一眼レフ・ミラーレス・コンデジの世界シェアトップ5が発表

レンズ交換式カメラシェア

カメラシェアファンの皆さんこんにちは。

以前日経がカメラなどの世界シェアを発表し、その際は3位まででしたが、先日5位までを見ることが出来るようになりましたので、

  • デジタルカメラ
  • レンズ交換式カメラ
  • COMSイメージセンサー
  • インクジェットプリンター

今回は上記のカメラ関連製品の世界シェアトップ5を改めてご紹介したいと思います。

■レンズ交換式カメラ


レンズ交換式カメラシェア

レンズ交換式カメラ(一眼レフ・ミラーレス)の世界シェア

販売台数:1,120万台(-9.9)

順位 メーカー 世界シェア 変動
1位 キヤノン 49.1% +3.9%
2位 ニコン 24.9% -0.6%
3位 ソニー 13.3% +2.9%
4位 富士フイルム 4.4% -0.6%
5位 オリンパス 4.1% +0.5%
その他 その他 4.2% -6.1%

圧倒的な強さを見せるキヤノンがシェアを拡大

レンズ交換式カメラ(一眼レフ・ミラーレス)の世界シェアは、やはりと言うべきか、キヤノンが49.1%(+3.9%)と世界シェアの半分に迫る圧倒的な数値を見せつけました。

これは、

  • シェア2位のニコンに対して、約2.0倍のシェア
  • シェア3位のソニーに対して、約3.7倍のシェア

となっており、しかも最もシェアを伸ばしているメーカーもキヤノンであると言うのは驚くべき強さというより他はなく、キヤノンは雪だるま式にそのシェアを拡大させていることが分かります。

ニコンは現状を維持しつつフルサイズミラーレスに期待

2位のニコンは-0.6%とほぼ横ばいとなっています。

しかしそのシェアは24.9%と、世界シェアの約1/4を維持、3位のソニーに対して2倍近いシェアでカメラ業界二番手の地位を堅守しています。

ニコンは現在ミラーレスのシェアが殆ど無いと予測されるため、レフ機のみでこの数字は「流石はニコン」と言えるものでしょう。

また発表が噂されるフルサイズミラーレスは、ニコンの今後を占う上で重要なものとなりそうです。

コツコツとシェアを伸ばし3位メーカーのポジションを確定したソニー

先進的なスペックでカメラ業界を湧かせているソニーもシェア13.3%(+2.9%)と着実にシェアを伸ばしており、カメラ業界第三勢力の地位を確立したと言えるでしょう。

高級ミラーレス市場を狙う富士フイルムは浮上できるのか?

富士フイルムはシェア4.4%、2016年と比較すると-0.6%と微減で大きな変化はありませんでした。

富士フイルムは以前、「高級ミラーレス市場でトップシェアを狙う」と宣言していましたが、現状はソニーに高級ミラーレス市場でのシェア拡大を押さえ込まれる形となっています。

加えて遠からずニコン、いずれはキヤノンもフルサイズミラーレス市場に参入してくることを考えると、富士フイルムを取り巻く環境は厳しさを増していくようにも思われます。

オリンパスは世界市場ではシェア5位

国内のミラーレス市場では高いシェアを誇るオリンパスですが、レンズ交換式カメラ全体の世界シェアは4.1%とそれほど高くありません。

しかし+0.5%と僅かですがシェアを伸ばしており、富士フイルムとの差を僅か0.3%まで縮めていますから、オリンパスとしてはまずは富士フイルムを抜きたいといったところでしょう。

強過ぎるトップ3と苦しいその他のメーカーたち

上位3社を総合すると、87.3%(+6.2%)とシェアを拡大しており、レンズ交換式カメラのシェアが集約しつつあることが見て取れます。

特に「その他メーカー」のシェアが4.2%で前年比-6.1%ということは、ここに含まれるパナソニックとリコーなどは相当苦戦しているはずですから、パナソニックとリコーの復活にも期待したいところです。

■デジタルカメラ


デジタルカメラシェア

デジタルカメラの世界シェア

販売台数:2,200万台(-21.4)

順位 メーカー 世界シェア 変動
1位 キヤノン 43.4% +8.8%
2位 ニコン 25.7% +3.2%
3位 ソニー 20.0% +5.0%
4位 富士フイルム 4.4% +0.8%
5位 サムスン電子 4.0% -0.5%
その他 その他 2.5% -17.3%

※CIPAの2017年のデジタルカメラ統計データによると、販売台数ではなく出荷台数のデータではあるものの、

  • レンズ一体型カメラ出荷台数:1,330万台
  • レンズ交換式カメラ出荷台数:1,168万台

となっており、この日経データの2,200万台という数字はコンパクトデジタルカメラ限定と考えると多過ぎるため、レンズ交換式カメラも含めた「デジタルカメラ全体の販売シェア」のことである可能性もありそうです。

ここでも最もシェアを伸ばしているのはキヤノン

首位のキヤノンはシェア43.4%(+8.8%)とここでも圧倒的な強さを見せており、これだけ高いシェアを誇りながら更に大幅増とは、何とも形容しがたい凄みを感じさせます。

シェアがこのまま偏り続けることはカメラ業界の活性化という面ではプラスとは言えませんから、競合メーカーの奮起を期待したいところです。

なんだかんだでニコンも手堅くシェアを拡大

2位のニコンは25.7%(+3.2)と堅実な伸びを見せ、レンズ交換式カメラに続いて、ここでも世界シェア2位の座を維持しています。

D850が発表されるあたりまで、ニコンはDLシリーズの発売中止など数年間の低迷期間もありましたが、今や完全に勢いを取り戻したと言えるでしょう。

ソニーは高付加価値製品を主力としながらシェアを伸ばす

3位はこちらもレンズ交換式カメラ同様ソニーで、ソニーはレンズ交換式カメラよりもむしろこちらのスコアの方がシェア(20.0%)でも伸び率(+5.0%)でも優っています。

ソニーの場合コンパクトカメラと言ってもプレミアムコンパクトが主体であることを考えると、非常に優秀な成績と言えるでしょう。

富士フイルムはデジタルカメラでも4位で微増

富士フイルムはデジタルカメラのカテゴリーでも、4.4%とレンズ交換式カメラと同じシェアとなっています。

また-0.6%と微減したレンズ交換式カメラに対して、こちらは+0.8%とシェアを微増させています。

意外にもそれなりにシェアがあるサムスン電子

5位は意外と言っては失礼かもしれませんが、サムスン電子でした。

シェア自体は4.0%で昨年比-0.5%と微減させていますが、2015年に既にサムスンのデジタルカメラ事業の大幅縮小が報じらていたことを考えると、驚きの数字です。

国内では撮影地・販売店のいずれでもサムスンのカメラを見かけることは殆ど無いため、それだけ日本はカメラに関して国内メーカーへの信仰心のようなものが強いのかも知れません。

デジタルカメラ業界はもはやトップ3メーカーによる寡占状態か

上位5社の合計は97.5%(+17.3%)となっており、その他のメーカーのシェアは僅かに2.5%で、さらに昨年比-17.3%と大幅にシェアを減らしています。

言い換えればその他の僅か2.5%のシェアの中に、オリンパス・パナソニック・リコーなどが犇いているということになります。

コンパクトデジタルカメラは斜陽であるということで、多くのメーカーは切り捨てる方向で大幅に規模を削減してきましたが、コンパクトデジタルカメラをも見捨てなかった上位3社がその利益を独占しているというのは、ある意味で人生訓のようなものさえ感じさせます。

■CMOSセンサー


CMOSイメージセンサーシェア

CMOSセンサーの世界シェア

販売額:114億7,900万ドル(+23.6)

順位 メーカー 世界シェア 変動
1位  ソニー 52.2% +6.0%
2位 サムスン電子 19.1% -2.8%
3位 オムニビジョン・テクノロジーズ 11.4% -1.1%
4位 オン・セミコンダクター 5.7% -1.0%
5位 SKハイニックス 2.8% +0.3%
その他 その他 8.8% -1.4%

CMOSセンサーの巨人ソニー

CMOSセンサーに関しては、噂通りソニーが圧倒的な強さを見せつけており、イメージセンサー界のガリバーと言える強さを見せつけています。

しかもソニーは52.2%と過半数のシェアを持ちながら、+6.0と大幅にシェアを拡大しています。

進化を続けるソニーにライバルは現れるのか?

現状「CMOSセンサーにおけるソニーのライバルメーカーは無い」と言っても過言では無い状況ですが、カメラと比較してシェアが移ろい易いイメージのある半導体業界ですから、今後どうなっていくのかまでは分かりません。

■インクジェットプリンター


インクジェットプリンターシェア

インクジェットプリンターの世界シェア

出荷台数:6,077万台(+3.2)

順位 メーカー 世界シェア 変動
1位 HP 41.0% -0.1%
2位 キヤノン 27.6% -0.4%
3位 セイコーエプソン 26.6% +0.9%
4位 ブラザー工業 4.2% -0.5%
5位 サムスン電子 0.4% +0.2%
その他 その他 0.2% -0.1%

相変わらず強いHP、されどキヤノン・エプソンも堅調を維持

インクジェットプリンターの世界シェア首位はHPとなっており、41.0%と他社を圧倒するシェアとなっています。

ただ少なくとも国内ではHPは書類印刷用というイメージが強く、写真用プリンターというイメージは少ないように思います。

2位はキヤノン、3位はセイコーエプソンとなっており、この二社は長い間接戦を繰り広げています。

寡占状況が続くインクジェットプリンター業界

またシェアの変化も3社とも大きくは変わっておらず、上位5社の合計は98.8%と、インクジェットプリンター業界が長い間寡占状態にあることを示しています。

参考:日経新聞
画像:日経新聞

Reported by 正隆