そんなこんなで今日は最近流行りのラジオスレーブ(電波式無線制御)によるクリップオンストロボ多灯ライティングのご紹介です。
オフカメラフラッシュ(ホットシューに接続せずストロボをカメラから離した状態で発光させる)や多灯ライティング(複数灯のストロボを同調させてさまざまな位置から光を当てる)は、写真表現の幅を大きく広げる手法ですが、以前は多灯ライティングは有線や光制御・赤外線によるよる方法が一般的でした。
しかし最近はより便利な連動方法としてラジオスレーブによる制御が増えてきました。
目次
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- 赤外線ではなくラジオスレーブを使用するメリット
- ラジオスレーブのデメリット
- Nikonのストロボでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
- Canonのストロボでラジオスレーブ多灯ライティング行うには?
- OLYMPUSのストロボでラジオスレーブ多灯ライティング行うには?
- Nissinのストロボでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
- Godoxのストロボでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
- Yongnuoのトランスミッターでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
- Cactus V6のトランスミッターでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
- まとめ 〜そんなこんなでレッツラジオスレーブ!〜
今日はラジオスレーブによる多灯ライティングを行うメリットと、各メーカーのカメラでラジオスレーブ多灯ライティングを行うために必要な機材(ストロボ&トランスミッター)をご紹介します。
■赤外線ではなくラジオスレーブを使用するメリット
これまでクリップオンストロボやモノブロックストロボでは、フォトセルを使用した光制御方式の同調による多灯ライティングが一般的でした。
簡単に説明するとマスター側のストロボ発光をスレーブ側のストロボが検知して同調するというものです。フォトセルによる同調はコストが安いため現在では多くのクリップオンストロボ・モノブロックストロボに搭載されており、ワイヤレス多灯ライティングのやり方として現在でも広く普及しています。
しかしながら光制御によるシンクロでは、
・マスター側とスレーブ側のストロボの距離が離れ過ぎている場合信号が届かない
・障害物や赤外線受光部の向きなどによってシンクロしない場合がある
・発光タイミングは同調するが、細かい調光をマスター側で行えない(赤外線によるコマンダー発光がない場合)
といった弱点がありました。赤外線を使用したシンクロでは調光をマスター側で行うことが出来ますが、これもまた障害物や遠距離には弱く、また赤外線の受光部がマスター側に向いていないと同調が上手くいかないといった問題が起こりがちです。
それに対して電波式では、信号の到達距離や障害物に対する強さがあり、シンクロのみのものもありますが、現在は発光量の制御など様々な部分で高機能化されたものが増えています。
光制御によるスレーブとラジオスレーブ(電波式)の違い | ||
方式 | 光制御 | ラジオスレーブ |
同調距離 | 10m程度まで | 30m程度まで |
障害物による影響 | 大きい | 小さい |
環境光の影響 | 非常に明るい場所では影響を受ける | 環境光の影響を受けない |
ストロボの向き | 受光部の向きを気にする必要がある | 向きを気にする必要がない |
発光量制御 | コマンダー発光が行えない機種ではタイミングのみの同調 | マスター側ストロボ、もしくはカメラ側から調光できる |
■ラジオスレーブのデメリット
ラジオスレーブによる多灯ライティングには様々なメリットがあります。ただしラジオスレーブはフォトセルによる同調と違い、ラジオスレーブの方式が異なると同調しません。
例えばどちらも電波式を採用しているからといって、キヤノンの600EX-RTをマスターにしてニコンのSB-5000をラジオスレーブ発光させることは出来ません。
逆にフォトセルを利用した光制御であれば、ニコンのスピードライトの発光に合わせて、キヤノンのスピードライトを同調発光させることも可能です。
また、ラジオスレーブコントローラーには、性能や価格面では魅力的な反面、(カメラメーカー純正品はともかく、海外メーカーの多くは)日本電波法技術適合、いわゆる技適の認証番号を受けていない製品も多いためそれらは本来は国内使用が出来ません。
■ニコンのストロボでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
Nikonのクリップオンストロボでラジオスレーブ対応のストロボはSB-5000となります。SB-5000(GN34.5/照射角35mm設定時、ISO100・m)の特徴は熱に強く連続発光を行えること、またカメラメーカー純正のストロボとしては驚異的なリサイクルチャージタイムを誇ります。
SB-5000をラジオスレーブさせるには、上の写真のように、カメラ本体に別売りアクセサリーのワイヤレスリモートコントローラーWR-R10とWR-A10を接続して行います。調光などはカメラ本体のスピードライトのメニューから行います。
シンクロ可能なSB-5000の台数に制限はなく、通信距離約30mまで使用できます。
SB-5000自体には受信のみでワイヤレスコントローラーの発信機能は無いため、ラジオスレーブを行う場合は必ずWR-R10とWR-A10が必要になります。
また、10ピン端子を使用しているD5,D810,D500などではWR用変換アダプターWR-A10が必要ですが、それ以外の機種では変換アダプターは必要無いためWR-R10とSB-5000本体さえあればスレーブ発光が可能です。
WR-R10とWR-A10が必要な10ピン端子機種をお使いの方は、ワイヤレスリモートコントローラーセットWR-10というのが発売されており、こちらは電波式レリーズリモコンであるWR-T10がセットになっています。
WR-R10とWR-A10をバラバラに購入するのとほとんど変わらない価格で電波式のレリーズリモコンが付属してきますから、ワイヤレスリモートコントローラーセットWR-10という選択肢もオススメです。
SB-5000はこれまでの純正ストロボの常識を打ち破る基本性能に加えて、流行りのラジオスレーブに対応したスピードライトとなっておりオススメです。
型番 | スピードライトSB-5000 |
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ガイドナンバー/照射角 | GN34.5(照射角35mm:ISO100・m) |
調光範囲 | 0.6m~20m(フォーマット、配光タイプ、ISO感度、照射角、絞り値によって異なります) ・i-TTL調光/絞り連動外部自動調光/外部自動調光時 |
配光画角 | 配光タイプ切り換え(スタンダード配光/均質配光/中央部重点配光) FX/DX切り換え対応 |
発光モード | ・i-TTL調光 ・絞り連動外部自動調光 ・外部自動調光 ・距離優先マニュアル発光 ・マニュアル発光 ・リピーティング発光 |
その他の発光機能 | テスト発光/モニター発光/マルチポイントAF補助光/モデリング発光 |
ニコンクリエイティブライティングシステム | 対応カメラと組み合わせると、次の機能が可能。 i-TTL調光/アドバンストワイヤレスライティング/モデリング発光/ FVロック撮影/発光色温度情報伝達/オートFPハイスピードシンクロ撮影/マルチポイントAF補助光/ユニファイドフラッシュコントロール |
増灯撮影機能 | ・アドバンストワイヤレスライティング撮影 ・ダイレクトリモートのワイヤレス増灯撮影(リモートモード) |
バウンス角度 | 垂直方向:上方向90°~正面~下方向7° (クリック:下7°/正面/45°/60°/75°/90°) 水平方向:左方向180°~右方向180° (クリック:正面/30°/60°/75°/90°/120°/150°/180°) |
電源ON/OFF | 電源スイッチによる切り換え スタンバイ機能設定可能 |
使用電池 | 次の単3形電池の同一種類を4本 ・1.5Vアルカリ単3形電池 ・1.2Vニッケル水素単3形充電池 |
レディーライト | 充電完了:点灯 光量不足警告(i-TTL調光/絞り連動外部自動調光/外部自動調光/距離優先マニュアル発光時/ダイレクトリモートのAUTOモード時):点滅 |
AF補助光(リモートモード時) | 充電完了:点滅後、消灯 光量不足警告(i-TTL調光/絞り連動外部自動調光/外部自動調光/ダイレクトリモートのAUTOモード時):点滅 |
閃光時間 | 約1/980 秒: M 1/1 発光(FULL) 約1/1110 秒: M 1/2 発光 約1/2580 秒: M 1/4 発光 約1/5160 秒: M 1/8 発光 約1/8890 秒: M 1/16 発光 約1/13470 秒: M 1/32 発光 約1/18820 秒: M 1/64 発光 約1/24250 秒: M 1/128 発光 約1/30820 秒: M 1/256 発光 |
電源 | ・アルカリ単3形電池(4本) ・ニッケル水素単3形充電池(4本) |
チャージタイム | ・約2.6秒(アルカリ単3形電池) ・約1.8秒(ニッケル水素単3形充電池) |
フル発光回数 | ・約150回以上(アルカリ単3形電池) ・約190回以上(ニッケル水素単3形充電池) |
ロックレバー | ロックプレートおよびロックピンにより、アクセサリーシューからの脱落を防止。 |
調光補正 | +3.0~-3.0の範囲で1/3段ステップで調光可能。 (i-TTL調光/絞り連動自動調光/外部自動調光/距離優先マニュアル発光時) |
メニュー設定 | 全24項目 |
その他の機能 | ISO感度設定/TTL調光アンダー量再表示/初期設定へのリセット/キーロック/過熱防止/ファームアップ |
寸法 | 約73×137×103.5mm(幅×高さ×奥行) |
質量 | 約520g(1.5Vアルカリ単3形電池×4本を含む) 約420g(本体のみ) |
付属品 | スピードライトスタンド AS-22、バウンスアダプター SW-15H、カラーフィルター SZ-4FL(蛍光灯用)、カラーフィルター SZ-4TN(電球用)、ソフトケース SS-5000、小物入れ |
■キヤノンのストロボでラジオスレーブ多灯ライティング行うには?
Canonでクリップオンストロボをラジオスレーブ発光させようとした場合、ラジオスレーブ対応のスピードライトのがこちらの600EX-RTと430EX III-RTです。
600EX-RTはCanon純正スピードライトのフラッグシップで、ラジオスレーブのコントローラーとしての機能もあるため、600EX-RTをカメラ本体のクリップオンストロボに接続した状態であれば、ラジオスレーブで他の600EX-RTや430EX III-RTを同調・調光を行うことが出来ます。
また、600EX-RTには連動撮影機能があるため、600EX-RTを装着したEOSを最大15台までマスター側のカメラからシャッターを切ることが出来ます。
型式 | 型番 | スピードライト600EX-RT |
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使用カメラ | E-TTL II/E-TTL/TTL自動調光方式のEOSカメラ ※ TTL自動調光方式のEOSフィルムカメラでは、一部使用できない機能があります。詳しくは取扱説明書をご確認ください。 |
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発光部 | ガイドナンバー(約) | GN36(照射角35mm設定時、ISO100・m) |
照射角 | 20~200mm(ワイドパネル使用時14mm) ・自動設定(撮影画角と画面サイズに応じて照射角を自動設定) ・手動設定 |
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バウンス | 上:90°、下:7°、左/右:180° | |
閃光時間 | 通常発光:約1.8ms以下、クイック発光:2.3ms以下 | |
色温度情報通信 | 発光時のストロボ色温度情報をカメラに送信 | |
カラーフィルター | 使用可能 | |
露出制御 | 露出制御方式 | E-TTL II/E-TTL/TTL自動調光、外部調光オート/マニュアル、マニュアル発光、マルチ発光 |
調光連動範囲 (EF50mm F1.4使用時・ISO100) |
通常発光:約0.5~30m クイック発光:約0.5~12m(min.)約0.5~21m(max.) ハイスピードシンクロ:約0.5~15m(1/250秒時) |
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調光補正 | 1/3、1/2段ステップ±3段 | |
FEB | 1/3、1/2段ステップ±3段(調光補正との併用可能) | |
FEロック | カメラの〈M-Fn〉ボタン、または〈FEL〉〈〉ボタンによる | |
ハイスピードシンクロ | 可能 ※ 電波通信ワイヤレス撮影時は、2012年以降に発売されたEOSデジタルカメラ(EOS Kiss X70を除く)使用時のみ可能 |
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マニュアル発光 | 1/1~1/128発光(1/3段ステップ) | |
マルチ発光 | 可能(1~500Hz) ※ 光通信ワイヤレス撮影時は1~199Hz |
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調光確認 | 調光確認ランプ点灯 | |
モデリング発光 | カメラの絞り込みボタンによる | |
ストロボ充電 | 充電時間 | 通常発光:約0.1~5.5秒、クイック発光:約0.1~3.3秒 ※ 単3形アルカリ乾電池使用時 |
充電ランプ表示 | 赤色点灯:通常発光可能 緑色点灯:クイック発光可能 |
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AF補助光 | 有効距離 | 中央:約0.6~10m、周辺:約0.6~5m |
電波通信ワイヤレス機能 | 周波数 | 2405MHz~2475MHz |
変調方式 | 1次変調:OQPSK、2次変調DS-SS | |
ワイヤレス設定 | マスター/スレーブ | |
通信チャンネル | オート、Ch.1~15 | |
電波通信ID | 0000~9999 | |
スレーブ制御 | 最大5グループ(A/B/C/D/E)、最大15台 | |
通信可能距離 | 約30m ※ マスター~スレーブ間に障害物、遮蔽物がなく、他の機器との電波干渉がない場合 ※ 配置条件や周囲の環境、気象条件などにより、通信可能距離が短くなることがある |
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光量比制御 | 1:8~1:1~8:1、1/2段ステップ | |
スレーブ充電確認 | マスターの表示パネルに〈〉マーク点灯、スレーブのAF補助光投光部点滅、充電ランプ点灯 | |
連動撮影 | 可能 | |
光通信ワイヤレス機能 | 通信方式 | 光パルス |
ワイヤレス設定 | マスター/スレーブ | |
通信チャンネル | Ch.1~4 | |
スレーブ制御 | 最大3グループ(A/B/C) | |
通信可能距離 | 屋内:約0.7~15m、屋外:約0.7~10m(正面時) マスターに対して左右±40°、上下±30° |
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光量比制御設定 | 1:8 ~1:1 ~8:1、1/2段ステップ | |
スレーブ充電表示 | スレーブのAF補助光投光部点滅、充電ランプ点灯 | |
カスタマイズ機能 | カスタム機能 | 18種 |
パーソナル機能 | 7種 | |
電源 | 本体電源 | 単3形アルカリ乾電池 4本 ※ 単3形ニッケル水素電池使用可能 |
発光間隔 | 約0.1~5.5秒 | |
フル発光回数 | 約100回(単3形アルカリ乾電池使用時) | |
電波通信ワイヤレス撮影可能時間 | 連続約9時間 ※ マスター発光OFF、単3形アルカリ乾電池使用時 |
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光通信ワイヤレス撮影可能回数 | 約1500回 ※ マスター発光OFF、単3形アルカリ乾電池使用時 |
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節電機能 | 約90秒放置で電源OFF ※ スレーブ設定時:60分 ※ 電波通信ワイヤレスマスター、連動撮影時:5分 |
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外部電源 | コンパクトバッテリーパックCP-E4使用可能 | |
大きさ・質量 | 大きさ | 約79.7(幅)×142.9(高さ)×125.4(奥行)mm (防塵・防滴アダプターを除く) |
質量 | 約425g(ストロボ本体のみ、電池別) |
430EX III-RTは600EX-RT(GN36/照射角35mm設定時、ISO100・m)、よりも発光量が弱く(GN28/照射角35mm設定時、ISO100・m)、連動撮影機能はありませんがより小型であるのが魅力です。
型式 | 型番 | スピードライト430EX III-RT |
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対応カメラ | E-TTL II/E-TTL自動調光方式のEOSカメラ ※ TTL自動調光方式のEOSカメラでは、自動調光撮影ができません。 |
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ガイドナンバー(約) | GN28(照射角35mm設定時、ISO100・m) ※ カラーフィルター、バウンスアダプターなし |
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照射角 | レンズ焦点距離24~105mm(ワイドパネル使用時14mm)の撮影画角に対応 ・自動設定 (撮影画角と画面サイズに応じて照射角を自動設定) ・手動設定 |
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バウンス | 上:90°、左:150°、右:180° ※ バウンスアダプター(付属品)使用可能 |
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閃光時間 | 通常発光:約1.8ms以下、クイック発光:2.3ms以下 | |
色温度情報通信 | 発光時のストロボ色温度情報をカメラに送信 | |
カラーフィルター | 付属品使用可能 | |
露出制御 | 露出制御方式 | E-TTL II/E-TTL自動調光、マニュアル発光 |
調光連動範囲 (EF50mm F1.4レンズ 使用時・ISO100) |
通常発光:約0.7~23.6m クイック発光:約0.7~13.6m(ガイドナンバー19.1時) ハイスピードシンクロ:約0.7~12.8m(1/250秒時) |
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調光補正 | 1/3段、1/2段ステップ±3段 | |
FEロック | カメラの〈M-Fn〉ボタン、または〈FEL〉〈〉ボタンによる | |
ハイスピードシンクロ | 可能 ※ 電波通信ワイヤレス撮影時は、2012年以降に発売されたEOSデジタルカメラ(EOS Kiss X70を除く)使用時のみ可能 |
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マニュアル発光 | 1/1~1/128発光(1/3段ステップ) | |
モデリング発光 | カメラの絞り込みボタン、ストロボのテスト発光ボタンによる | |
ストロボ充電 | 発光間隔(充電時間) | 通常発光:約0.1~3.5秒、クイック発光:約0.1~2.5秒 ※ 単3形アル力リ乾電池使用時 |
充電ランプ | 赤色点灯:通常発光可能 緑色点灯:クイック発光可能 |
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AF補助光 | 投光方式 | パーソナル機能でストロボ間欠発光方式、赤外光方式を切り替え可能 |
ストロボ間欠発光方式 | ファインダー撮影時、およびライブビュー撮影/動画撮影時のクイックAF(クイックモード)に対応 有効距離:中央 約0.7~4m/周辺 約0.7~3.5m |
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赤外光方式 | ファインダー内の中央測距点(AFフレーム)に対応 有効距離:約0.7~8m |
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電波通信ワイヤレスマスター/スレーブ機能 | 周波数 | 2405MHz~2475MHz |
変調方式 | 1次変調:OQPSK、2次変調DS-SS | |
ワイヤレス設定 | マスター/スレーブ | |
通信チャンネル | オート、Ch.1~15 | |
電波通信ID | 0000~9999 | |
スレーブ制御 | 最大5グループ(A/B/C/D/E)、最大15台 | |
スレーブ設定 | 発光グループA/B/C/D/E | |
通信可能距離 | 約30m ※ マスター~スレーブ間に障害物、遮蔽物がなく、他の機器との電波干渉がない場合 ※ 配置条件や周囲の環境、気象条件などにより、通信可能距離が短くなることがある |
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光量比制御 | 1:8~1:1~8:1、1/2段ステップ | |
スレーブ充電確認 | マスターの表示パネルにスレーブの充電状態を表示、〈〉マーク点灯、スレーブのAF補助光投光部点滅、充電ランプ点灯 | |
連動撮影 | 可能 | |
光通信ワイヤレススレーブ機能 | 通信方式 | 光パルス |
ワイヤレス設定 | スレーブ | |
通信チャンネル | Ch.1~4 | |
スレーブ設定 | 発光グループA/B/C | |
受信角 | マスターに対して、左右±40°、上下±30° | |
スレーブ充電表示 | スレーブのAF補助光投光部点滅、充電ランプ点灯 | |
カスタマイズ | カスタム機能 | 10種類 |
パーソナル機能 | 8種類 | |
電源 | 本体電源 | 単3形アルカリ乾電池 4本 ※ 単3形ニッケル水素電池使用可能 |
フル発光回数 | 約180回(単3形アルカリ乾電池使用時) | |
電波通信ワイヤレス撮影可能時間 | 連続約9時間 ※ マスター発光OFF、単3形アルカリ乾電池使用時 |
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オートパワーオフ | 約90秒放置で電源OFF ※ 電波通信ワイヤレスマスター、連動撮影時:約5分 ※ スレーブ設定時:約60分 |
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大きさ・質量 | 大きさ | 70.5(幅)× 113.8(高さ)× 98.2(奥行)mm |
質量 | 約295g(ストロボ本体のみ、電池別) | |
動作環境 | 使用可能温度 | 0℃~+45℃ |
使用可能湿度 | 85%以下 |
NikonのスピードライトはWR-R10を使用しましたが、Canonのスピードライトの場合、ワイヤレストランスミッターはこちらのスピードライトトランスミッターST-E3-RTとなります。
600EX-RTと同じ電波通信ワイヤレス機能を搭載しており、スレーブに設定した600EX-RTを5グループ、15台までコントロールできます。こちらも光通信よりも通信距離が長い電波通信(約30m)できめ細やかな制御が可能です。
WR-R10の場合、カメラ側の液晶モニターで各ストロボの調光や制御を行いますが、スピードライトトランスミッターST-E3-RTは液晶モニターを搭載しているためスピードライトトランスミッターST-E3-RTの画面を見ながら各ストロボの制御を行います。
WR-R10と違ってホットシューを占有してしまうため本体上部にクリップオンストロボを装着出来なくなるため、カメラボディのホットシューにもクリップオンストロボを付けたい場合は、ラジオスレーブの送信機能がある600EX-RTを装着しておく必要があります。
■オリンパスのストロボでラジオスレーブ多灯ライティング行うには?
オリンパスでラジオスレーブを行う場合、エレクトロニックフラッシュFL-600Rを使用します。FL-600R(GN36:ISO100・m)はSB-5000や600EX-RTと比較すると発光量は落ちますが、小型軽量でありながらラジオスレーブが可能であることが大きな魅力となっています。
今の所ラジオスレーブのトリガーなどは純正では発売されていないため、アクセサリーメーカーのトリガーなどを使用するか、FL-600R同士でマスターとスレーブに設定することでラジオスレーブが可能になります。
型番 | エレクトロニックフラッシュFL-600R |
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ガイドナンバー | GN36(ISO100・m) |
照射角度 | 12mmレンズ(35mm判換算24mmレンズ) の画角をカバー 8mmレンズ(35mm判換算16mmレンズ)の画角をカバー*
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内蔵機能 | ワイドパネル、キャッチライトプレート内蔵 |
発光モード | TTLオート、オート、マニュアル、FP TTLオート、FPマニュアル |
ワイヤレス(RC)機能 | 発光モード : RC、SLオート、SLマニュアル チャンネル数 : 4 グループ数 : 4グループ独立制御 |
バウンス | 上下/左右 上向き/下向き : 正面0°、上向き 0~90°、下向き0~7° 左向き/右向き : 正面0°、左右 0~180° |
LED | 電力 : 1W/色 : 白色/照射角 : 30°をむらなく照射
制御 : オート、マニュアル
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電源(推奨電池) | 単3形アルカリ電池 4本/単3形ニッケル水素電池 4本 |
発光間隔*4 | 約2.5秒(単3形アルカリ電池使用時)/約2.0秒(単3形ニッケル水素電池使用時) |
発光回数*4(フル発光時) | 約280回(単3形アルカリ電池使用時)/約400回(単3形ニッケル水素電池使用時) |
LED発光時間*4 | 約2.8時間(単3形アルカリ電池使用時)/約4時間(単3形ニッケル水素電池使用時) |
大きさ [突起部含まず] | 62(幅) x 104(高さ) x 98(奥行き) mm |
質量 | 255g(電池別) |
付属品 | フラッシュスタンド(FLST-1)、ソフトケース |
■ニッシンのストロボでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
Nissinから発売されているAir1+Di700Aキットはサードパーティ製のクリップオンストロボで、現在ニコン用・キヤノン用・ソニー用が発売されています。手頃な価格と使い勝手で人気があります。
Di700Aがラジオスレーブ対応のクリップオンストロボ本体、Air1が電波式のコマンダーとなっています。
外装の質感は正直高いものではありませんが、Air1+Di700Aキットはお手頃な価格で信頼性の高いストロボと電波式のコマンダーが手に入るため、非常に高く評価されています。
レシーバー AirRは、ラジオスレーブ非対応のクリップオンストロボをワイヤレスで同調させるためのトリガーで、Nissinのi40といったラジオスレーブ非対応のストロボを装着してラジオスレーブさせることが可能です。
しかしながらワイヤレスでの調光などのコントロールにはNissin製ストロボであっても、同一マウント用のストロボである必要があるため気をつけましょう。またカメラメーカー純正ストロボの場合は対応機種が限られるため、こちらで確認しましょう。
■ゴドックスのストロボでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
その性能から、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続けるGodoxです。近年はプロもコストパフォーマンスだけでなく、性能面からGodoxを使用するカメラマンが増えてきました。
Godoxのクリップオンストロボの人気シリーズには、VINGシリーズとWITSTROシリーズがあります。VINGシリーズは充電式のバッテリーを内蔵したクリップオンストロボで、非常に速いリサイクルチャージタイムとバッテリー持ちが魅力のクリップオンストロボです。
Godox VING V860Nがニコンi-TTL用、 Godox VING V860CがキヤノンE-TTLII用となっており、TTL調光が可能です。
Godox VINGシリーズでラジオスレーブを行う場合必要になってくるのがWireless Power Control Flash Trigger Set FT-16Sです。このフラッシュトリガーを使用することでVING 860シリーズを無線で調光することが出来ます。
FT-16Sは無線フラッシュトリガーの送信機と受信機がセット。FTR-16Sが受信機となっています。複数灯で使用する場合はFTR-16Sを購入することで、VING V860でのラジオスレーブ多灯ライティングを組むことが可能です。
また、FT-16はこの後ご紹介するWITSTROシリーズ用の受信機であるFTR-16がセットになっていますので、WITSTROシリーズで使用する場合はそちらを購入すると良いでしょう。
1.5秒という非常に速いリサイクルチャージタイムとフル発光650回というリチウムイオン電池ならではの長いバッテリーライフを誇るストロボで、これはSB-5000(1.8秒/190回)や600EX-RT(5.5秒/100回)といったカメラメーカー純正の最上位ストロボをはるかに超える基本性能を誇っています。
モデル | V860C/V860N | ||||
タイプ | V860C/Canon E-TTL II対応 V860N/Nikon i-TTL II対応 |
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対応カメラ | V860C/Canon E-TTL II対応機 V860N/Nikon i-TTL対応機 |
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ガイドナンバー | GN58(105mm:ISO100) | ||||
照射範囲 |
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フラッシュ時間 | 1/300〜1/20000秒 | ||||
露出制御システム | V860C/E-TTL II自動調光+マニュアル発光 V860N/i-TTL自動調光+マニュアル発光 |
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ストロボ調光補正(FEC) | 1/3段ステップで±3段 | ||||
FEロック | <FEL>ボタンまたは<>ボタンで | ||||
ストロボ同調モード | ハイスピードシンクロ(1/8000秒まで) 先幕シンクロ 後幕シンクロ |
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マルチフラッシュ | V860C 最大100回:199Hz V860N 最大100回:100Hz |
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ワイヤレスフラッシュ機能 | マスター、スレーブ、オフ、S1、S2、光制御トリガー | ||||
制御可能なスレーブグループ | 3グループ(A、B、C) | ||||
送信範囲 | ・屋内:12~15m ・アウトドア:8~10m ・マスターユニット受信角:水平方向±40°、垂直方向±30° |
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チャネル | 4チャンネル(1、2、3、4) | ||||
スレーブレディインジケータ | 2つの赤いインジケータが点滅します | ||||
モデリング発光 | カメラの絞り込みボタンで発光 | ||||
AF補助光有効範囲 | センター:0.6~10m 周辺部:0.6~5m |
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電源 | 11.1V / 2000mAhリチウムイオンポリマー電池 | ||||
リサイクル時間 | 1.5秒。チャージ完了時、赤のLEDインジケータが点灯 | ||||
フルパワー発光可能回数 | 約650回 | ||||
省電力機能 | 最終発光から約90秒後に自動OFF スレーブ発光時は約60秒後に自動OFF |
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シンクロトリガーモード | ホットシュー、2.5ミリメートルシンクロケーブル端子、無線制御ポート | ||||
色温度(ケルビン) | 5600±200K | ||||
幅 x 高さ x 奥行き(mm) | 64 x 76 x 190 mm | ||||
重量(バッテリなし) | 420g | ||||
重量(バッテリー込み) | 540g |
Godoxのもう一つの人気クリップオンストロボのシリーズがWITSTROです。WITSTRO AD180/AD360の魅力は何といってもその強大な発光量にあります。
AD180が180W(GN60・100mm・ISO100)が600EX-RT(GN58・105mm・ISO100)のような純正ストロボのフラッグシップと同等、AD360は360W(GN80・100mm・ISO100)ですから小型のモノブロックストロボ並みの光量を誇ります。
バッテリーが外部電源でTTL調光こそ効きませんが、小型のモノブロックストロボ並みの発光量でありながらクリップオンストロボとして持ち運べるのは大きな魅力です。
WITSTRO AD180/AD360のその他の魅力としては、放電管を手軽に取り替えられるという点です。
一般的なクリップオンストロボでは、発光管が切れた際に修理に出さねばならず、そのタイミングも読みづらいため、重要な撮影では予備のストロボを携帯する必要がありますが、WITSTROではスペアの放電管だけを予備で携帯しておくという方法もあります。
モデル | AD180 | AD360 |
出力 | 180W | 360W |
ガイドナンバー(ISO100) | GN60 | GN80 |
28ミリメートルをカバー | ||
垂直方向角度 | 90°~-15° | |
水平回転角度 | 0~270° | |
電源 | GODOX PB960リチウムパワーパック | |
フルパワー発光回数(PB960パワーパック付き) | 約900回 | 約450回 |
リサイクルタイム(PB960パワーパック付き) | 約0.05~2.6秒 | 約0.05~4.5秒 |
色温度 | 5600±200K | |
閃光時間 | 1 / 300S~1 / 10,000秒 | |
サイズ(フラッシュランプ&リフレクターは含まず) | 205 x 90 x 70 mm | 220 x 95 x 75 mm |
重量(フラッシュランプ&リフレクターを含まず) | 550g | 780g |
ラジオスレーブに関してですが、ワイヤレスフラッシュトリガーFT-16を使用して複数台の無線操作が可能です。もちろんスレーブ側の受信機であるFTR-16を増やすことで複数灯のライティングも組めますし、ホットシューに取り付けた送信機側から調光も可能です。
ライティングアクセサリーもクリップオンストロボとは思えないほど充実しているため、出張撮影などでモノブロックやジェネレーター+フラッシュヘッドが欲しいがスタジオ備え付けがないといった場合にもWITSTRO AD360を数台とラジオスレーブユニットFT-16などを持ち歩けばある程度本格的なライティングを組むことも可能でしょう。
■ヨンヌオのトランスミッターでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
最近話題になっているラジオスレーブストロボトリガー、それがYougnuoのYN-622N-TX(Nikon用)とYN-622C-TX(Canon用)です。
実際に仕様する場合、送信機だけでは意味がないため、受信機であるYN-622N(Nikon i-TTL用送受信器)やYN-622C(Canon E-TTLII用送受信器)と組み合わせて、
・YN-622N-TX(送信機)+YN-622N(送受信機)
・YN-622C-TX(送信機)+YN-622C(送受信機)
といった感じで使用します。
YN-622NやYN-622Cは送受信器ですから、2つ使用して1つをカメラのホットシューに、もう1つにクリップオンストロボを装着してスレーブ発光させることも出来るのですが、送信側にモニターがないので調光などはやや煩わしくなります。
ですから、液晶モニター付きの送信機YN-622N-TXやYN-622C-TXをホットシューに、YN-622NやYN-622Cをスレーブ発光させるクリップオン側に装着した方が使いやすくオススメです。
お手頃な価格でありながらTTL調光・ハイスピードシンクロにも対応し操作性も良いとあって、非常に人気があります。
もちろんYongnuo製のストロボに対応していますが、i-TTL(Nikon)やE-TTLII(Canon)のプロファイルに対応して動作しているため、例えば、
・YN-622N-TX(送信機)を使ってYN-622N(送受信機)に装着したスピードライトSB-910(ラジオスレーブ非対応ストロボ)をラジオスレーブさせる
・YN-622C-TX(送信機)を使ってYN-622Cに装着したスピードライト580EX II(ラジオスレーブ非対応ストロボ)などをラジオスレーブさせる
・Godox VING V860などのラジオスレーブ非対応のストロボをラジオスレーブさせる
といった事も可能です。(※機能的制約があったり全てのストロボで確認が取れているわけではありません。また、メーカー側が推奨しているわけではないため、あくまで自己責任となります)
送信機と受信機のセット品や、送信機と複数の受信機のセット品もあります。
・YN-622N-TX+RX(Nikon i-TTL用/送信機:1個(YN-622N-TX)&送受信器:2個(YN-622N)セット)
・YN-622C-TX+RX(Canon i-TTL用/送信機:1個(YN-622C-TX)&送受信器:2個(YN-622C)セット)
■カクタスV6のトランスミッターでラジオスレーブ多灯ライティングを行うには?
Cactus V6は送信機モードと受信機モードを切り替えにより、1台でTX(送信モード)、RX(受信モード)に対応しています。
Nikon,Canon,PENTAX,OLYMPUS,Panasonic,Nissin,Godox,Yongnuo,Metz,SIGMA,Cactusのスピードライトの多数のプロファイルがインストールされているため、TTL機能を利用してワイヤレス発光することができます。
またオプションのシャッターリリースケーブルを接続して、カメラのシャッターをワイヤレス・コントロールすることもできます。
Cactus V6はこの手のサードパーティ製ラジオスレーブトランスミッターとしては珍しく技適認証を受けているため、日本国内でも使用できるのが魅力です。
■そんなこんなでレッツラジオスレーブ!
ラジオスレーブによる多灯ライティングはこれからの多灯ライティングの主流となるのは間違いないでしょう。その取り回しの良さ、調光の容易さなどから、一人での撮影でも比較的大掛かりなライティングが使用できるのが魅力です。
また1灯しか使わないという場合でも、シンクロコードによる有線接続や、マスター発光や赤外線を利用したストロボ同調と比較してスレーブ発光の自由度が大きく上がります。
是非この機会に、ラジオスレーブ多灯ライティングに挑戦してみて下さいね!
画像:Amazon,Nikon,Canon,Nissin,GODOX,Yongnuo,OLYMPUS,Profoto
Reported by 正隆