代表的なフォーカシングスクリーンの種類と機能の違い

フォーカシングスクリーンEe-S

皆さんフォーカシングスクリーン使ってますか?

今回は一眼レフカメラに使われているフォーカシングスクリーンのうち、「マット式スクリーン」「方眼マット式スクリーン」「スプリット式スクリーン」など、代表的なフォーカシングスクリーンの種類とその違いをご紹介させていただきます。

■フォーカシングスクリーンとは?


フォーカシングスクリーンとは?

そもそもフォーカシングスクリーンとはどのようなものでしょうか?

フォーカシングスクリーンは、一眼レフのファインダーなどに使われている「焦点板」のことを言います。

もしもこのフォーカシングスクリーンが無いと、レンズを通してきた映像はそのままクイックリターンミラーからプリズムを通ってくるため、ファインダーから見える像は、レンズのイメージサークルと同じように円形になります。

またフォーカシングスクリーンがないと、単に鏡を覗いているのと同じ状態ですから、どこにでも人間の目がピントを合わせてしまうため、そもそもピントがあっているかどうかの判別が出来なくなります。

そのため、フォーカシングスクリーンがないとファインダーはその機能を正常に果たせなくなってしまうというわけです。

■フォーカシングスクリーンの違い


現在でも、一部の一眼レフではフォーカシングスクリーンを交換することが可能ですが、近年ではデフォルトのマット式スクリーンから(正式には)交換できないケースが増えています。

AFフィルムカメラや、機械式フィルムカメラなどでは、フォーカシングスクリーンを交換できることが多く、フォーカシングスクリーンを交換することで、「水平・垂直出し」や「マニュアルフォーカスによるピント合わせ」など、撮影者が苦手な部分をフォーカシングスクリーンによってフォローできる場合があります。

もしもカメラ側がフォーカシングスクリーンの交換に対応しており、交換することで改善が見込める場合には、フォーカシングスクリーンの交換を検討してみるのも良いでしょう。

マット式スクリーン

マット式スクリーンは現在のAF一眼レフのほとんどの機種でデフォルトで搭載されているフォーカシングスクリーンで、一般的には画面全体が均一なマット面によって形成されています。

フォーカシングスクリーンEe-S

ファインダー像を見る際に邪魔になるものがないため被写体が見やすいのがマット式スクリーンの特徴ですが、他のフォーカシングスクリーンのように、「マニュアルフォーカス時のピント合わせのし易さや」「水平・垂直出しが行いやすい」といった特徴的な機能性はありません。

特段の機能はないものの、被写体が見やすいマット式スクリーンは、水準器やオートフォーカスといった補助機能が搭載されている現代的な一眼レフとの相性が特に良いスクリーンと言えるのかもしれません。

方眼マット式スクリーン

方眼マット式スクリーンはスクリーン上に方眼紙のような格子模様が入っているフォーカシングスクリーンで、その格子模様を利用して、水平・垂直出しが行いやすい特徴です。

フォーカシングスクリーンEe-D

ただし画面全体に格子模様が入っているため、被写体に集中したいような撮影や、厳密な水平・垂直出しが重要でない撮影では、格子模様が返って煩わしく感じられる場合もあるでしょう。

方眼マット式スクリーンは、風景や建築写真など、厳密な水平・垂直出しが重要になる撮影などに向いていますが、方眼状の線に風景や建築物の線状部分合わせたからといって、必ずしも画面の正しい水平や垂直が出るとは限らないため、その点には注意が必要です。

スプリット式スクリーン

スプリット式スクリーンは、「スプリットイメージ式スクリーン」とも呼ばれ、スクリーンの中央部に円形になるように2つのプリズムが反対方向にセットされているフォーカシングスクリーンです。

フォーカシングスクリーン Ec-B

ピントがズレている場合、この中央部のプリズムの境界線で像がズレて見えます。

そのためマット式スクリーンと比較して、マニュアルフォーカスでのピント合わせが容易で、機械式フィルムカメラなどでは良く採用されていたフォーカシングスクリーンです。

スプリット式スクリーンは、精度の高いマニュアルフォーカスが容易である反面、ついつい画面中央部でピント合わせを行ってしまうため、初心者が使用すると日の丸構図になり易かったり、中央のスプリットイメージに集中してしまい、肝心の被写体の状態の確認がおろそかになってしまう場合があるため注意が必要です。

スプリット式スクリーンは、機械式フィルムカメラなどで初めてマニュアルフォーカスにチャレンジするというような場合にはピンずれの失敗を防ぎやすいというメリットがあります。

画像:Amazon

Reported by 正隆