今日はEOS-1D X Mark II噂です。CANON RUMORSによると、来るキヤノンのフラッグシップ一眼レフ、EOS-1D X Mark IIはCFastとCFカードのダブルスロットになる可能性が非常に高いとのことです。
■今更ながらCFastってなに?
CFastとはCompactFlash Associationが策定した規格で、以下のような特徴があります。
・現在のCFastカードはCFast2.0と呼ばれる規格を採用しています。
・外観は従来のCFカードと同様の36.4×42.8×3.3mm。大きさは同じですがカードスロットに互換性はありませんから、見た目は似ていても全く仕様が異なります。
・CFastカードはシリアル転送、CFカードはパラレル転送を採用しており、SATA3(シリアルATA)6Gbps(転送レート600MB/s)これは理論上166MB/sが上限だったCFカードを大幅に上回ります。
・CFastカードが速いのは、CFカードが採用しているパラレル転送で起こるクロストークと呼ばれる信号線同士の干渉や、スキューと呼ばれる同期の問題がシリアル転送を採用しているCFastカードでは起こらないため。
・コネクタ内で曲がる可能性のあるピンを排除し、CFカードで度々問題になった破損を防いでいます。
・転送速度表記はCFと同様にCDの書き込み速度を元に倍速表記が使用されています。従来のCFカードでは1113倍速(x1113等の表記)が最大だったのに対し、Cfast2.0カードにおいては3333倍速(x3333等の表記で500MB/s時)といったように、その読み書き速度は大幅に向上しています。
要点だけ言いますと、
- CFastとCFは大きさは同じ
- CFastとCFには互換性が無い
- CFastの方がはるかに高速
- CFastはピン折れなどの破損が少ない
■XQDとCFastどちらが凄いの?
現状どちらもまだ性能向上が見込めるためどちらが優れているとも言えない状態で、どちらが将来的にグローバルスタンダードになるかというのも不明です。
現在XQDを採用している35mm判以下の一眼レフ・ミラーレスは D4S、発売が決まっているD5(XQDモデル)とD500のみですし、CFastは35mm判以下のスチールカメラでは採用例がなく、EOS C300 Mark IIなどの業務用ビデオカメラなど一部のモデルに限られます。
つまり現時点ではどちらも普及しているとは言いがたく、どちらが主流になるかはわかりません。またどちらも高価かつある程度の大きさがあるためSDXC以上に普及するとは考えづらく、いずれにせよ一部の上級機のみの採用となるでしょう。
大雑把に言えばXQDのボスはSONY、CFastのボスはSunDisk、Lexarは二足のわらじといった状況です。
■CFastとCFのダブルスロット
CFastでなければ(特にRAWでの)連続撮影枚数の制限が厳しくなる、CFをサポートしなければ従来ユーザー(CFカードを沢山持っている)に文句を言われる。
といったジレンマがあり、ニコンは思い切ってXQDとCFで2モデル出し、有料ではありますが購入後のスロット交換も受け付けるという大変贅沢かつどちらの要望(XQD派とCF派)にも完全対応することを決めました。
対するキヤノンはダブルスロットのうち1つをCFast、もう1つをCFという言ってみれば中庸な選択をする可能性が高いようです。
CFastとCFはカードそのものには互換性がないのに大きさが同じであるため紛らわしいのではないかという懸念はありますが、そこはコンシューマ市場で鍛え上げられているキヤノンですからCFast&CFのダブルスロットでも、そういったユーザー側の迷いが起こりにくいように何かしらの対策はしてくるものと思われます。
参考:CANON RUMORS
画像:Canon,Lexar
Reported by 正隆