皆さん超広角レンズお使いですか?
超広角レンズは風景撮影や建築物の撮影、最近ではそのパースペクティブを生かしたポートレートなどにも使用されます。超広角レンズは写真愛好家なら一度は通る道とも言えるレンズと言えるでしょう。
今回はそんな超広角レンズの中からキヤノンEFマウント及びニコンFマウント用のおすすめレンズをご紹介します。
■超広角レンズって?
超広角レンズの定義って?
実はカメラ業界には「焦点距離◯◯mm以下を超広角レンズと呼ぶ」といった明確な定義はありません。
しかしながら一般的には焦点距離が35mmよりも短いレンズを広角レンズ、24mmよりも短いものを超広角レンズと呼ぶことが多くなっています。
超広角レンズを使う理由
超広角レンズを理由はさまざまなものがありますが、まず第一はその圧倒的な撮影画角が超広角レンズ最大の魅力と言えるでしょう。風景撮影や建築物の内観撮影では、その広い画角は何物にも変えがたい部分があります。
また超広角レンズは焦点距離が長いレンズと比較して、被写体を同じ大きさに写し込もうとした場合撮影距離が短くなるため、パースペクティブ(遠近感)が強調されます。
パースペクティブが強調されることを生かして、被写体をデフォルメされたように写し込むことが可能です。それを利用して人物撮影などでは足を長く見せたり、鼻を大きく写すことでユニークな表情を出すといったことも可能です。
■キヤノンEFマウント用おすすめ超広角ズームレンズ
EF11-24mm F4L USM
EF11-24mm F4L USMは世界最大口径の研削非球面レンズを含む、4枚もの非球面レンズを採用した35mm判で世界最広角となる焦点距離11mmの超広角レンズです。
何と言ってもこの圧倒的な撮影画角がEF11-24mm F4L USM最大の魅力ですが、画質面でも非常に評価の高いレンズで、高画素機でも十分に対応出来るレンズとなっています。
その他にもナノ粒子コーティングの一種であるSWC(Subwavelength Structure Coating)やASC(Air Sphere Coating)を採用することで、超広角レンズの大敵と言えるフレアやゴーストを大幅に軽減しています。
- 画角(水平・垂直・対角線):117°10’~74°00′ 、95°00’~53°00′ 、126°05’~84°00′
- レンズ構成:11群16枚
- 絞り羽根枚数:9枚
- 最小絞り:22
- 最短撮影距離:0.28m(24mm時)
- 最大撮影倍率 0.16倍(24mm時)
- フィルター径:後部挟み込み式
- 最大径×長さ:φ108.0mm×132.0mm
- 質量:約1,180g
- 手ぶれ補正:なし
EF16-35mm F2.8L III USM
EF16-35mm F2.8L III USMはいわゆる大三元レンズのうちの一本となる広角ズームレンズで、プロ・ハイアマチュアを始め多くの写真愛好家に人気のあるレンズです。
大口径のガラスモールド非球面レンズ2枚と研削非球面レンズ1枚を搭載、さらにSWCとASCといった先進的なコーティングを採用することで高い画質と逆光耐性を実現しています。
特に解像力は非常に高く、風景撮影などでは特にその威力を発揮することでしょう。
EF16-35mm F2.8L III USMはEF11-24mm F4L USMと異なり、82mmのフィルターが使用できるため、C-PLフィルターや保護フィルターを使用できる点も大きな魅力となっています。
- 画角(水平・垂直・対角線) 98°〜54°・74°10’〜38°・108°10’〜63°
- レンズ構成:11群16枚
- 絞り羽根枚数:9枚
- 最小絞り:22
- 最短撮影距離:0.28m
- 最大撮影倍率:0.25倍(35mm時)
- フィルター径:82mm
- 最大径×長さ:φ88.5mm×127.5mm
- 質量:約790g
- 手ぶれ補正:なし
EF16-35mm F4L IS USM
EF16-35mm F4L IS USMは超広角までカバーしたズームレンズとしては珍しく手ぶれ補正を搭載している点が大きな特徴となっています。
幾ら高画質なレンズでもブレてしまったのではその画質を生かすことは出来ませんが、EF16-35mm F4L IS USMはシャッタースピード約4段分もの手ぶれ補正効果を発揮することで、手ぶれによるミスショットの発生を抑えています。
画質面においても大口径非球面レンズやUDレンズを採用することでEF16-35mm F2.8L III USMに匹敵する解像力を得ている点も見逃せません。
また指紋や汚れなどが付着した際の汚れを落ちやすくするために、最前面と最後面にはフッ素コーティングが施されています。このフッ素コーティングは撥水・撥油性が高く、レンズクリーニング液のような溶剤を使わずにクリーニングペーパーなどで汚れを落とすことができます。
- 画角(水平・垂直・対角線) 98°〜54°・74°10’〜38°・108°10’〜63°
- レンズ構成:12群16枚
- 絞り羽根枚数:9枚
- 最小絞り:22
- 最短撮影距離:0.28m
- 最大撮影倍率:0.23倍
- フィルター径:77mm
- 最大径×長さ:φ82.6mm×112.8mm
- 質量:615g
- 手ぶれ補正効果:(CIPAガイドライン準拠) 4段分
24-35mm F2 DG HSM Art
24-35mm F2 DG HSM Artは一風変わったコンセプトをもって作られた広角ズームレンズで、非常に短いズーム比とF2.0という明るさを併せ持つズームレンズです。
24-35mm F2 DG HSM Artはズーム比を極端に落とすことで、単焦点並みの画質とボケ量を得ています。このレンズは言わば、「24mm/F2.0」「28mm/F2.0」「35mm/F2.0」といった代表的な広角単焦点レンズを1度に持ち歩くことが出来るレンズで、ボケ量だけでなく、画質面においても現代的な単焦点レンズと比較しても決して見劣りしません。
24-35mm F2 DG HSM Artは蛍石に匹敵する性能と言われるFLDガラスを1枚、さらにSLDガラス(特殊低分散ガラス)をなんと7枚という贅を尽くした構成となっています。
- レンズ構成:13群18枚
- 最小絞り:F16
- フィルターサイズ:φ82㎜
- 画角:84.1°-63.4°
- 最短撮影距離:28cm
- 最大径×全長:φ87.6mm×122.7mm
- 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
- 最大倍率:1:4.4
- 質量:940g
- 手ぶれ補正:なし
■ニコンFマウント用おすすめ超広角ズームレンズ
12-24mm F4 DG HSM Art
12-24mm F4 DG HSM Artは超広角ならではのダイナミックな撮影画角と画質を両立しています。
12-24mm F4 DG HSM Artは非常に広い撮影画角をもつ超広角ズームレンズです。シグマには以前から超広角ズームレンズの開発に積極的でしたが、このレンズにおいて一気に画質を向上させています。
12-24mm F4 DG HSM Artは蛍石と同等の性能を持つと言われるFLDガラスや非球面レンズを採用し、旧型となる12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMと比較して解像力が大幅に向上しています。またそれに加えて周辺減光や色収差、さらに歪曲収差も大幅に抑制しています。
- レンズ構成:11群16枚
- 最小絞り:F22
- 画角:122.0°-84.1°
- 最短撮影距離:24cm(24mm時の値)
- 最大径×全長:φ102.0mm×131.5mm
- 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
- 最大倍率:1:4.9
- 質量:1,150g
- 手ぶれ補正:なし
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDはニコン大三元レンズ(F2.8通しズームレンズ)の中の広角域をカバーするレンズで、ズームレンズの常識に革命を起こしたレンズとして知られています。
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDが登場するまで、ズームレンズといえば画質面では単焦点レンズに劣る代わりに利便性を求めて使われるものでした。しかしAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDはそのズーム全域において同じ焦点距離の単焦点レンズを大きく上回る画質を実現したことで業界の常識を覆し、「画質のために積極的にズームレンズを使う」という流れを生みました。
またAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDはナノ粒子コーティングであるナノクリスタルコートの効果で、逆光気味の状況でもゴースト・フレアの少ないクリアな画像が得られます。
- 焦点距離:14mm-24mm
- 最大口径比:1:2.8
- レンズ構成:11群14枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート)
- 画角:114°-84°
- 焦点距離目盛 14、15、16、18、20、24mm
- 撮影距離目盛:∞~0.28m、1ft(併記)
- 最短撮影距離:0.28m(焦点距離18mm~24mm)、0.3m(焦点距離18mm未満)
- 最大撮影倍率:0.14倍
- 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
- 絞り方式:自動絞り
- 最大絞り:f/2.8
- 最小絞り:f/22
- 測光方式:開放測光
- アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) :取り付け不可
- 最大径×長さ:約98mm×131.5mm
- 質量:約970g
- 手ぶれ補正:なし
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDはタムロン入魂の大口径超広角ズームレンズです。
超広角ならではの圧倒的な画角やパースペクティブだけでなく、ズーム全域で高い画質を実現しています。大口径ガラスモールド両面非球面レンズを搭載し、さらに複数枚の異常低分散ガラスを採用した13群18枚のレンズ構成によって、従来の超広角ズームレンズの常識を打ち破る画質を実現しています。
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDの画質はこのクラスで長い間君臨しているAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDに匹敵する素晴らしい画質を実現していますが、さらにSP 15-30mm F/2.8 Di VC USDにはAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDにない手ぶれ補正を搭載している点も大きな魅力となっています。
- 焦点距離:15-30mm
- 明るさ:F/2.8
- 画角(対角画角):110゜ 32′ – 71゜ 35′
- レンズ構成:13群18枚
- 最短撮影距離:0.28m(全ズーム域)
- 最大撮影倍率:1:5(f=30mm時:最短撮影距離0.28m)
- フィルター径:装着不可
- 絞り羽根:9枚
- 最小絞り:F/22
- 最大径×長さ:φ98.4mm×145mm(ニコン用:142.5mm)
- 質量:(キヤノン用)1,100g、(ニコン用)1,100g
- 手ぶれ補正:あり
AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDはズーム比と明るさを適度に抑えることで高い機動性とコストパフォーマンスを実現した超広角ズームレンズです。
小型軽量と言っても画質面では妥協せず、高い画質を実現している点が大きな魅力となっています。解像力・色収差・歪曲収差・周辺光量などさまざまな点で高い光学性能を実現し、単なるコンパクトなレンズではなく、常にカバンに入れておける高画質な超広角レンズとなっています。
鏡筒はプラスチックですが、フィルターが使用できる点も使い勝手を上げ、AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDの大きな魅力となっています。
- 焦点距離:18mm-35mm
- 最大口径比:1:3.5-4.5
- レンズ構成:8群12枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚)
- 画角:100°-63°
- 最短撮影距離:0.28m(ズーム全域)
- 最大撮影倍率:0.19倍
- 絞り羽根枚数:7枚(円形絞り)
- 最大絞り:(18mm時)f/3.5、(35mm時)f/4.5
- 最小絞り:(18mm時)f/22、(35mm時)f/29
- 測光方式:開放測光
- アタッチメントサイズ(フィルターサイズ):77mm(P=0.75mm)
- 最大径×長さ:約83mm×95mm
- 質量:約385g
Reported by 正隆