカス、高価と、あらゆるデメリットを抱えながら、圧倒的な描写で僅か数本でその地位を確立し、ハイアマチュア・プロにとっての憧れのレンズとなりました。
絞り開放から画面隅々まで均一かつ高解像で色収差も徹底的に除去、それでいてボケ味も良いというまさに写真用レンズの理想を実現した夢のようなレンズです。
ちなみにOtusとは、暗闇での視力が優れたコノハズク(フクロウ科)の学名からとられています。
■Otus 1.4/28のスペック
Otus 1.4/28のレンズ構成などはこちら
・焦点距離/28mm
・絞り/F1.4-F16
・撮影距離/0.3mー無限遠
・レンズ構成/13群16枚
・画角(対角線/水平線)/75° / 65° / 46°
・最近接撮影範囲/225 x 150 mm(8.89 x 5.91″)
・フィルター径/95mm
・サイズ/ZF.2: 152.0mm/ZE: 154.0mm
・マウント/F Mount(ZF.2)、EF Mount (ZE)
・重量/1,350g(ZF.2)、1,390g(ZE)レンズ構成図
紫は異常分散ガラス(EDレンズ)
水色は非球面レンズ
Distagonタイプのレンズ構成で、13群16枚だけでもすごいのですが、EDレンズ8枚と非球面レンズ2枚と、贅の限りを尽くした作りとなっています。
参考までに各メーカーで一番上位の28mmレンズの比較表を掲載しておきます。Otus 1.4/28がどれほど特異なコンセプトをもって作られているかが仕様表をからでもうかがい知れるかと思います。
各社28mmレンズ比較表 | |||
レンズ名 | Otus 1.4/28 | AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G | EF28mm F1.8 USM |
焦点距離 | 28mm | 28mm | 28mm |
F値 | F1.4〜F16 | F1.8〜F16 | F1.8〜F22 |
レンズ構成 | 13群16枚 | 9群11枚 | 9群10枚 |
撮影距離 | 0.3m〜∞ | 0.25m〜∞ | 0.25m〜∞ |
フィルターサイズ | 95mm | 67mm | 58mm |
本体長さ | ZF.2: 152.0mm ZE: 154.0mm |
80.5mm | 55.6mm |
重さ | 1,350g(ZF.2) 1,390g(ZE) |
330g | 310g |
■Otus 1.4/28等倍作例集
ZeissがFlickrに等倍の作例を載せていますので、そちらへのリンクを貼っておきます。
写真としての良さを重視しているようで、なぜか高感度らしき撮影があったりと、それほどカッチリと画質がわかるような撮影ではありませんが、建築物や強い室内照明を撮影したものもありますが、歪曲収差や色収差が全く見つけられません。
また周辺光量落ちも少ないようで、青空でも目立たないあたりにこのレンズのポテンシャルを感じます。
■カメラが先か、レンズが先か
かつてフィルム時代、「写真はレンズで決まる」と言われていた時代がありました。それはフィルムとレンズで写りが決まり、フィルムは入れ替えられるのでカメラボディそのものは画質に影響がなかったからです。
現在のデジタルカメラでは、イメージセンサーの性能も画質に大きな影響を及ぼし、さらに画像処理エンジンによる影響も大きいため、「写真はカメラとレンズで決まる」という時代になりました。
しかし入力であるレンズがダメでは、幾ら良いボディを使っても高画質を得られないことに変わりはありません。
既にフルサイズ一眼レフは超高画素と呼ばれる時代に入っており、そのセンサー性能を活かすも殺すもレンズ次第です。
この機会に世界最高のレンズに触れてみてはいかがでしょう!
Reported by 正隆