Nikonのエントリーフルサイズ機D610は2013年10月19日の発売から今年の秋で丸3年程度が経過し、後継機の登場も待たれるところです。
果たしてD610後継機、D650はどのようなモデルになるのでしょうか!?今日はD650のスペックについて考えてみたいと思います。
■画質面での進化点
程よい画素数で使い易さをキープ
D610は画質はメカニカルダスト問題のあったD600のマイナーチェンジ版として登場し、登場当初は地味な存在でしたが、そのコストパフォーマンスの高さから、じわじわと売れ続けているモデルです。
後継機であるD650では、イメージセンサー及び画像処理エンジン共に刷新して登場する可能性が高いでしょう。実際の画素数ですが、Nikonには現在D810という高画素機があり、D810後継機であるD900もしくはD850が2016年秋あたりでの登場が濃厚で、その画素数の2/3もしくは1/2程度の画素数である可能性が高いでしょう。
そうしたD810後継機とのバランスを考えると、D650は2800万画素程度であることが予想されます。
■オートフォーカス性能はどうなるのか?
新型オートフォーカスモジュールの登場で上位モデルのユニットが下位クラスに搭載?
オートフォーカスユニットに関しては、現在NikonではD5及びD500ではマルチCAM 20Kオートフォーカスセンサーモジュール(153点測距)という非常に高性能な新型オートフォーカスユニットを採用しています。
D610後継機であるD650に関しては小型軽量を更に詰めてくる可能性が高く、D500よりも小型ボディであるD610の後継機に物理的に搭載出来るかは不明ですが、ラインアップ上のクラス分けなども考えると、51点測距であるアドバンストマルチCAM 3500IIオートフォーカスセンサーモジュールである可能性が濃厚であると予想されます。
ただし、より小型化を突き詰めていく際に、ボディ下部に入るオートフォーカスモジュールは、カメラの縦幅に大きな影響を与えるため、小型化のための改良版や新型オートフォーカスモジュールが採用される可能性はあるかも知れません。
■連写性能はどうなるのか?
高速連写はD750後継機に期待?
D610は現在秒間約6コマという連写性能を実現していますが、上位機であるD750の後継機が秒間コマ数をどの程度伸ばしてくるかは不明ですが、D610は高速連写を売りにしたモデルでないこと、一眼レフでの高速連写はコストにダイレクトに響いてくることから、リーズナブルな価格設定も魅力のエントリーフルサイズ機としての立ち位置を考えると、秒間コマ数は伸ばしたとしても7〜8程度の間に落ち着くのではないかと考えられます。
画期的なBluetooth接続と使い易いタッチパネルに期待
むしろD650での売りは刷新されるであろうイメージセンサーと画像処理エンジンによる画質面と、Bluetooth接続やタッチパネル&高精細液晶モニターなどではないかと予想されます。
■気になる記録メディアは?
XQDより汎用性のSDXC、代わりにUHS-IIに対応してくる?
記録メディアはSDXC(UHS-II対応)のダブルスロットではないかと考えられます。Nikonは現在D5とD500でXQDカードを採用しており、D810後継機であるD850 or D900でもダブルスロットのうち1つはXQDカードスロットが採用されると考えられますが、騎手のコンセプトからすると、D610後継機にはより薄型、軽量ボディが求められ、記録メディアのコストも無視出来ない部分でしょう。
それらを考えると、D610後継機には恐らくSDXCカードのダブルスロットが引き続き採用されると考えられますが、4K動画対応の必要性などからSDXC(UHS-I)ではなく、SDXC(UHS-II)へとグレードアップされると考えられます。
■動画性能はどうなる?
4Kは次世代動画のスタンダード、問題は60pか30pか?
動画性能に関しては4K動画の搭載が確実視されていますが、4K/60pであるのか4K/30pであるかは現時点では不明です。
画像処理エンジンや記録メディアの書き込み速度なども影響してくるため、フルサイズエントリーモデルとしての立ち位置を考えると、4K/30pである可能性の方が高いかも知れません。
しかしながらD610後継機の場合、動画性能を重視する向きは少なく、4K/30pでも十分という方は多いのではないでしょうか。
■ボディデザインは?
小型軽量を極めるための新素材
ボディデザインは基本的にはキープコンセプトと考えられるものの、D750と同じく炭素繊維複合素材(セリーボ)が採用されると考えられ、D610と比較してより薄型・軽量化が追及されると考えられます。
問題は可動式液晶で、D750で好評の可動式液晶がD610にも搭載されるかは不明ですが、競合機であるキヤノンのEOS 6DはD610よりも小型軽量であり、D610やEOS 6Dを求めるユーザーは、単なるコストパフォーマンスというだけでなく、「フルサイズ一眼レフが欲しいが出来るだけ軽い方がありがたい」という方も多数おられます。
可動式液晶の便利さか、薄型軽量か、それが問題
可動式液晶モニターの搭載は重量面や薄型化という部分では不利なため、より小型軽量化を突き詰めることでD750との差別化を図るとすれば、D610後継機は可動式液晶モニターをあえて採用せず、D750などで採用されている炭素繊維複合素材を使用することで、ニコンラインアップ中最小最軽量のフルサイズ機を目指してくると考えられます。
またD500などに搭載されているBluetoothによる常時接続を採用してくるでしょう。またタッチパネル&高解像度液晶モニターは搭載してくると予想されます。
■D650の発表・発売時期と価格は?
D810後継機のD850 or D900の発売が2016年秋が濃厚となっており、そのタイミングにD610後継機をかぶせてくるとは考え難いため、恐らくは2016年末〜2017年秋の発売となるでしょう。もっとも可能性が高いのは2017年春頃と考えられます。
とにかく安く、すべての人にフルサイズを!
また価格に関しては現行のD610は最もリーズナブルなフルサイズ一眼レフで、2013年10月の価格com初登場時の最安値は178,199円であったため、同価格帯で登場すると予想されます。
■D610とD650の仕様比較
D610 vs D650(予想)仕様比較 | ||
機種 | D610 | D650 |
有効画素数 | 2426万画素 | 2820万画素 |
撮像素子 | 約35.9×24.0mm | 約35.9×24.0mm |
画像処理エンジン | EXPEED 3 | EXPEED 5 |
記録媒体 | SDXC(UHS-I対応)ダブルスロット | SDXC(UHS-II対応)ダブルスロット |
ファインダー視野率 | 上下/左右とも約100% | 上下/左右とも約100% |
ファインダー倍率 | 約0.7倍 | 約0.7倍 |
アイポイント | 約21mm | 約21mm |
シャッタースピード | 1/4000~30秒 | 1/4000~30秒 |
ストロボ同調速度 | 1/200秒 | 1/200秒 |
秒間コマ数(AF追随) | 最高約6.0コマ/秒 | 最高約7.0コマ/秒 |
連続撮影枚数(RAW/14ビット) | 約34枚 | 約34枚 |
連続撮影枚数(JPEG/FINE) | 約100枚 | 約100枚 |
常用ISO感度 | ISO100~6400 | ISO100〜51200 |
最高ISO感度 | ISO25600 | ISO1640000 |
フォーカスポイント | 39点 | 51点 |
クロスタイプセンサー | 9点 | 9点 |
デュアルクロスタイプセンサー | 0点 | 0点 |
F8対応測距点 | 1点 | 1点 |
AF検出範囲 | -1~+19EV | -4~+20EV |
調光センサー | 2016分割RGBセンサー | 91000分割RGBセンサー |
動画記録形式 | MOV | MOV |
動画記録画素数 | 1920×1080:FHD 1280×720:HD |
3840×2160:4K 1920×1080:FHD 1280×720:HD |
フレームレート | FHD:30p/25p/24p HD:60p/50p/30p/25p |
4K:30p/25p/24p FHD:60p/50p/30p/25p/24p HD:60p/50p |
圧縮形式 | H.264/MPEG-4 | H.264/MPEG-4 |
モニター種別 | 3.2型TFT液晶モニター | 3.2型TFT液晶モニター |
モニター解像度 | 約92万ドット | 約236万ドット |
タッチパネル | なし | あり |
Wi-Fi | なし | なし |
Bluetooth | なし | あり |
GPS | なし | なし |
バッテリー寿命 | 約900枚 | 約1230枚 |
大きさ | 約141×113×82mm | 約140×110×75mm |
重量 | 約760g(ボディのみ) 約850g(CIPA準拠) |
約700g(ボディのみ) 約790g(CIPA準拠) |
画像:Nikon
Reported by 正隆