皆さんこんにちは。
今回は本格的な山岳カメラマンの論理パズルを考えてみましたので、暇つぶしにやってみていただければと思います。
では問題です!
難易度:IQ120相当
問題:山岳写真家であるあなたは、世界的に有名な高山の頂上からの写真を撮りたいと思っています。
この山は登るのに高度順応などを含めてベースキャンプのある4合目から、山頂(10合目)までは1合登るごとに1日かかります。
つまり、4合目(ベースキャンプ)→5合目(1日目)→6合目(2日目)→7合目(3日目)→8合目(4日目)→9合目(5日目)→10合目(6日目)となります。
しかし、あなたもシェルパも一度に持てる食料は最大で4日分です。
最小の人数のシェルパを雇ってあなたが登頂するには、果たしてあなたは自分以外の「何人のシェルパを雇えば良い」でしょうか?
条件は以下の通り。
- ベースキャンプ(4合目)から山頂(10合目)までは1合登るごとに1日かかる
- 一人が持てる食料はあなたもシェルパも4日分まで
- 山頂に辿り着けるのはカメラマンであるあなただけで構わない
- シェルパは仕事でやっているので、生還させなければならない
- あなたは山頂の写真さえ撮影できれば生きて帰れずとも良いという決死の覚悟があるので、シェルパと異なり帰り道の食料は考えなくて良い
- 頂上で撮影する時間は短時間であるので、日数に含めなくて良く、山頂に辿り着いた時点で目的達成とする
- 登頂にかけられる日数は限られているため、食料をデポ(途中に置いて一旦引き返す)といった日数の増える方法は不可
正解はこのあとすぐ!
■正解はシェルパは最低2人必要
荷物を移し変えることで、山頂にたどり着く
さて、カメラマンであるあなたが山頂にたどり着き、素晴らし山岳写真を撮影するには最低何人のシェルパが必要でしょう?
論理パズルの解き方の基本は実際に図に書いてみることです。
ベースキャンプから「あなたが持ってきた食料を●」、「シェルパ1が持ってきた食料を○」、「シェルパ2が持ってきた食料を□」で表すと、
キャンプ | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | |
合目 | 4合目 | 5合目 | 6合目 | 7合目 | 8合目 | 9合目 | 10合目 |
あなた | ●●●● | ●●●□ | ●●●○ | ●●● | ●● | ● | 登頂 |
シェルパ1 | ○○○○ | ○○○□ | ○□(帰路に) | ||||
シェルパ2 | □□□□ | □(帰路に) |
食料はこのようになります。
登山行程
つまり、
- 1日目(5合目)で、あなたとシェルパ1とシェルパ2の各人の食料は3つになるが、シェルパ2の3つの食料のうちの2つをあなたとシェルパ1に1つずつ渡して、シェルパ2は帰路につきます
- 2日目(6合目)で、あなたとシェルパ2の食料は3つになるが、シェルパ1の3つの食料のうちの1つをあなたに渡して、シェルパ1は帰路につきます
- 3日目(7合目)で、あなたの食料は3つになります
- 4日目(8合目)で、あなたの食料は2つになります
- 5日目(9合目)で、あなたの食料は1つになります
- 6日目(10合目)で、あなたは登頂に成功、素晴らしい山岳写真を撮影し、食料が尽きて死にます
というわけで、あなたは最低2人のシェルパを雇えば登頂することが可能です。
他にも方法はあるかもしれません。また、自分自身も生還するパターンだと何人のシェルパが必要か?というのも考えてみたのですが、結局生還するには食料をデポする必要があるような気がして(正しいかどうかは分かりません)、食料をデポするのであれば極論自分一人でも登頂可能ということになるので、ややこしくて考えるのをやめました。
また、この論理パズルは条件を説明しにくかったため、条件が分かりづらいために正解できなかった方には申し訳ありませんでした。
■登山家の美と私の運動不足の酷さ
登山家の存在感は現代人が無くした何かを感じさせる
以前、鈴木みきさんという、登山関係の書籍を沢山出版されている登山家の方にお会いした際、ヒマラヤのような高所での撮影に向いたカメラの説明をさせて頂いたことがあります。
鈴木みきさんのザックを背負う姿は、スッと一本線が通ってオーラに溢れており、ザックの各所のストラップの調整とか、道具の使い込まれ感とか、体幹がブレていないとかそうしたことから滲み出るものだと思いますが、その出で立ちはとても美しく、やはりプロの登山家の方は違うなぁと非常に感心させられました。
鈴木みきさんのツィッターによると、ヒマラヤ登山のため、現在ネパールのカトマンズ入りしているとのことです。
ちなみに私は高尾山の1号路でも死にそうになるほど運動不足なので、山は登りません。というか登れません。ロープウェイがあれば大丈夫です。
画像:Amazon
Reported by 正隆