露出計の進化の方向性をかけて、セコニックが新露出計を発売します。
このセコニックの新露出計「ライトマスタープロL-478DR-EL」の凄いところは、エリンクロームのモノブロックストロボやジェネレーターといったスタジオ用大型ストロボをL-478DR-ELから調光出来るという点です。
今日はこのライトマスタープロL-478DR-ELとコストパフォーマンスが売りのエリンクロームのライティング機材を詳しく見ていきましょう!
■ライトマスタープロL-478DR-ELのここが凄い!
ライトマスタープロL-478DR-ELは2012年にSEKONICから発売済みのスペクトロマスターL-478Dをベースに、エリンクロームのストロボ電波制御システム「ELスカイポートシステム」を組み込んだものです。
これによりエリンクローム社製のELスカイポートシステムに対応したフラッシュやモデリングランプの光量を露出計側から調節出来るため、作業性が向上し、機器同士の接続がシンプルになります。
まあ要するに、従来だと、
- 露出計とジェネレーター(またはモノブロックストロボ)をシンクロケーブルで接続する。
- 露出計を使って露出を測る。
- ジェネレーター(またはモノブロックストロボ)を調光する。
- シンクロケーブルをカメラにつなぎ直す。
- 撮影する。
といった手順で露出計を使用していました。しかしながらライトマスタープロL-478DR-ELを使用すれば、
・露出計とジェネレーター(またはモノブロックストロボ)をシンクロケーブルで接続する必要がないため、シンクロケーブルがが邪魔にならず抜けてしまう心配もない。
・露出計で測光した後、ライトマスタープロL-478DR-ELを使ってその場で調光できる為、従来であればジェネレーター(またはモノブロックストロボ)の場所まで行って調光を行っていた煩わしさから解放され、一人での撮影でも調光操作が楽に行える。
・シンクロケーブルはカメラ側に挿しておけば良いので、露出計で図った後にシンクロケーブルをカメラに挿し直す必要がない。
といった便利さがあります。ジェネレーターの調光くらい大した手間ではないように思われる方もおられるでしょうが、調光しては測り、調光しては測りを何通りものカットで行うのは一人では非常に手間のかかる作業です。
そのため露出計の操作と調光操作を別々の人間が行ったりするのですが、一人で撮影となるとそれだけでかなりの時間を食ってしまいます。
ライトマスタープロL-478DR-ELを使用することで作業性が大きく向上するというわけですね。
■ライトマスタープロL-478DR-ELの基本スペック
ライトマスタープロL-478DR-ELが制御できるストロボは20チャンネル4グループとなっています。つまり4つのグループに分けてストロボを個別・もしくは同時に制御出来るというわけです。
チャンネルは混線を防ぐ目的などに使われるもので、ライトマスタープロL-478DR-EL側でチャンネル1を操作している状態でストロボ側がチャンネル2で設定してあれば動作しないというわけです。
同じチャンネル内に振り分けられたストロボであれば、同時にその個別の発光量を1つの画面で確認できるようになっている為、現在のライティングの状態が一目で把握できますし、ALLボタンを押すことでライティングトータルの発光量を表示することも可能です。
■エリンクロームのストロボは何買えばいいの?
さてその肝心のエリンクロームのストロボですが、スカイポートシステム対応であることがライトマスタープロL-478DR-ELとライジオスレーブ調光させる条件となります。
スカイポートシステム自体はエリンクローム製ストロボの多くに搭載されている為、それほど心配はありません。
もしこれから低価格で本格的なライティングを組んでみたいということであれば、こちらのElinchrom D-Lite RX 2/4 To Go 20840.2セットがおすすめです。
Elinchrom D-Lite RX 2/4 To Go 20840.2セット内容
- D-Lite RX 2 (モノブロックストロボ)×1
- D-Lite RX 4(モノブロックストロボ)×1
- EL-Skyport トランスミッタースピード(ラジオスレーブトランスミッター)×1
- シンクロケーブル(5 m)×1
- リフレクター(16 cm/90°)×2
- エコアンブレラ(ブラック&シルバー85 cm)×1
- エコアンブレラ(トランスルーセント85 cm)×1
- D-Lite RX(2個用キャリングバック)×1
- トライポッド (88〜235cm/バック1個付き)×2
モノブロック2灯(200Ws/Jと400Ws/J)、カメラとモノブロックをシンクロさせるラジオスレーブトランスミッター(もちろんスカイポート対応なのでライトマスタープロL-478DR-ELを使用可能)、もしもの時にも安心のシンクロケーブル付き、さらにリフレクター2個と85cmアンブレラ(これは小さいので大きものに変えても良いでしょう)、さらにモノブロック用のキャリングバッグ、トドメはライトスタンド2本(バッグ付き)と基本的なライティングであれば一通り揃っています。
実売価格を考えれば、ライトマスタープロL-478DR-ELの使用は別にしても、非常にお買い得な大型ストロボライティングのセットと云えるでしょう。
ちなみにモノブロックストロボ2灯に関して仕様はこちらです。大型ストロボは発光量よりも絞れるかどうかの方が問題になりやすく、1灯が200Ws/J、もう1灯が400Ws/Jでそれぞれ1/16まで出力調整出来ますから、まあ凄く高性能とは言いませんが、通常のブツ撮りやポートレート撮影なら概ね大丈夫でしょう。チャージタイムは速めで使いやすそうです。
ケースなども付属している為、据え置きでも出張撮影でも後は背景紙や背景紙用のスタンド類、トレペなどがあれば概ね大丈夫でしょう。
D-Lite RX 2
ストロボパワー (Ws/J):200
F-Stop (1m, 100 ISO, reflector 48°):45.3
出力範囲 f-stop:5
出力範囲 Ws:12 – 200
出力範囲:1/1 – 1/16
ストロボ調光絞り:1/10 to programmable 5/10 – 1/1
閃光時間 t0.5 at max. power in s.:1/1200
発光リサイクリングタイム 230 V in s.:0.2 – 0.6
発光リサイクリングタイム 115 V in s.:0.2 – 0.8
色温度最大パワー時(k°):5500
オートパワーダンプ:ストロボ光量を下げた時、自動的に余分なパワーを放出します
パワー安定性:±0.5%
電圧:マルチボルテージ 90 – 260 V ただしモデリングランプを交換する必要があります
モデリングランプモード:比例、最小値、最大値、オフ
モデリングランプ 230 V:E27 100 W / 196 V (effective 150 W)
モデリングランプ 115 V:E27 100 W / 90 V (effective 150 W)
フラッシュチューブ:n° 24009: プラグイン, ユーザが交換可能
EL-Skyport (内蔵):統合トランシーバー, RXの機能を備えた8周波数チャネルと4グループ
同期電圧:5 V (すべてのカメラと互換性がある)
シンクロソケット:3.5 mm ジャック
冷却ファン:サーマルカットアウトを搭載したマイクロプロセッサ制御のファン
適合するアンブレラ:エリンクローム製アンブレラシャフト直径7mm用のホール(センター位置)
より太いアンブレラシャフトを取り付ける為の金具が装備された標準ブラケット
最大電力消費量 (230 V / 50 Hz):150 W (during charge: 370 W)
最大電力消費量 (115 V / 60 Hz):180 W (during charge: 280 W)
サイズ (保護キャップ付):26 x 14 x 19 cm
重量:1.3 kg
付属:電源ケーブル, フラッシュチューブ, モデリングランプと保護キャップ
D-Lite RX 4
ストロボパワー (Ws/J):400
F-Stop (1m, 100 ISO, reflector 48°):64.3
出力範囲 f-stop:5
出力範囲 Ws:25 – 400
出力範囲:1/1 – 1/16
ストロボ調光絞り:1/10 to programmable 5/10 – 1/1
閃光時間 t0.5 at max. power in s.:1/800
発光リサイクリングタイム 230 V in s.:0.35 – 1.2
発光リサイクリングタイム 115 V in s.:0.35 – 1.6
色温度最大パワー時(k°):5500
オートパワーダンプ:ストロボ光量を下げた時、自動的に余分なパワーを放出します
パワー安定性:±0.5%
電圧:マルチボルテージ 90 – 260 V ただしモデリングランプを交換する必要があります
モデリングランプモード:比例、最小値、最大値、オフ
モデリングランプ 230 V:E27 100 W / 196 V (effective 150 W)
モデリングランプ 115 V:E27 100 W / 90 V (effective 150 W)
フラッシュチューブ:n° 24009: プラグイン, ユーザが交換可能
EL-Skyport (内蔵):統合トランシーバー, RXの機能を備えた8周波数チャネルと4グループ
同期電圧:5 V (すべてのカメラと互換性がある)
シンクロソケット:3.5 mm ジャック
冷却ファン:サーマルカットアウトを搭載したマイクロプロセッサ制御のファン
適合するアンブレラ:エリンクローム製アンブレラシャフト直径7mm用のホール(センター位置)
より太いアンブレラシャフトを取り付ける為の金具が装備された標準ブラケット
最大電力消費量 (230 V / 50 Hz):150 W (during charge: 370 W)
最大電力消費量 (115 V / 60 Hz):180 W (during charge: 280 W)
サイズ (保護キャップ付):26 x 14 x 19 cm
重量:1.5 kg
付属:電源ケーブル, フラッシュチューブ, モデリングランプと保護キャップ
■結局どうなの?
ラジオスレーブ調光が出来るジェネレーターやモノブロックストロボが増えてきた昨今、露出計で測って調光してシンクロケーブルをカメラにつなぎ直して撮影するより、撮ってみた結果にカメラ側のトランスミッターから調光かけた方が早いということがままあります。
しかしライトマスタープロL-478DR-ELなら測光→その場で露出計から調光という方法がとれる為、露出計の使い勝手が大幅に上がります。これは旧態依然とした露出計メーカーの中で、さすがセコニックと言えるのではないでしょうか。
出来ればProfoto Airやbroncolor RFS2など、対応するストロボが広がっていけばプロの現場でより広く受け入れられるのではないかという気がします。
また、エリンクロームのライティングシステムは大型ストロボとしては非常に安いので、自宅スタジオや小型のスタジオの備え付け機材としてオススメです。
参考:SEKONIC(PDF)
画像:SEKONIC,ELINCHROM
Reported by 正隆