マルチマウントの使い分け

レンズマウント
画像引用:PROFIFOTO(https://www.profifoto.de/neuheiten/kameras/2019/06/14/wertewandel/)

皆さんこんにちは。

皆さんはレンズ交換式カメラは幾つのマウントをお使いでしょうか?

もちろん1つという方も多いでしょうし、ミラーレスと2つとか、幾つも持っているという方もおられるともいます。

フィルム時代の古いマウントまで入れれば、私も数えるのも面倒なほどたくさん所有しているのですが、実際に今現在仕事で使っているのは3つで、

  • RFマウント(キヤノン:ミラーレス)
  • Fマウント(ニコン:一眼レフ)
  • MFTマウント(パナソニック:ミラーレス)

この3つを使い分けています。

そこで今回は私の場合のマルチマウントの使い分けについて簡単にお話ししてみたいと思います。仕事に関係する使い分け方なので、一般の方の使い分けとは異なる部分が多いとは思いますが、何かの参考になればと思います。

■複数のマウントを使い分ける意味


1.メインのキヤノンRFマウントについて

これが現在のマインマウントであり、95%の撮影はEOS R5と大三元を基本に撮影しています。

フォトグラファーなので静止画にばかり使っており、動画撮影には全く使っていません。なのでご存知のようにEOS R5は一応8K動画まで対応していますが、録画はLUMIXが万一現場で動作しなかった時のサブ機や、2カメでのインタビュー撮影用に設定だけしてあります。

まあそんなこんなでキヤノンRFマウントは(私の場合は)完全にスチル撮影のメイン機として使っています。

一眼レフからミラーレスになって被写体認識によってAFの利便性は大幅に向上し、瞳Fによって測距点選択という大きな手間が減ったため構図に集中できますし、キヤノンは総合的な業務用のカメラとしてのシステムの完成度が圧倒的に高いため、RFマウントを使用しています。

最近はニコンもその辺りを強化しなければならないということを意識しているようで、NX Tetherのようなソフトもリリースしてきました(これまでメーカー純正のソフトを使う限りテザー撮影に関してはキヤノンの方が明らかに利便性が上だったので)。

キヤノンは、

  • ボディ内のメモリーカードにデーターを残しつつPCにも画像を転送する転送する
  • 転送画像もレスポンス良く表示できるように、転送する画像はJPEG軽量版だけを転送しボディ内にRAWを残す

といったことも出来ましたが、なぜかニコンはこれまでテザー撮影ではボディ内のメモリーカードには記録されずPCにしか保存されなかったため、PCでしか記録を残せなかったり、カメラ側のモニターで撮影画像を確認できないなど、使い勝手が非常に悪い状態が長く続いて言いました。

またRAWで撮影したいというような場合にはPC転送もRAW画像となるため表示レスポンスが遅かったりと、と使いづらい機種もありました(※機種によって仕様が多少異なります)。

ニコンがそうしたオペレーション全体の弱点を克服するべく踏み出したことは非常に素晴らしいことだと思います。

ただニコンはプリンターを出していないので、印刷してポートフォリオのブックを作ったり、写真展用の作品を印刷する場合、「ニコン+エプソンプリンター」よりも「キヤノン+キヤノンプリンター」の方が操作性や細かい調整がやりやすいという点など、プロが仕事に使うということを想定した際に総合的なシステムは今もってキヤノンに一日の長があると思います。正しくカラーマネージメントさえすれば、キヤノンのプリンターとの親和性は非常に優れています。

今時プリントしないだろうと思っている方もいるかもしれませんが、印刷物の仕事をする場合には事前にテストプリントすることもあれば、作品展であれば、A3程度までの作品はホームプリントした方が楽なのでプロフォトグラファーや写真家の場合は今でもプリントはかなりします。

ただニコンがそうしたシステムの見直しを図ってきたことで、もうその差はかなり縮まってきたと思います。

ニコンでも知識さえあれば(知識が必要なのはキヤノンも同様ですし)十分にプロフォトグラファーとしてやっていけるシステムだと思います。なにかニコンの企業内で「こだわりを捨ててユーザーの声に答えよう」という強い意識改革のようなものがなされているのを感じます。

元々の技術力の高さに加えて、ユーザーフレンドリーになれば、ニコンは大きく化ける可能性を秘めているメーカーです。

もちろん写りやAFや操作性の傾向などは違いますから、ニコンからキヤノン、キヤノンからニコンに移行して最初のうちはいずれの場合も結構戸惑うと思います。

特に写りの部分に関しては、キヤノンのソフトPicture Style EditorやニコンのソフトPicture Control Utility 2で調整するしかないと思いますが、完全に一致させることはできないのでどちらの画作りが好みかと言ったことも影響してきます。

ニコンが成長していると同様に、キヤノンも着々と進化しており、現在のキヤノンにも大した不満もないため私は当面はRFマウントで行くつもりです。

ただデフォルトの画作りに関しては個人的にはニコンの方が好みです。キヤノンはPicture Style Editorで調整して本領発揮すると感じています。逆にそれをやらないならニコンの方が好みの画作りです。

しかしPicture Style Editorがバッチリはまると、ホワイトバランスから色やディテールの処理など様々な面でとても納得のいくものが非常に簡単に得られるので、手間ではありますが、そうしたことを厭わない方であれば、Picture Style Editorで調整された画作りが個人的には一番納得がいきます。

2.静止画サブのニコンFマウントについて

実は今でもD800系のニコンFマウントもたまに使うことがあります。EOS R5+RFレンズの写りに不満がないのなら、なぜ敢えてFマウントのカメラを使うのかと不思議に思われるでしょう。

これは完全にプロにしか関係がない話ですが、モデル事務所のプロフィール写真などを撮影するときがあるのですが、そうした際、一度に全員のプロフィール写真を取り直すわけではなく、「新しいモデルが4名増えたのでまたプロフィール写真を撮影してもらえますか?」という形の依頼は結構あるわけです。

そうすると、他のフォトグラファーが撮影した写真と自分のカメラの写りが全然変わってしまっては、プロフィール写真がずらっと並んだときに新メンバーだけ並びで見て突然写り方が変わってしまい不自然になってしまう場合があります。

皆さんもタレント事務所やモデル事務所のサイトで、なんとなくそのようなプロフィール写真のバラツキを見たことがあるのではないかと思うのですが、あれは撮り方をそのときたまたま失敗したのでなければ、途中から撮る人が変わったりカメラが変わった可能性が高いです。

前のフォトグラファーより綺麗に撮りたいという欲があっても、不自然なほどテイストが変わってしまってはやはりおかしいので、そうした場合は、統一感をある程度意識して撮影するという場合があります。

なので、私はキヤノンだけでなくニコン機も持っておくことにしています。流石に全メーカー揃えるのは無理ですし、そもそも使いこなせませんから、キヤノン以外でもプロがよく使っているニコン機の仕事で使える機種を常に2台は所有しています。

だからと言っていつまでも以前撮影した人の感じに合わせたり、自分が過去に撮影した古い機材で撮り続けたりするわけにもいかないので、タイミングを見計らって、同じ人物を違うカメラで撮影して、写りの違いがわかるサンプルをメールに添付して、「こんな感じに写りが変わりますけどどうでしょう?新しいカメラで撮っても大丈夫ですか?」という風に伺って提案したりする場合があります。

3.動画用のパナソニックMTFマウントについて

これは動画用です。

最近はフォトグラファーも簡単な動画撮影を求めれることが増えているので、動画撮影用にはLUMIXを使っているのですが、理由としては、

  • 操作が簡単
  • 写りがそこそこ綺麗
  • 30分以上の長回しが可能

こうした点からLUMIXを選びました。現在であればパワーデリバリーが出来る機種や30分以上の長回しに対応している機種も増えているので、選択肢はもっと多いと思います。

使い方としては、カメラワークがあるようなムービーをスチルと一人で操作は出来ないので、こうした仕事の多くは、

  • インタビュー
  • イベント
  • 対談

などで、写真メインだけれど「固定カメラで良いので一応動画も撮っておけますか?」という問い合わせの場合が多いです。私の場合はですよ。

そのたびに動画撮影のためだけのアシスタントを雇っていると予算がかさみますから、

  1. 三脚にLUMIXを据え置きにしてフィックス撮影
  2. 音声はピンマイクで録音
  3. ライティングは定常光
  4. 動画の画角に写り込まないように動きながらEOS R5の電子シャッターでサイレント撮影する

このようにすると、静止画と動画をワンオペで一回の撮影で行えるので、効率よく撮影できます。

このようにスチル撮影とムービー撮影を同時に行える場合は同時に撮影したりしますが、同時に撮影するのが無理な場合は、どちらかを先、どちらかを後にします。

それはどちらがコンテンツのメインかによります。動画がメインのコンテンツでは動画撮影後にスチル撮影ですし、スチルメインのコンテンツではスチル撮影後に動画撮影となることが多いです。

というわけで今回は私の場合のマルチマウントの使い分けについてご紹介してみました。

Reported by 平原正隆