プロフェッショナル用ライティング機材メーカーであるプロフォトから、バッテリー式モノブロックストロボ「B1X 500 AirTTL」を発表しました。
B1X 500 AirTTLはB1 500 AirTTLの後継となるモデルで、バッテリー搭載のモノブロックストロボとしてライティングに革新をもたらしました。
今回はこのProfotoの新バッテリーモノブロック、B1X 500 AirTTLをご紹介します。
■Profoto B1X 500 AirTTLの進化点
B1X 500 AirTTLはB1 500 AirTTLから何が進化したのか?
B1X 500 AirTTLは前モデルとなるB1 500 AirTTLから一体何が進化したのでしょうか?
B1X 500 AirTTL最大の進化点はそのバッテリー容量にあります。B1X 500 AirTTLはB1 500 AirTTLからバッテリー容量が50%もアップしており、
- B1X 500 AirTTL:フル発光で最大325回発光可能
- B1 500 AirTTL:フル発光で最大220回発光可能
というように、バッテリータイプのモノブロックストロボで最も気なる点である、発光回数を大幅に伸ばしています。
またLEDモデリングランプも、
- B1X 500 AirTTL:24W LED(ハロゲンランプ130W相当)
- B1 500 AirTTL:20W LED(ハロゲンランプ70W相当)
と光量を大幅に上げており、非常に使いやすくなりました。またLED自体の演色性を向上(演色評価数80から90に向上:演色性についてはこちらで解説)させており、ちょっとした動画用の定常光としても使用することが可能です。
従来のB1 500 AirTTLは前部のメッキパーツ部分がピカピカしていたのに対し、B1X 500 AirTTLでは、映り込み防止のためにマットブラック化しています。
外形寸法は14(横)×31(縦)×21(奥行)cmで重量は3.0kgとなっており、従来機と同等になっています。
■B1X 500 AirTTLの数々の魅力
B1X 500 AirTTLの異次元の快適さ
まずもってバッテリー駆動ですから大光量のモノブロックストロボがコードレスで使えるという点。そしてAir Remote TTLを使用することで、シンクロや発光量の調整もコードレスでリモートコントロールすることが可能です。
電源コードもシンクロコードも要らないというのは、ライティングを「劇的に」快適にします。劇的にです。電源コードが見切れたり、足を引っ掛けたり、シンクロコードが抜けてしまって光らないとか、機材を動かすのに違うコンセントに差し直したりといったこれまで大型ストロボを使う際に感じていたあらゆるわずららしさから解放されるのが、B1X 500 AirTTL+Air Remote TTL最大の特徴です。
TTL調光は使い方次第
モノブロックストロボでTTLなんて必要かな?と思われる方もおられるでしょう。
確かにスタジオ撮影では露出がバラつかないためにもTTL調光よりもマニュアル調光の方が良いというケースの方が多いでしょう。
しかし、「屋外でアシスタントの方にB1X 500 AirTTLを持ってもらい、動きながらポートレートを撮る」というような場合、モデルとの距離が変わるたびに発光量を調整するのは大変ですから、TTL調光は便利に使うことが可能でしょう。
もちろんTTL調光は使う使わないを選択できる訳ですから、やはりTTL調光は「無いよりあったほうが良い」と言えるでしょう。
大光量でありながら長寿命
B1X 500 AirTTLのガイドナンバーは仕様表ではGN45となっています。「あれ?それじゃあクリップオンストロボと変わらないのでは?」と思われるかもしれませんが、ここにはProfotoならではのこだわりがあります。
モノブロックストロボを1mの距離で使うのはあまり現実的では無いため、B1X 500 AirTTLのガイドナンバーの45は「2m・ISO100・マグナムリフレクター装着時」という設定になっており、一般的なクリップオンストロボが1m時のガイドナンバーを表記しているのに対し、B1X 500 AirTTLは2m時のガイドナンバーを表記しているために発光量が小さく見えてしまうというわけです。
またB1X 500 AirTTLの内蔵リフレクターは照射角約70°ですから、クリップオンストロボの照射角としては28mmレンズの画角に対応した照射角とほぼ同等となっており、ガイドナンバーだけで直接的に比較することは困難です。
実際のところ最大出力500WsのB1X 500 AirTTLは、キヤノンの600EX II-RTやニコンのSB-5000のようなカメラメーカー純正の最上位クリップオンストロボの出力が80Ws程度であることを考えると、単純比較すれば6倍程度の差があるわけですが、実測値ではその他の要因も影響するため、約4倍程度の差があると考えて頂いて構いません。
また発光回数に関しても、専用の大容量バッテリーを使うB1X 500 AirTTLは、単3アルカリ電池や単3ニッケル水素充電池を使うクリップオンストロボと比較して、フル発光時で2倍程度の発光回数を誇ります。
肝心の絞れるかどうか?ハイスピードシンクロは?
モノブロックストロボのような大型ストロボでは、最大発光量だけでなく、「しっかりと絞り込んで調光することが出来るか」という点も重要なポイントとなりますが、B1X 500 AirTTLは9段階で発光量を調節できるため、1/1(フル発光)〜1/256まで調光可能です。
もちろんハイスピードシンクロにも対応、最高1/8,000秒の高速シャッターを使用することが可能です。
■B1X 500 AirTTLの最強の相棒、Air Remote TTL
Air Remote TTLと組合せると劇的に快適に使える
B1X 500 AirTTLを使う際、無くてはならない相棒、それがAir Remote TTLです。
Air Remote TTLをカメラのホットシューに取り付けて使用することで、B1X 500 AirTTLを遠隔でシンクロ&調光することが可能です。
Air Remote TTLはTTL調光にも対応しています。また各種設定状況が液晶モニターで確認できるため、多灯ライティングでも非常に快適な使い勝手を実現しています。
Air Remote TTLはラジオスレーブであるため、Air Remote TTLを装着したカメラとB1X 500 AirTTLの間に障害物があっても接続が切れにくく、ライティングやカメラポジションの自由度が上がります。
■B1X 500 AirTTLの仕様
出力 | 2-500Ws(9f-stop) |
リサイクルタイム | 0.1-1.9(最高秒間20回のクイックバースト可能) |
モデリングライト | 24W LED(ハロゲンランプ130W相当) |
ノーマルモードの閃光時間(t0.5) | 1/11,000s(2Ws) – 1/1,000s(500Ws) |
フリーズモード時の閃光時間(t0.5) | 1/19,000s(2Ws) – 1/1,000s(500Ws) |
ハイスピードシンクロ | 最高1/8,000秒、9f-stopの出力レンジ |
ガイドナンバー | 45(2m,ISO100,マグナムリフレクター装着時) |
外形寸法(幅×縦×奥行) | 14×21×31cm |
質量 | 3.0kg(バッテリー含む) |
ワイヤレスコントロールアクセサリー |
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画像:Profoto
Reported by 正隆