CAMERA LABSにソニーのFE 85mm F1.4 GM(SEL85F14GM)レンズの作例が掲載されていましたのでそちらをご紹介します。ソニーEマウント待望のフルサイズ用大口径ポートレートレンズということで、非常に期待されているレンズです。
α7R IIとFE 85mm F1.4 GMということで、ソニーEマウントのポートレート撮影の最高峰と言える組み合わせの作例となっています。
■FE 85mm F1.4 GMレンズ概要
- 焦点距離:85mm
- 開放F値:F1.4
- レンズ構成:8群11枚
- 最短撮影距離:0.85m(AF時)、0.8m(MF時)
- 最大撮影倍率:0.12倍
- フィルター径:φ77mm
- 外形寸法:最大径φ89.5mm、全長107.5mm
- 質量:約820g
■風景作例
作例は開放F値で撮影されているためやや柔らかい写りとなっていますが、F1.4でこれだけ写るなら風景撮影用レンズとしても十分に通用するシャープさをもっていると言えるでしょう。
曇天での撮影のようですが色収差も見られず周辺画質も良好です。
FE 85mm F1.4 GMはポートレートの定番画角レンズですが、スナップ撮影や風景撮影にも十分に対応出来る実力を持っています。
■女性ポートレート作例
フルショットの構図で光線具合もキツめであるためディテールを見る分にはそれほど見栄えするものではありませんが、FE 85mm F1.4 GMの綺麗に溶け込んでいくアウトフォーカス部はポートレートレンズとして見栄えするものとなっているようです。
■男性ポートレート作例
まさにFE 85mm F1.4 GMの真骨頂とも言えるポートレート撮影ですが、開放F値からα7R IIの高解像に負けない繊細なシャープ感と自然でなだらかなボケ方を実現しています。
多くのポートレートフォトグラファーにとって満足のいく写りと言えるのではないでしょうか。
■料理作例
ISO1600の作例であるためディテールの損失は気にしなくて良いと思います。
FE 85mm F1.4 GMのボケ味に関してはアウトフォーカスへの変化はなだらかで被写界深度を外れた瞬間急激にボケるような不自然さもなく、人物の頰など緩やかなカーブを描くポートレート撮影では自然で立体感のある表現が出来ることでしょう。
少し気になるのは皿やグラスのハイライトの周辺にシアンの色付きが見られる事ですが、撮影環境を考えればこの手の色収差としては許容範囲と言えるのではないでしょうか。
■点光源作例
FE 85mm F1.4 GMの点光源に関しては残念ながらあまり褒める部分はなく、いわゆる年輪ボケも純正の85mm単焦点レンズとしては割と見られ、口径食もやや大きめ。加えて目玉状の模様が付いてしまっています。
この辺は個体差によっても多少変わるかと思いますが、点光源のボケに関しては今ひとつというのが率直な印象です。
■SONYのプロ市場参入はポートレートから?
フルサイズ、プロサービス、大三元レンズなどが揃ってきた事でプロ市場への参入準備を着々と整えているSONYですが、現状では超望遠レンズや超広角レンズなどが不足していることもあり、スポーツや報道、ネイチャーや建築などはまだプロカメラマンに「SONYを試してみよう」と思わせるほどの下地がありません。
しかしライティング機材の制約はあるものの、
- 24-70mm F2.8 GM(SEL2470GM)
- FE 70-200 mm F2.8 GM OSS(SEL70200GM)
- FE 85mm F1.4 GM(SEL85F14GM)
この三本のポートレート向きレンズが発売された事でブライダル撮影などはプロレベルでの撮影にある程度対応したと言っても良いでしょう。
ブライダルカメラマンならこんな組み合わせも面白いかも知れません。
ブライダル撮影はあまり画素数を必要とせず、クリップオンストロボを使用した天井の高い挙式上・披露宴会場でのバウンス発光撮影が多いため、高感度耐性はあればあるほど助かります。
バッテリー持ちには不安がありますが、予備電池を大量に持って2台体制で望むなら挙式&披露宴なども十分いけるのではないかと思います。
さまざまな環境で多くのポートレートカメラマンに使用してもらうなら、少なくともSD、出来ればHVL-F60Mのダブルスロットとボディ側シンクロ接点の追加、長寿命バッテリーの搭載、プロサービスの拡大などが求められるところでしょう。
Reported by 正隆