各社から一眼レフ・ミラーレスの3000万画素オーバー機が出揃っていますが、果たしてどれが画質面で優れているのでしょうか?
今回はキヤノンEOS 5Ds R、ニコンD810、ソニーα7R II、ペンタックスK-1といった、各社の高画素モデルの画質をDPREVIEWの比較ツールを使用して低感度・高感度ともに比べてみたいと思います。
■各機種の画素数と常用ISO感度は?
まずは各機種の有効画素数と常用ISO感度を比較してみましょう。
- Canon:EOS 5Ds R:約5060万画素:常用感度ISO100~6400
- Nikon:D810:約3635万画素:常用感度ISO64~12800
- SONY:α7R II:約4240万画素:常用感度ISO100〜25600
- PENTAX:K-1:約3640万画素:常用感度ISO100〜204800
カタログ上の画素数では、EOS 5Ds R→α7R II→K-1→D810、常用感度はK-1→α7R II→D810→EOS 5Ds Rとなっています。しかし実際の画質とカタログスペックは異なる事が往々にしてあるため、実写によるテスト撮影で比較していましょう。
本来は中心部の方がレンズ影響力が少ないため比較に適しますが、より馴染みがあり画質差や色味も判別し易い人物の部分で比較しています。
■低感度画質に優れているのはどの機種?
ISO100(RAW)による低感度画質比較
低感度の画質に関しては甲乙付け難く、同サイズに揃えてもその違いは3600万画素〜5000万画素の間で解像感などの違いは見受けられません。
作例は動体撮影なども考慮し、同条件で揃えるため使用していませんが、K-1にはリアル・レゾリューション・システムがあり、文字部分などでは僅かではありますが、他の機種よりも高い解像感が得られているのが見て取れます。
色味による違いが感じられ、EOS 5Ds Rが最も黄色っぽく、D810やα7R IIは赤みが強く、なっています。K-1はEOS 5Ds RとD810・α7R IIの中間といった印象です。
ISO100(JPEG)による低感度画質比較
JPEGの低感度撮影でも、解像感などはほとんど違いが感じられません。
全機種ともRAWよりも滑らかな肌表現となっており、色味はD810は最も血色が良く健康的ですが、赤っぽいとも言えます。対してα7R IIはD810と同系統でややアンダー気味、EOS 5Ds RとK-1は黄色味がかった肌色になっています。
■高感度画質に優れているのはどの機種?
ISO1600(RAW)による高感度画質比較
ISO1600時の高感度比較では、全機種ともに輝度ノイズが発生しているのが見て取れるものの、十分な画質を提供しています。
α7R IIがEOS 5Ds R・D810・K-1と比較した場合には僅かにカラーノイズの発生が見られるものの、ほとんど気にならないレベルと言えるでしょう。
ISO1600(JPEG)による高感度画質比較
JPEGでの比較では、ノイズリダクションの効果が見て取れますが、他の機種と比較してK-1は輝度ノイズがやや目立ち、色も抜け始めているのが分かります。ディテールの損失がどの機種からも見られ始めます。
ISO6400(RAW)による高感度画質比較
ISO6400のRAWでは、全機種から輝度ノイズが派手に見て取れます。その中でEOS 5Ds Rは比較的ノイズが目立ちにくく良好です。
α7R IIは輝度ノイズは他機種とそれほど変わりませんが、カラーノイズがやや目立つのが欠点です。
ISO6400(JPEG)による高感度画質比較
ISO6400のJPEG画質では、各メーカーともにノイズの低減とディテールの保持のバランスに苦戦しているのが見て取れます。K-1は輝度ノイズが派手に残っているものの、ディテールの損失は少なめです。
D810は低ノイズですがディテールの保持は他の機種と比較してやや劣ります。EOS 5Ds Rとα7R IIはK-1とD810の中間と言えるでしょう。
Reported by 正隆