レンズマウントファンの皆さんこんにちは。
世の中には様々なレンズマウントがあり、それぞれに名称が付けられているわけですが、そのマウントの名称の由来についてご存知でしょうか?
というわけで今回は、タイトルの通り主要なレンズマウントの名称の由来についてお話しさせて頂きます。
■レンズマウントの名称の由来
メーカー名 | マウント名 | 名称の由来 |
キヤノン | EF | Electro Focusの略 |
EF-M | Electro Focus Mobilityの略 | |
RF | Reimagine optical excellence.の略 | |
ニコン | F | ReflexのRを発音の問題からFに置き換え |
Z | 究極・最高、未来への架け橋という意味 | |
ソニー | A | ギリシャ文字の最初がαであることから |
E | Eighteen Millimeterの略 | |
富士フイルム | G | 不明 |
X | 不明 | |
オリンパス パナソニック |
m4/3 | 4/3型センサーを搭載した小型システム |
ペンタックス | K | King of Single Lens Reflexの略 |
ライカ パナソニック |
L | 特に意味はない(ライカ公式) |
ライカ | M | Messsucherの略 |
EFマウントの名称の由来
EFマウントは「Electro Focus」の略となっており、電子化されたマウントとそれによるフォーカスシステムを表しています。
EFマウントは1987年3月に世界初の完全電子化マウントとして初登場し、それ以来30年以上にわたってキヤノンの主力マウントとして現在まで活躍しています。
EF-Mマウントの名称の由来
EF-MはEF(Electro Focus)に、携帯性に優れたミラーレスらしく「Mobility(可動性,移動性,機動性)」の頭文字Mを加えたものとなっています。
現在ではミラーレス=小型・軽量という概念は薄まり、単なる携帯性を追求したものではなく、構造的なメリットを生かしての進化を続けているわけですが、フルサイズを担うRFマウントが登場したことで、EF-Mマウントでフルサイズ機や上級機を出す必要がなくなったため、EF-MのMobilityというコンセプトは名称的に今後も整合性がとれたものとなりそうです。
RFマウントの名称の由来
EOS RのRが「Reimagine optical excellence.(卓越した光学性能を再び想像する)」のRからとったものですので、RFマウントのRも同様であると考えられ、EFのFはFocusの略であるため、RFのFも同様のFocusの略かも知れませんが、明確な記述が見つけられずあくまでも推測となっています。
いずれにせよ、過去にキヤノン自身やライカに「Rマウント」という名称のマウントが存在するため、単に「Rマウント」という名称にはできなかったものと考えられます。
Fマウントの名称の由来
FマウントのFは、一眼レフからスタートしたことによるレフレックスミラーの「Reflex(反射)」からとったものですが、ReflexのRでなく「F」としたのは、Rの発音が国によって異なるためFにしたとのこと。
Fマウントは1959年6月に発売されたニコンFから59年も続いているマウントとなります。
Zマウントの名称の由来
ZマウントのZはニコンによると、
- 究極の性能を追求していくニコンの姿勢、それを通してお客様に最高の満足感を得ていただきたいという想いを込め、究極・最高という意味でアルファベット最後の文字であること
- 未来への架け橋という意味で、Zという文字が橋を想起させる形であること
という理由から、Zマウントと命名したとのこと。
Zマウントがアルファベット最後の文字だからというのは想像できますが、「架け橋」という形からくる意味もあったとは奥深いですね。
Aマウントの名称の由来
AマウントのAは、Aマウントを採用しているミノルタのαシステムに由来します。αシステムのαはギリシャ文字の始まりであるという理由から、新たな革新的なカメラシステムに相応しいということで採用されました。
それに合わせてαのアルファベットで対になる文字がAであることから、Aマウントとなりました。
Eマウントの名称の由来
EマウントのEは、Eマウントのフランジバックが18mm(Eighteen Millimeter)であることに由来しています。
ちなみに現在ではEマウント機もαシリーズというモデル名になっていますが、Eマウントカメラのシリーズは元々はNEXという呼称であり、このNEXは「New E-mount eXperience」の略でした。
マイクロフォーサーズマウントの名称の由来
マイクロフォーサーズマウントの名称は、まず先に一眼レフ時代に、4/3型のイメージセンサーを採用した事からシステム名がフォーサーズなり、合わせてマウント名もフォーサーズマウントになったことに由来します。
その後新たにミラーレスマウントを立ち上げる際、同じく4/3型センサーを採用し、システム自体が小型であることから、マイクロフォーサーズというマウント名になりました。
Kマウントの名称の由来
Kマウントの「K」は、「King of Single Lens Reflex」(一眼レフの王様)という意味の、Kingの頭文字のKをとったものです。
ちなみにペンタックスのミラーレスマウントQシリーズのQマウントは「Queen of Digital Interchangeable Lens Camera Mount」(レンズ交換式デジタルカメラマウントの女王)の頭文字Qから取られたもので、Kマウントが王様、Qマウントが女王様というわけです。
Lマウントの名称の由来
ミラーレスのLマウントの由来をご紹介する前に、現在も時に混同されがちな「ライカスクリューマウント」についてご紹介します。
かつてライカにはライカスクリューマウントというレンジファインダーカメラ用のマウントが存在していましたが、これを日本では一般的に「Lマウント」と呼ばれていました。
しかしご存知のように、ミラーレスでのライカが現在採用しているLマウントは、このライカスクリューマウントとは全く別のものです。
Lマウントという名称のきっかけとなったのは、ライカのミラーレスであるSLシリーズの登場で、この「SL」は、ドイツ語の「Spiegellos(ドイツ語で「ミラーレス」の意味)」に由来します。
Spiegellosは鏡を意味するSpiegel(シュピーゲル)と、分離を意味するlos(ロス)から頭文字から取られています。つまり、「鏡を分離させた(ミラーレス化した)」シリーズというわけです。
このSLシリーズのマウントは、実はSLという上以前からライカのTシリーズというミラーレスカメラ(レンズ名はTLシリーズ)という名称で既に存在していました。
そこに新たに同じマウントでフルサイズのSLシリーズが追加され、レンズもフルサイズ対応のSLレンズシリーズが登場します。
つまり現在ライカでは同じ規格のマウントに対して、SLレンズとTLレンズという二つのレンズシリーズが存在するわけです。
そこで新たにマウント名を分かりやすくするために、、SLとTLに共通する「L」を使用して、TマウントをLマウントという名称に改められたという経緯があります。
マウント名はLマウントとして改名したわけですが、ライカによると、この「L」という名称自体には何かの単語の略でというような具体的な意味は込められていないとのことです。
Mマウントの名称の由来
Mマウントの「M」はカメラの名称がMシリーズに合わせたものですが、この有名なライカMシリーズがなぜMシリーズなのかというと、ドイツ語で距離計(レンジファインダー) を意味する「Messsucher」に由来します。
Mマウントは1954年登場のLEICA M3から始まったもので、なんと実に64年もの歴史をもつ超長寿マウントとなっています。
画像:YouTube
Reported by 正隆