ニコンZ 9の背面操作系を見ての印象

Nikon Z 9 背面
画像引用:Photolari(https://twitter.com/Photolari)

オリンピックに関連して、キヤノンのEOS R3やニコンのZ 9が実際に使われている様子が見られるようになってきました。

EOS R3は既に背面画像も既に公式に公開されていますが、これまで正面の画像しか公開されていなかったZ 9の背面レイアウトがわかるようになってきましたので、今回はニコンZ 9の背面のレイアウトに関しての印象を簡単にお話ししたいと思います。

■次世代のフレッグシップ機としてのレイアウト


Nikon Z 9 背面
画像引用:Photolari(https://twitter.com/Photolari)

Z 9はチルト可動式モニターの可能性が濃厚、三軸チルトの可能性もありそう

モニターのヒンジ部分までしっかりマスキングされていますが、マスキングしている時点で可動式モニターであることはほぼ確実でしょう。

またモニターを動かすための爪の部分が背面向かって左側にあるので、通常のバリアングルモニターではこちら側に爪をつけないので、バリアングルモニターである可能性は低そうです。

ニコンらしさということを考えても、上下チルトモニター、もしくは三軸チルトモニターでしょう。

いずれにせよ8K動画も搭載となると、排熱の面でも可動式モニターの方が有利(モニターを開けて放熱することを前提に設計しているわけではないと思いますが)なので、可動式モニターであることはほぼ間違いないと思います。

強度的にも今の可動式モニターは十分なノウハウと経験値があるはずで、D500D850でもモニターの可動部が壊れたという話は個人的には聞いたことがないので、可動式モニターでもフラッグシップ機に求められる堅牢性という面において心配ないという事なのでしょう。

これまでのフラッグシップD6とZ 9の背面の操作系の違い

これまでニコンのフラッグシップ機D6の背面のボタンやダイヤルレイアウトを比較しながら見てみましょう。

D6
Nikon D6 背面
画像引用:ニコン(https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d6/system_name.html)
Z 9
Nikon Z 9 背面
画像引用:Photolari(https://twitter.com/Photolari)

Z 9ではモニターの左側のボタンが廃され、右側に集約されており、再生ボタンも右側になっています。

個人的な好みとしては、再生ボタンと削除ボタンは離さない方が良かったと思います(他のZシリーズやD6でも再生ボタンと削除ボタンは左上に隣同士)が、この、

  • 再生ボタンと削除ボタンをとなり同士にすべきか?
  • 再生ボタンや削除ボタンはそもそもどこが配置すべきか?

というのは難しい問題でチルトモニターvsバリアングルモニター のように意見が分かれる上、モニターの形式以上に選択肢があり、カメラメーカーだけでなく同じメーカーの機種間でも配置が変わる場合があります。

ニコンはこれまで多くのレンズ交換式カメラで、エントリーモデル以外の機種の再生ボタンと削除ボタンは左上で比較的統一されていたのですが、ここにきて再生ボタンと削除ボタンを離してきました。

  1. 再生ボタンも削除ボタンも左上にすべきだったか
  2. 両方とも右手で操作できるように右側に詰め込むべきだったか
  3. Z 9のように分けて配置すべきだったか

これも難しい問題で、結局一長一短なのでしょう。

ただ、プロテクトキーを再生ボタンに割り当てられるようになっていれば、従来の再生ボタンと削除ボタンの配置にも出来るので、ボタンカスタマイズが可能であれば困ることはないでしょうし、再生ボタンは使用頻度の高いボタンですから、右側にあるメリットも非常に大きいと思います。

再生ボタンがボディの右下に寄りすぎているのは折角右手で再生ボタンを押せることの操作性を犠牲にしてはいますが、縦位置撮影時も再生ボタンを使うことを考えれば、配置できるスペースの中で、ここが横位置縦位置いずれのグリップでも親指で押せる位置ということだったのでしょう。

かなり薄くなった印象を受けるボディ

ボディの奥行きに関しては、さすがミラーレスというか、フランジバックが長かったDシリーズと比較すると劇的に薄くなった印象を受けます。

バッテリー室の出っ張りは仕方ないとしても、背面左上のプロテクトキー周辺のボディの複雑な造形などを見るに、あらゆるところを詰めてかなりギリギリの薄さに仕上げてきたように思います。

ただチルト液晶のフラッグシップ機は初めてだと思いますし、ボディを薄く作ろうとすればモニターのヒンジも薄く弱くなりますから、ここまで薄型化を頑張らなくても良かったのではないかと思います。

Nikon Z 9 背面
画像引用:Photolari(https://twitter.com/Photolari)

上面表示パネル(いわゆる肩液晶)がD6よりも小型化されており、その隣のスペースのボディを識別するための②というラベルの上にも2箇所小さくパーマセルテープが貼られているように見えます。

画像:DPREVIEW(https://www.dpreview.com/news/7215673224/)

Z 9は既に公開されている正面画像から、ISO感度、露出補正ボタン、動画撮影ボタンはシャッターボタンのスラントしている部分に配置されていることが確定しているので、パーマセルテープの下にはそれ以外の操作系が隠されているのかも知れません。

全体を見ての印象

Z 9の背面レイアウトの全体を見ての印象は、ライバルとなるであろうEOS R3と比較すると、

  • EOS R3はデザインが洗練されていて美しい
  • Z 9は頻繁に使うボタン類が集約されていて操作しやすそう

という印象を受けます。このあたりはお互いのメーカーの思想が出ていて面白いですね。

引用:デジカメwatch(https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1328574.html)
Nikon Z 9 背面
画像引用:Photolari(https://twitter.com/Photolari)

あと凄くどうでもいいと思われると思いますが、私はニコンのD800系も以前から使っているのですが、

  • 背面の親指が当たる部分
  • 側面のカードスロットのカバー部分

この二箇所のラバーが大体1年位で伸びてしまうので張り替えて貰うのですが(仕事で使うような人の話ですよ)、Z 9もその二箇所のラバーがD800系同様に伸びそうで少し不安です。

対して、EOS R3のラバーはなんとなく伸びにくそうに見えます。

もちろん酷使する人の話なので普通の撮影頻度で1年で伸びたりするものではないので、普通は心配しないでいいと思いますが、Z 9はゴリゴリのプロ機として登場するわけですから少し気になります。

いずれにせよ、Z 9の実機の仕上がりが非常に楽しみになってきました。