レンズ交換式カメラでもコンパクトカメラでもトップシェアメーカーとして驀進を続けるキヤノン。2017年も既に多くのカメラを市場に投入しています。
というわけで今回はキヤノンの2018年を予想してみたいと思います。果たして気になるあのカメラの後継機は!?
■キヤノンの現在
レンズ交換式カメラ各社ラインアップ
まずは現在の各メーカーのラインアップを見てみましょう。
レンズ交換式カメラ現行機ラインアップ | ||||||
レンズ交換式デジタルカメラ | ||||||
キヤノン | ニコン | ソニー | オリンパス | パナソニック | ペンタックス | 富士フイルム |
EOS-1D X Mark II | D5 | α99 II | OM-D E-M1 Mark II | LUMIX GH5 | 645Z | GFX 50S |
EOS 5D Mark IV | Df | α77 II | OM-D E-M1 | LUMIX GH4 | K-1 | X-Pro2 |
EOS 5D Mark III | D810 | α9 | OM-D E-M5 Mark II | LUMIX GX8 | K-3 II | X-T2 |
EOS 5Ds | D810A | α7S II | OM-D E-M10 Mark II | LUMIX GX7MK2 | KP | X-T20 |
EOS 5Ds R | D750 | α7R II | PEN-F | LUMIX G8 | K-70 | X-E2 |
EOS 6D Mark II | D610 | α7 II | PEN E-PL8 | LUMIX G7 | K-S2 | X-A3 |
EOS 6D | D500 | α7S | PEN E-PL7 | LUMIX GF9 | Q-S1 | |
EOS 7D Mark II | D7500 | α7R | LUMIX GF7 | |||
EOS 80D | D7200 | α7 | ||||
EOS 9000D | D5600 | α6500 | ||||
EOS Kiss X9i | D5300 | α6300 | ||||
EOS Kiss X9 | D3400 | α6000 | ||||
EOS Kiss X8i | Nikon 1 J5 | α5100 | ||||
EOS Kiss X7 | Nikon 1 AW1 | |||||
EOS Kiss X80 | ||||||
EOS M5 | ||||||
EOS M6 | ||||||
EOS M10 | ||||||
レンズ交換式フィルムカメラ | ||||||
EOS-1v | F6 | |||||
FM10 | ||||||
19機種 | 16機種 | 13機種 | 8機種 | 8機種 | 7機種 | 6機種 |
キヤノンの合計19機種というのは全メーカー最多となっており、キヤノンが一眼レフ・ミラーレス、またエントリーからハイエンドまで幅広くカバーしているのが見てとれます。
ライトユーザーからプロフェッショナルまで、さらにフィルムカメラまでラインアップしているあたりはさすがはシェアナンバー1メーカーと言えるでしょう。
■EOS-1D X Mark III(EOS-1D X Mark II後継機)について
EOS-1D X Mark IIIの予想
EOS-1D X Mark IIは2016年4月28日に発売されています。キヤノンのフラッグシップ機は夏季オリンピックに合わせて新型が登場しますから、後継機の発売は2020年の東京オリンピックの年と考えるのが有力でしょう。
EOS-1D X Mark IIは約2020万画素、AF追随約14コマ/秒、4/60P動画を搭載しており、2020年ではAF追随約16コマ/秒と6K/60P動画の搭載が期待されますが、8K動画を搭載するとなると大幅な画素数アップが必要であるため採用する可能性は低いでしょう。
バリバリのプロ機であるため、大幅な変化というよりはキープコンセプトの正常進化が濃厚でしょう。
EOS-1D X Mark IIIの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2020年4月頃
- 有効画素数:2240万画素
- 連続撮影速度:最高約16.0コマ/秒(AF追随)
- オートフォーカス:240点(オールクロスタイプセンサー)
■EOS 5Ds Mark II/EOS 5Ds R Mark II(EOS 5Ds/EOS 5Ds R後継機)について
EOS 5Ds Mark II/EOS 5Ds R Mark IIの予想
EOS 5Ds/EOS 5Ds Rは2015年6月18日の発売で、製品サイクルは3〜4年と考えられます。そのためEOS 5Ds Mark II/5Ds R Mark IIの発売は2018〜2019年と考えるのが妥当でしょう。
キヤノンはAPS-Hサイズで既に1億画素を超えるイメージセンサーの開発に成功しており、EOS 5Ds Mark II/5Ds R Mark IIはさらなる高画素化を求めて1億画素レベルを検討しているのではないかと考えられます。
また最近の流れに合わせてデュアルピセルCMOS AFを採用してくるものと考えられます。
EOS 5Ds Mark II/EOS 5Ds R Mark IIの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2019年4月頃
- 有効画素数:1億画素
- 連続撮影速度:最高約5.0コマ/秒
- オートフォーカス:240点(オールクロスタイプセンサー)
■EOS 5D Mark V(EOS 5D Mark IV後継機)について
EOS 5D Mark Vの予想
EOS 5D Mark IVは2016年09月08日に発売されました。EOS 5Dシリーズの製品サイクルを考えると、EOS 5D Mark IIIの発売が2012年03月22日ですから、順当にいけばEOS 5D Mark Vの発売は2020年になります。
2020年には春にオリンピック用のEOS-1D X Mark IIIが発表されるでしょうから、同時期にEOS 5D Mark Vをかぶせてくるとは考えにくく、おそらく発表・発売は2020年の後半になる可能性が高いでしょう。
EOS 5D Mark Vがどのようなスペックで登場するかという点に関しては、これまで性能のバランスをとってヒットを続けていたシリーズであるため、EOS 5D Mark Vの極端な高画素化は行われないでしょう。
- EOS 5D Mark III→約2230万画素、最高約6.0コマ/秒
- EOS 5D Mark IV→約3040万画素、最高約7.0コマ/秒
これらのことを考えると、EOS 5D Mark Vは約3600〜3800万画素、最高約8.0〜9.0コマ/秒程度が無難なところでしょう。
動画に関しては6K/30pや6K/60pの採用は有力ですが、8K/30pの搭載は処理の問題からも望み薄でしょう。
EOS 5Ds Mark Vの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2020年秋頃
- 有効画素数:3800万画素
- 連続撮影速度:最高約8.0コマ/秒
- オートフォーカス:240点(オールクロスタイプセンサー)
■EOS 6D Mark III(EOS 6D II後継機)について
EOS 6D Mark IIIの予想
EOS 6D Mark IIは2017年08月の発売で、前モデルとなるEOS 6D(2012年11月30日発売)から大幅なオートフォーカスの高性能化やバリアングル液晶モニターの採用などがトピックとなっています。
- EOS 6D:約2020万画素、AF11点、最高約4.5コマ/秒
- EOS 6D Mark II:約2620万画素、AF45点、最高約6.5コマ/秒
この流れを考えると、
EOS 6D Mark IIIのスペックは、約3040万画素、AF61点、最高約7.0コマ/秒あたりが妥当なところでしょう。また、小型軽量を維持したまま、SDダブルスロットの搭載が期待されます。
EOS 6D Mark IIIの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2022年春頃
- 有効画素数:3040万画素
- 連続撮影速度:最高約7.0コマ/秒
- オートフォーカス:61点(オールクロスタイプセンサー)
■EOS 7D Mark III(EOS 7D Mark II後継機)について
EOS 7D Mark IIIの予想
現行のEOS 7D Mark IIは2014年10月30日に発売されたモデルですから、
- EOS 7D:2009年10月02日
- EOS 7D Mark II:2014年10月30日
- EOS 7D Mark III:2019年10月頃
製品サイクルとしてはこのような感じになるわけですが、競合機であるニコンのD500が後発で非常に高いスペックを誇るため、製品サイクルは少し前倒しにされる可能性はあると考えられます。
またAPS-Cフラッグシップというカテゴリーがこれからも続くかどうかは難しい判断ですが、EOS 7D Mark IIは売れたため、今後も継続されることが期待されるところでしょう。
現行のEOS 7D Mark IIは非常に高い基本スペックを誇るため、それゆえに今後どのような進化をさせるは難しく、バリアングル液晶モニターは利便性が高い反面、フラッグシップ機には相応しくないという印象を持つユーザーも多く悩ましい部分です。
EOS 7D Mark IIは65点オールクロスタイプセンサーという当時のハイエンド機であるEOS-1D Xを超える驚きのオートフォーカスを搭載して登場しましたが、EOS 7D Mark IIIはEOS-1D X Mark IIIと同一ではないにせよ、ハイエンド機に先んじて次世代のオートフォーカスモジュールを搭載してくる可能性が考えられます。
また連写速度も約10コマ/秒から約12コマ/秒へと向上させてくるでしょう。
EOS 7D Mark IIIの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2019年10月頃
- 有効画素数:2240万画素
- 連続撮影速度:最高約12.0コマ/秒
- オートフォーカス:240点(オールクロスタイプセンサー)
■EOS 90D(EOS 80D後継機)について
EOS 90Dの予想
現行のEOS 80Dは2016/02/18に発売されており、前モデルであるEOS 70D(2013年08月29日発売)から2年6ヶ月後に発売されています。
そのためEOS 90Dは2018年秋〜2019年の始め頃までに発売される可能性が高いと考えられます。
スペックとしては、オートフォーカスを45点から61点へ、連続撮影速度を約8〜9コマ/秒程度にパワーアップされる可能性が高いでしょう。
EOS 90Dの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2018年秋〜2019年初冬
- 有効画素数:2840万画素
- 連続撮影速度:最高約8.0コマ/秒
- オートフォーカス:61点(オールクロスタイプセンサー)
■EOS 10000D(EOS 9000D後継機)について
EOS 10000Dの予想
EOS 9000Dの発売は2017年04月07日です。EOS 8000Dの発売が2015年04月17日ですから、EOS 9000Dの後継となる、EOS 10000D?は2019年04月頃の発売が有力でしょう。
EOS 9000Dは、有効画素数約2420万画素、45点(オールクロスタイプセンサー)、最高約6.0コマ/秒などの基本性能を持つモデルですが、EOS 10000Dでは、最高約7.0コマ/秒といった基本性能の向上も行われるでしょうが、操作性でEOS Kissシリーズと差別化を行っているシリーズがどのような進化を果たすかは悩ましいところでしょう。
EOS 10000Dの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2019年04月頃
- 有効画素数:2840万画素
- 連続撮影速度:最高約7.0コマ/秒
- オートフォーカス:61点(41点クロスタイプセンサー)
■EOS Kiss X10i(EOS Kiss X9i後継機)について
EOS Kiss X10iの予想
現行のEOS Kiss X9iの発売は2017年04月07日です。EOS Kiss X8iの発売日は2015年02月06日であるため、EOS Kiss X9iの後継機は2年後の2019年春頃の発売が有力です。
問題はEOS 9000DとEOS Kiss X9iの基本スペックは同じ、EOS Kiss X9iとEOS Kiss X9では基本スペックに差がありますが、EOS Kiss X9もバリアング液晶モニターを搭載してきたために、EOS Kiss X9iとの差はさらに縮まってきました。
昔キヤノンにはEOS Kiss Digital Xというモデルがありましたが、EOS Kiss Xというモデルはなかったため、EOS Kiss X9iの次がEOS Kiss X10iというのも型番として微妙であることを考えると、これを機に「EOS Kiss X」か「EOS Kiss Xi」として、今後はEOS Kiss Xi Mark II、Mark IIIといった形で型番を継続していく可能性もあるように思います。
EOS Kiss X10iの発売時期と予想スペック
- 発売時期:2019年春
- 有効画素数:2840万画素
- 連続撮影速度:最高約7.0コマ/秒
- オートフォーカス:61点(41点クロスタイプセンサー)
■EOS Kiss X10(EOS Kiss X9後継機)について
EOS Kiss X10の予想
EOS Kiss X9は2017年07月下旬の発売ですが、前モデルとなるEOS Kiss X7は2013年04月24日の発売ということで、EOS Kiss X10は2021年春頃の発売が予想されます。
EOS Kiss X9の後継機に関しても、EOS Kiss Digital Xという型番はありましたが、「EOS Kiss X」というモデルはなかったため、EOS Kiss X9後継機はEOS Kiss X10ではなく、「EOS Kiss X」へと一度型番をリセットし、その後はEOS Kiss X Mark II、Mark IIIといった形で型番を継続していく可能性もあるように思います。
EOS Kiss X10の発売時期と予想スペック
- 発売時期:2019年春
- 有効画素数:2840万画素
- 連続撮影速度:最高約7.0コマ/秒
- オートフォーカス:45点(オールクロスタイプセンサー)
■EFレンズについて
最近のEFレンズ
キヤノンEFマウントレンズに関して、2015年以降現在までに発売されたレンズは以下の通りです。
- EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM
- EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM
- EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
- EF24-105mm F4L IS II USM
- EF16-35mm F2.8L III USM
- EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM
- EF35mm F1.4L II USM
- EF50mm F1.8 STM
- EF11-24mm F4L USM
一時はもう発売しないのではないかとさえ言われていたEF-Sレンズも続々と投入し、リングライト付きマクロレンズなど、ユニークな機能を搭載したレンズも投入しています。
大口径超望遠レンズ群は2020年の東京オリンピックの前までにはリニューアルされるでしょうから、2018〜2020年春の間に登場してくる可能性が高いでしょう。
■キヤノンの2018年予想
キヤノンの今とこれから。
キヤノンは2017年には、
など既に多くのカメラが発表されています。
カメラ業界全体が不況と呼ばれる中にあって、ほぼ半年の間にレンズ交換式カメラを5機種も市場に投入してくる姿勢は驚くべきものがあります。
2018年は一体どんなカメラが発売されるのか?またフルサイズミラーレス機はいつ頃登場するのか?リーディングカンパニーたるキヤノンの次なる戦略に、多くのファンが注目していることでしょう。
Reported by 正隆