SONY公式サイトに、渾身のAPS-Cフラッグシップ機であるα6300の開発者インタビューが掲載されていましたのでご紹介します。
■APS-Cフラッグシップ機に相応しい性能を実現するために
- α6300はプロにとってのサブ機となりえるレベルのカメラを目指して開発を始めた
- α6000シリーズの原点は「AFが速い」ではなく、「動きものに強い」こと
- 具体的には4Dフォーカスの軸である「広さ」「速さ」「追随性」
- 測距点を大幅に増やしたのは、AFカバーエリアを広げるためではなく、AFカバーエリアの密度を上げることだった
- 測距点を増やすとアルゴリズムが複雑になり処理が難しくなるが、その分オートフォーカスの精度を大幅に向上させる事が出来る
- これまでのコンティニュアスAF(AF-C)は、隣の測距点に被写体がかかったらそちらに移動するというイメージ
- α6300の高密度AF追従テクノロジーはエリアごとの様々な測距点が常に被写体を追いかけている
- 画面上ではAFの枠は数点しか表示されていないが、実際に何倍もの枠がずっと被写体に貼りついた状態で追従している
- 伝送速度の速い銅配線は配線層を圧縮かつ低層化でき、加えて回路プロセスの微細化によるワイドフォトダイオード設計と合わせることで、集光効率を高められる
- α7R IIはSuper 35mm領域にあたる中央の約1500万画素のデータを使って4K映像をつくっている
- α6300の場合は2000万画素の画素データを使い、オーバーサンプリング効果を使って解像感を上げている
■まとめ 〜見た目は変えず、中身は大幅進化〜
α6300はデザイン的にはキープコンセプトですが、オートフォーカス性能や動画性能は劇的に進化しており、グリップやダイヤルの形状や硬さにも並々ならぬこだわりを持って開発されたのが伝わってくるインタビューとなっています。
NEX-7のトライダイヤルナビは年配の方から「どれが何のダイヤルだかわからない」という意見が多数寄せられたと聞きます。そしてその後発売したα6000は大ヒットしましたが、やはりボディの作りなどから、NEX-7より一つクラスが下という印象は否めず、NEX-7後継モデルを望む声は多数ありました。
その両方の声に応える形で、APS-Cフラッグシップ機に相応しい性能と操作性を持ったモデルとして登場したα6300は、長い間αシリーズの定番モデルとしてロングセラーとなっていくのでしょう。
画像:SONY
Reported by 正隆