撮像素子ファンの皆さんこんにちは。
デジタルカメラの核心とも言えるイメージセンサーは、さまざまな進化を果たしてきました。現在でも多様なイメージセンサーがそれぞれのイメージセンサーの特徴を主張しながら市場に共存しています。
そこで今回は、このデジタルカメラの最重要部品とも言えるイメージセンサーにはどのようなものがあるのか?をご紹介したいと思います。
目次
- CCD
- かつての王者CCDイメージセンサー
- CCDはバケツリレーのように電荷を運ぶ
- 主役の座は譲っても未だ生き残るセンサー
- スーパーCCDハニカム
- 特殊な配列がスーパーCCDハニカムの特徴
- 人間の眼の特性を利用して2倍のデータを得る
- HR系とさらに進化したSR系
- 消えていったスーパーCCDハニカム
- CMOS
- 現代の主流、猫も杓子もCMOSイメージセンサー
- 安物扱いから主役に昇格
- グローバルシャッターなどさらなる進化に期待
- Live MOS
- パナソニックの革新、Live MOSイメージセンサー
- 裏面照射型CMOS
- ソニーの革命、裏面照射型CMOSイメージセンサー
- 高感度に劇的に強くなった裏面照射型CMOSイメージセンサー
- 今やフルサイズイメージセンサーにも採用
- 積層型CMOS
- 裏面照射型のさらに先へ。積層型CMOSイメージセンサー
- 高速化と高機能化を実現する積層型CMOSイメージセンサー
- 曲面(湾曲)CMOS
- レンズに合わせてセンサーを曲げる曲面イメージセンサー
- 曲面センサーの課題
- 曲面イメージセンサーの様々なメリット
- 有機薄膜CMOS
- 光電変換部と回路部を独立設計
- 入射光線範囲を60°に拡大、忠実な色再現性を可能に
- 従来比1.2倍の感度を達成、低ノイズを実現
- 1画素内に明暗2つの感度検出セルを備えることでダイナミックレンジを劇的に拡大
- Foveon X3
- 独特な三層型イメージセンサー、Foveon X3
- 圧倒的解像感と偽色の発生を防ぐフォビオン
- デュアルピクセルCMOS
- デュアルピクセルCMOS AFの原理
- 画質に影響を及ぼさない像面位相差システム
- 一眼レフありながら像面位相差AFを搭載し、快適なライブビュー撮影を実現
- デュアルピクセルCMOS AFはF8まで対応可能
- デュアルピクセルCMOS AFの画素数の考え方
■CCD
かつての王者CCDイメージセンサー
現在のデジタルカメラのイメージセンサーの主流がCMOSイメージセンサーであるのに対し、以前(2004年前半まで)のデジタルカメラの撮像素子の主流はCCDイメージセンサーでした。
CCDイメージセンサーは、現在主流の一般的なCMOSイメージセンサーと比較して、配線に面積を取られない分、受光面積を広くできたり、動きのある映像を撮影した際に起こるローリングシャッター歪みがないといったメリットがありましたが、CMOSイメージセンサーと比較して、コスト・消費電力・スミア(強い光源を撮影した際に画面上に光の筋が発生してしまう現象)の発生などの弱点もあります。
CCDはバケツリレーのように電荷を運ぶ
CCDイメージセンサーは、光を感知する受光部(センサー)と、垂直転送部(垂直レジスター)、水平転送部(水平レジスター)から構成されます。
CCDは各電極に加える電圧を適切に制御することにより、各素子の電荷が隣の素子にいっせいに転送され、これにより各素子が保持する電荷がバケツリレー式に順次外部に運び出されます。
主役の座は譲っても未だ生き残るセンサー
CCDイメージセンサーはCMOSイメージセンサーの台頭によって現在はスチールカメラの主役の座を追われましたが、それでもCCCDイメージセンサーは無くなったわけではなく、監視カメラなど多くの場所で今も使用されています。
■スーパーCCDハニカム
特殊な配列がスーパーCCDハニカムの特徴
スーパーCCDハニカムは富士フイルムが開発したCCDイメージセンサーで、製品としては2000年4月から登場しました。
スーパーCCDハニカムは通常4角形の画素を8角形にしているのが特徴で、さらにそれを45°傾けて配置することで集光面積を広げています。
これによってスーパーCCDハニカムセンサーは、例えば約200万画素のタイプであれば、通常のCCDと比較して約1.6倍に、約300万画素タイプ同士の比較であれば、約2.3倍もの大きな受光領域を確保しているとのこと。
人間の眼の特性を利用して2倍のデータを得る
またスーパーCCDハニカムは、画素補間計算を併用することで、一般的なCCDと比較して理論上2倍の画素データを得ることが出来るという特徴がありました。
人間の眼は水平方向、あるいは垂直方向の変化に対して敏感で、逆に斜め方向のズレには鈍感に出来ています。
このことから、水平・垂直方向に対して多くの情報があった方が、人間は詳細な画像として感じることが出来ます。
画素を垂直に配置している通常のCCDセンサーと比較して、45°傾けて配置しているスーパーCCDハニカムの方が、水平垂直方向の情報を得られるポイントの間隔が短くなります。
具体的には、水平・垂直方向の間隔は通常のCCDセンサーの配列と比較してスーパーCCDハニカムは約0.71倍に短くなります。
その結果、画素配列を45°傾けたスーパーCCDハニカムの方が、水平・垂直方向に対して多くの情報が得られるということになり、人間が写真画像を見たときによりそのディテールを詳細に感じることが出来るというわけです。
これがスーパーCCDハニカムが、一般的なCCDと比較して理論上2倍の画素データを得ることが出来るという根拠になっており、富士フイルムでは、スーパーCCDハニカムを搭載したカメラでは、実際の画素数の2倍の画素数に相当するという解釈がされていました。
例えば約200万画素のスーパーCCDハニカムセンサーを搭載したカメラでは、「約400万画素相当」といった表記がされていたことがあり、それに対して「水増し画素だ」といったような批判も当時ありました。
しかし、富士フイルム側としては、先ほどご紹介した理論に基づいて「約◯◯画素に相当」といったセールストークを展開していたものと考えられます。
HR系とさらに進化したSR系
またスーパーCCDハニカムには「HR系」と「SR系」と呼ばれる2つのタイプがありました。
スーパーCCDハニカム SRは、受光領域を2つに分け、そのうちの1つを通常の光に感光する高感度なS画素とし、もう1つを光量が多いときに感光するR画素として使うようにしました。
通常のシチュエーションでは、S画素を使って画像データを生成し、光量が多い場合は通常のS画素に、R画素で得られたデータ信号を加えて画像データを生成します。
こうすることによって、従来のHRタイプに比べて、SRタイプではダイナミックレンジを約4倍に広げることに成功しました。
消えていったスーパーCCDハニカム
一時は富士フイルムは積極的にこのスーパーCCDハニカムの開発に力を入れ、独占状態にあったフィルム時代の夢再びという構想を描いていたようですが、CMOSイメージセンサーの台頭とともにスーパーCCDハニカムも消えて行きました。
■CMOS
現代の主流、猫も杓子もCMOSイメージセンサー
CMOSイメージセンサーはCCDイメージセンサーに変わって、現在デジタルカメラの主流となっているイメージセンサーです。
CMOSイメージセンサーは、
- セルごとに増幅器を持つことで電気信号の読み出しによるノイズの発生を抑えることが出来る
- 高電圧アナログ回路を持つCCDと比較して製造コストが安い
- 原理的にスミアが発生しない
- 読み出し速度の高速化が可能
といった特性があり、現在のイメージセンサーの主流となっています。
現在のイメージセンサーは、ライブビューや動画撮影などが必要なこともあり、読み出し速度の速いCMOSイメージセンサーが主流となっています。
また、CMOSイメージセンサーの中には裏面照射型CMOSイメージセンサーや3層型のFoveon X3も含まれます。
安物扱いから主役に昇格
元々CMOSイメージセンサーはCCDイメージセンサーと比較してS/N比が劣っていたり、低コストであったため、CCDイメージセンサーよりも格下という評価もありましたが、現在ではCMOSイメージセンサーの大幅な性能向上によって、コスト面以外の利点からCMOSイメージセンサーがデジタルカメラの主流となっています。
グローバルシャッターなどさらなる進化に期待
現在隆盛を誇るCMOSイメージセンサーですが、CMOSイメージセンサーはCCDイメージセンサーでは発生しないローリングシャッター歪み(高速で動く被写体を撮影した際に発生する像の歪み)が発生します。
そこで読み出し速度の高速化や、グローバルシャッターの搭載などさらなる進化が期待されています。
■Live MOS
パナソニックの革新、Live MOSイメージセンサー
Live MOS(ライブモス)イメージセンサーは、パナソニックが開発したイメージセンサーでマイクロフォーサーズ機などで採用されています。
CCDイメージセンサーが、「制御配線」と「N配線」の2本の配線でがあるのに対し、CMOSイメージセンサーは「制御配線」「N配線」「P配線」という3本の配線があります。
そのため、CMOSイメージセンサーはCCDイメージセンサーよりも開口率が低くなるという欠点がありました。
そこでLive MOSイメージセンサーでは、CCDイメージセンサーのように2本の配線で信号の読み出しを可能にするための新回路技術を導入したことで、受光エリアを広げ高感度性能を向上させています。
Live MOSイメージセンサーは現在でも、パナソニックやオリンパスなどマイクロフォーサーズ機で使用されています。
■裏面照射型CMOS
ソニーの革命、裏面照射型CMOSイメージセンサー
従来のCMOSイメージセンサーでは、シリコン基盤上に作られたフォトダイオードの上に配線層があるために、入射光がフォトダイオードまで届かず無駄になる部分がありました。
裏面照射型CMOSイメージセンサーでは、通常のCMOSイメージセンサーをひっくり返したような構造を持ち、従来のイメージセンサーでは裏側になる面から受光するとういう方式を実現しています。
裏面照射型CMOSイメージセンサは、一旦通常のCMOSイメージセンサーのようにシリコン基板上に画素や回路などを形成し、その後裏側のシリコン基板を数μmまで薄くし反転させてフォトダイオードを表側にして光を取り込む構造です。
ただしこのままではペラペラで運搬できないため、元々基板があった側と反対の表面に新たに支持基板を重ねています。
この際、両者の熱膨張率が異なると剥がれやすくなってしまうため、支持基板には画素部分と同じシリコン基板を用いています。
高感度に劇的に強くなった裏面照射型CMOSイメージセンサー
裏面照射型CMOSイメージセンサーは、従来のCMOSイメージセンサーと比較して約2倍程度の劇的に向上した感度性能を実現しているのが特徴です。
今やフルサイズイメージセンサーにも採用
裏面照射型CMOSイメージセンサーの恩恵は画素ピッチが狭いセンサーの方が大きく、画素ピッチが広い大型イメージセンサーでは配線層が占める面積が少ないために恩恵が少ないと言われていました。
そのため裏面照射型CMOSイメージセンサーはコンパクトデジタルカメラなど、比較的小さいイメージセンサーを中心に普及していきました。
しかしイメージセンサーの高画素化によって、デジタル一眼などに搭載されている大型イメージセンサーでも画素ピッチが狭まっていったことで、大型イメージセンサーでも裏面照射型CMOSイメージセンサーを採用するメリットが増えてきました。
そのため現在では、APS-Cサイズやフルサイズのイメージセンサー、さらには中判イメージセンサーを搭載するカメラにおいても、裏面照射型CMOSイメージセンサーが採用されるケースが増えています。
■積層型CMOS
裏面照射型のさらに先へ。積層型CMOSイメージセンサー
従来のCMOSイメージセンサーでは、同チップ上に画素部と回路部を搭載していました。
そこでソニーが従来のイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路のチップの用い、その上に裏面照射型の画素部分を重ね合せるという積層構造で新たに開発したのが「積層型CMOSイメージセンサー」です。
高速化と高機能化を実現する積層型CMOSイメージセンサー
積層型CMOSイメージセンサーは、画素部分と回路部分が独立したチップとして掲載されているので、画素部分は受光エリアを拡大できることから、さらなる高画素化が可能で、あた回路部分は大型の回路を搭載できるために高速化・高機能化・低消費電力化が可能になりました。
積層型CMOSイメージセンサーは、裏面照射型CMOSイメージセンサーをさらに進化させたものというわけです。
■曲面(湾曲)CMOS
レンズに合わせてセンサーを曲げる曲面イメージセンサー
「曲面CMOSイメージセンサー」はソニーが開発した湾曲した形状の撮像素子で、この曲面センサーは、生物の目の構造と同じ原理を利用しています。
通常写真用レンズは、レンズで屈折させた光を平面の撮像面に結像するように設計されています。しかしレンズの収差が発生するために、単純に一度の屈折で結像を行おうとすると上手くいかず十分な画質が得られません。
そこで多くの写真用レンズでは、複数枚のレンズを使用することで光を緩やかに屈折させ、様々な収差を補正するように組み合わせながら最終的に平面の撮像素子上に像を適切に結ぶように設計しています。
しかし、生物の目のように一枚の水晶体で高い見え味を実現しなければいけない場合や、「写ルンです」のような安価なレンズ付きフィルムと呼ばれるタイプのカメラでは、レンズに高いコストをかけられません。
そのため生物であれば1枚の水晶体、レンズ付きフィルムであれば(多くのモデルが)、1枚のプラスチックレンズでそれなりの画質を実現する必要があります。
そこで像面湾曲をレンズの組み合わせで押さえ込むのではなく、レンズや水晶体の像面湾曲を打ち消すように、生物の目では眼球の底の網膜を、レンズ付きフィルムではフィルムを、像面湾曲を打ち消すように湾曲させることで収差の発生を低減しています。
曲面センサーの課題
この方法は実に素晴らしいアイデアなのですが、2つの大きな問題を抱えています。それが、
- 各レンズの収差が異なるレンズ交換式では採用しにくい
- デジタルの撮像素子はフィルムほど簡単に曲げられない
という2点です。
そのために、デジタルのイメージセンサーで曲面センサーを実現するには、レンズ固定式カメラであること(もしくは過去のレンズ資産がなく新設計のレンズ群で収差を一定に出来ること)、さらにイメージセンサーを適切に曲面形状に曲げることが出来るという2つの条件があります。
ソニーはこの曲面センサーを実現するために、「ベンディング・マシン」と呼ばれる製造装置を新設計し、湾曲した状態で製造するのではなく、一度作った平面のイメージセンサーを後から湾曲させて曲面CMOSイメージセンサーに仕上げることで曲面CMOSイメージセンサーを実現しました。
曲面イメージセンサーの様々なメリット
この曲面イメージセンサーはデジタルカメラの問題点である周辺部の入射光の問題にも効果的に働くため、周辺光量落ちや周辺部の色かぶりなどを低減し、像面湾曲以外の画質面でも平面のイメージセンサーと比較して有利になります。
また収差が低減され周辺光量が上がるために、レンズの小型・軽量化・低コスト化を実現できます。
像面湾曲収差は口径の大きい明るいレンズほど顕著になる傾向にあることから、逆に言えばこの曲面センサーを採用することで、従来は像面湾曲収差が増大しすぎるために採用が難しかった、より大口径のレンズを製品化することが出来る可能性も出てきました。
さらにソニーによると、シリコンを曲面に曲げることで電気特性が変化し、暗電流を従来比で1/5程度まで減少させることができ、低ノイズ化にも効果があるとのこと。
すでにソニーはこの曲面センサーの試作品を、フルサイズまで開発済みと発表しています。
■有機薄膜CMOS
光電変換部と回路部を独立設計
「有機薄膜CMOSイメージセンサー」はパナソニックが中心となって開発している新世代のイメージセンサーで、従来のイメージセンサーが、
- フォトダイオード
- 金属配線層
- カラーフィルター
- オンチップマイクロレンズ
などで構成され、光の電荷への変換はシリコンフォトダイオードで行っていました。
それに対して有機CMOSイメージセンサーは、光を電気信号に変換する機能をシリコンフォトダイオードに変えて有機薄膜で行い、電荷を蓄積して電気信号の読み出しを行う機能を仮想の回路部で独立して行っています。
入射光線範囲を60°に拡大、忠実な色再現性を可能に
有機薄膜CMOSイメージセンサーは、シリコンフォトダイオードに代えて有機薄膜を採用することで、シリコンフォトダイオードの数分の1となる0.5μmまで薄膜化を実現しています。
シリコンフォトダイオードでは2~3μm程度の深さが必要なため、光線入射角が30~40°に制限されていましたが、有機CMOSイメージセンサーでは、薄膜化により60°の広い入射光線範囲を実現できます。
このことにより斜めから入射する光を効率よく利用することができ、混色のない忠実な色再現性を可能にします。
また光線入射角の制限が広がることで、レンズの設計自由度が増すことで、レンズの高性能化・小型化につながります。
従来比1.2倍の感度を達成、低ノイズを実現
従来のイメージセンサーでは、各画素にシリコンフォトダイオード以外の部分に光が入射するのを防止する遮光膜を形成する必要があり、そのせいで受光部分の面積が制限されていました。
しかし有機CMOSイメージセンサーでは全面に有機薄膜を形成することが可能なため、センサ面上で受ける光を全て有機薄膜で受光することができます。
これにより従来比1.2倍の感度を実現、暗いところでもクリアな映像を得ることができます。
また従来のイメージセンサーでは、各ピクセルにセルフォンフォトダイオードとトランジスターと容量などの回路を共に配置する必要があったため回路の面積が制限されていましたが、有機薄膜CMOSイメージセンサーでは、シリコンフォトダイオードを形成する必要がありません。
これにより、シリコン基板上に高機能な回路を搭載することが可能になります。このあたりは積み重ねタイプのCMOSイメージセンサーと似た発想のようにも見えます。
さてこれまでここまでシリコンフォトダイオードを蓄積していた信号電荷を、有機薄膜CMOSイメージセンサでは、光を電気信号に変換する部分とは別に信号電荷を蓄積するための大きな容量を設定することで、値を従来のイメージ・センサーよりも飛躍的に増やせています。
要するに有機薄膜CMOSイメージセンサーは白飛びにも強いというようにです。
1画素内に明暗2つの感性検査セルを備えることでダイナミックレンジを劇的に拡大
有機TFT CMOSイメージセンサは、光を電気信号に変換する有機薄膜と信号電荷を満たす容量部を完全に独立設計可能であるため、1画素内に、感度の異なるもの2つの画素と2つの容量、さらに2種類のノイズキャンセル構造のセルを設定しています。
有機薄膜トランジスタのセルの構成例
- セル1:高感度セル高感度画素電極+小容量+容量結合型ノイズハンドル構造
- セル2:高飽和セル低感度ピクセル電極+大容量容量+従来型ノイズキャンパス構造
このような性質の異なるピクセルを1つの画素内に両立させることができるため、これを利用して一度の撮影でHDR撮影のようなことを行う、従来のイメージセンサー比でなんと約3100倍のダイナミックレンジ、123dBを実現しています。
さらに、「1ピクセル2セル構成技術」の高飽和セルでは、低感度の状態で読み出す時間以外、常に信号電荷の蓄積を実施しています。
そのために有機CMOS CMOSイメージセンサーでは、信号の撮像像欠けによるフリッカー現象は発生しません。
昨日はフリッカーレス機能を搭載するカメラが増えていますが、そうした機能が光源の明滅のタイミングを避けて撮影するのに、有機薄膜CMOSイメージセンサーでは、そのもそもイメージセンサーそのものがフリッカーの影響を受けないようになっているとわかです。
夢のようなイメージセンサーであるある有機薄膜CMOSイメージセンサーですが、残念ながまだ現実の製品化は行なわれており、研究・開発段階です。
その間にもソニーが積み重ね型CMOSイメージセンサーなどの新技術を次々と製品化しているため、パナソニックにも是非頑張って欲しいとこです。
■Foveon X3
独特な三層型イメージセンター、Foveon X3
シグマと言えばFoveon X3です。
一般的なベイヤーセンサーがR(赤)・G(緑)・B(青)のカラーフィルターを平面上に配置しているのに対して、Foveon X3で光がシルクを透過する特性が異なることを利用して、素の垂直方向に3層のR・G・Bセンサーを配置しているのが特徴です。
上の同一位置で異なる色情報を分離できる構造で、波長の短い青は上層で止まって、次の波長の長緑は中間層で、もう少し赤の最下層まで到達します。
- 第1層:R(赤)とG(緑)とB(青)に反応
- 第2層:R(赤)とG(緑)に反応
- 第3層:R(赤)に反応
画像処理エンジンでは、最下層で取り込んだR(赤)の値を中層で取り込んだR(赤)・G(緑)の値から引きながらG(緑)の値を求め、最上層の値からR (赤)とG(緑)の値を引いてB(緑)の値を求めます。
圧倒的な感情と偽色の発生を防止するフォボオン
一般的なベイヤータイプのイメージセンサーでは、カラーフィルターを使用して、原色の内の1色のみをピクルスで取り込んだ後、演算により他の色の値を求めて採用しています。
これに対してFoveon X3は、三原色をそのまま取り込んだ画像を生成することができ、「カラーフィルターで光情報を消耗しない」「フィルターアレーの干渉によって偽色が発生しない」というメリットを持っています。
しかし、Foveon X3は赤色の受理層が最も深刻な部分にあるので、やシャーシはが損なわれるというような弱点もあります。
一般的なCMOSイメージセンサーと比較して、Foveon X3は非常に高感度を得ることができる特徴があり、「刺される人には刺さる」というように、これ以外のイメージセンサーは許容できないというような熱狂的なファンがいる点も、実にグラム感のあるイメージセンサーとなっています。
■デュアルピクセルCMOS AF
デュアルピクセルCMOS AFの原理
デュアルピクセルCMOS AFはキヤノン独自の撮影像面位相差AFシステムで、1つのピクセルを2つのフォトダイードに分割して位置差をAFセンサーとして利用することで、ピクセル欠けを起こすことなくAFフェイスシームです。
ちなみに、デュアルピクセルCMOS AFの「デュアル」という名前は、1つの画素に2つのフォトダイードがあるからではない、「1つのピクセルで撮影像と測距となる2つの役割りを果す」ここから、「デュアルピクセル」という名前になったとのことです。
1つのピクセルを2つのフォトダイードで構成して測距すると言っても、実際には1つのピクセルだけで測距することではない、このデュアルピクセルが幾つも並んでいることで、一眼レフに搭載されている位相差AFのラインセンサーのような状態をイメージセンサー上で現実しているようにわけます。
ピントが合っていない状態ではフォトディードAの「A像」とフォトディードBの「B像」はボケてあります。
ズレ量がわかったばかりのレンズをどうにか動かせば良いのかがわかるので、それによってそれがレンズを動かして合焦させます。
画質に影響を及ぼさない像面位相差システム
一般的な像面位相差AFシステムの場合、本来の撮影像のの画素の代わりにAFセンサーを配置しています。その部分は画素欠けているわけで、周縁のピクセルから補完する必要があります。
デュアルピクセルCMOS AFでは、一部のピクセルを測距用のAFセンサーに入れ替えるのはなく、撮像画像用のピクセルを利用しているため、ピクセル欠けがなくても撮影像に対応する画質的影響がありません。
1つのピクセルを2つに分割するのであれば、2つのフォトダイード間には電荷を分けるための隔壁やスリット(隙間)を設置する必要がありますが、デュールピクセルCMOS AFではそうした隔壁やスリットはは必要ありません。
こうした隔壁やスリットを設定すると、その部分は受理できない不感帯となるため受光ロスが発生しますが、デュアルピクルスCMOS AFはこのフォトダイードの接合部分に当たったわずらな光も、左右どんなのフォトダイードに入れるようになっており、光量ロスが発しなかった構造になっています。
キヤノンとしては「デュアルピクセルCMOS AFの画質への影響は全然ありません」として、当然全くないかどうかはともかく、一般的な像面位相差AFシステムと比較デュアルピクセルCMOSの画質への影響は無視して良いレベルになるようです。
一眼レフありそうな顔面位相差AFを搭載し、快適なライフビュー撮影を実現
デュアルピクセルCMOS AFは、キヤノンの一眼レフカメラやミラレスカメラでも広く採用されており、結果的にデュアルピクセルCMOSを搭載した一眼レフカメラは、従来の一眼レフと同様の姿勢差AFモジュールと画像面位相差AFの両方を採用しているようなことがあります。
その結果、光学ファインダ使用時とライフビュー撮影・動画撮影時の両方で位相差AFにより高速なオートフォースを実現していると点が特徴となっています。
ただ、動画撮影中のデュアルピクセルCMOS AFは意図的にゆっくりと合焦するように設定されています。
これは静止画撮影のオートアルバム動作は簡単に速ければ速いほど良いですが、動画撮影では合うまでの映像も記録されるために、スムーズ合唱動作が映像として重要になるからです。
そのため動画撮影中は単色にオートフォロー速度だけでは、合焦のためにピントが行った来来)が起ころうとしないレンズ駆動のやり方自体を静止画撮影時と変えています。
これによりデュアルピクスCMOS AFでは、簡単に「ピントを合わせる」としかいけない、人間がピントリングを操作するような滑らささで、最後にフォスカスハントのない品位のある合焦を実現しているのこと。
デュアルピクセルCMOS AFはF8まで対応可能
通常の位置相差AFセンサーには、F2.8やF5.6の光速に対応したものが主流ですが、F2.8対応のセンサーはF5.6対応のセンサーと比較して基線長が長く測定距離精度に優れると特徴があります。
対抗、F5.6のレンズを使用する場合は基線長の短いF5.6対応のセンサーで捉えることになります。
つまり一般的なもの相反オートフォーカスモジュールでは、レンズの開放値によって、オートフォーカスモジュールの中で「使えるラインセンサー」と「使えないラインセンサー」が出てくることになります。
それに対してデュアルピクチャーCMOS AFは、開放値が変わっても光束の太さに応える基線長を変えることができるため、F2.8用のセンサー、F5.6用のセンサーと分けるのではなく、同じデュアルピクセルCMOSセンサーの使い分けを変えるだけで対応することが可能です。
そのためデュアルディスクCMOS AFは、オープンF値がF8のレンズでも多くのAFエリアでオートフォースが可能になっています。
デュアルピクセルCMOS AFの画素数の考え方
デュアルピクセルCMOS AFは、撮影画像を出力するときはA像とB像と2つのフォトダイオードの信号を1つに出力して、それによって撮影面では2つのフォトダイードが従来の1画素同働きになるようです。
フォトダイオードそのものは1画素に対して2つあるわけですから、単純に2倍の画素数になるそうですが、デュアルピクセルCMOS AFは1つのオンチップマイクロクロスの下に2つのフォトダイードがあります。
また、2つのフォトダイオードの信号を1つに出力しているため、記録するピクセルサイズとはやはり1画素分とすることで、キヤノンとはユーザが勘違いしないように記録画素数を優先して1ピクセルとしていることです。