今、本当に活躍しているポートレートフォトグラファーたち

Fujisan.co.jp(https://www.fujisan.co.jp/product/2305/new/)

皆さんこんにちは。

今現在、雑誌や写真集などのグラビアの撮影でリアルに活躍しているフォトグラファーは一体誰なのでしょう?

グラビアのある雑誌は限られているため、雑誌グラビアのフォトグラファーは狭き門となっています。

雑誌の場合「1ページ○万円」とか「1回の撮影につき○万円」というように雑誌ごとに撮影単価が決まっているため、同じ雑誌で同じ場所の同じページ数を担当すれば若手でもベテランでも基本的にギャラは同じです(出版社からすればフォトグラファーごとに交渉などしていられないので、ほとんどの雑誌のグラビア撮影はそういう慣例になっています)。

そのため様々な雑誌で活躍していて実績のあるフォトグラファーに依頼が集中するのが常で、仮に実力があっても実績のないフォトグラファーが雑誌の巻頭グラビアを任されることはありませんし、逆に有名でも向上心がなくなり撮影のほとんどの工程をアシスタント任せにするような、実力が伴わなくなった名ばかりの大御所フォトグラファーも自然淘汰される世界です。

つまり有名誌のグラビアページを任されるようになるには、実力と実績の両方が揃っていなければなりません。

そこで今回は、いまグラビア撮影で特に目覚ましい活躍をしているフォトグラファーが誰なのかを調べるために、一般週刊誌で最も発行部数の多い「FRIDAY」を参考に、過去約3年10ヶ月分のデータから巻頭グラビアを担当したフォトグラファーとタレントさんの登場回数を集計してみました。

目次
  • FRIDAYの表紙を飾ったフォトグラファーとタレントの登場回数
  • フォトグラファー撮影回数ランキング
  • フォトグラファー撮影回数ランキングの結果について
  • タレント登場回数ランキング
  • タレント登場回数ランキングの結果について

雑誌の傾向に合わせて登場するタレントの傾向は変わるものの、フォトグラファーに関しては基本的に他の雑誌でも同様の傾向であるため、漫画雑誌の巻頭グラビアから写真集まで、いま日本のあらゆる雑誌でグラビア撮影をしている有名フォトグラファーたちがズラッと名を連ねています

■FRIDAYの表紙を飾ったフォトグラファーとタレントの登場回数


FRIDAYと言えば発行部数20万部を超える一般週刊誌の中で最も発行部数が多い人気週刊誌で、毎週グラビアを数多く掲載していることでも有名です。

ちなみに巻頭グラビアがある一般週刊誌の発行部数は、

  • 1位:FRIDAY(約25万部)
  • 2位:FLASH(約18万部)
  • 3位:週刊プレイボーイ(約17万部)

などが上位となっています。

Fujisan.co.jpのFRIDAYのバックナンバーから、巻頭グラビアを担当したフォトグラファーが分かるのが2018年2/9号(発売日2018年01月26日)以降であるため、そこから最新号までの約3年10ヶ月分を集計してみました。

フォトグラファー撮影回数ランキング

順位 名前 Web Twitter Instagram YouTube 回数
01位 Takeo Dec. あり あり あり なし 20
02位 佐藤裕之 なし あり なし なし 16
03位 LUCKMAN あり あり あり なし 10
03位 熊谷貫 なし なし なし なし 10
03位 三宮幹史 あり なし あり なし 10
06位 三瓶康友 あり なし なし なし 9
07位 柴田フミコ あり なし あり なし 8
07位 曽根将樹 あり なし あり なし 8
07位 中村和孝 あり なし あり なし 8
07位 細居幸次郎 なし なし なし なし 8
11位 岡本武志 なし なし なし なし 7
11位 西田幸樹 なし なし なし なし 7
13位 西條彰仁 あり あり なし なし 6
14位 黒沼論 あり なし なし なし 5
15位 倉本GORI あり なし あり なし 4
15位 中山雅文 あり なし あり なし 4
17位 阿部ちづる あり なし なし なし 3
17位 菊池泰久 あり なし なし なし 3
17位 吉田崇 なし なし なし なし 3
20位 ND CHOW あり あり あり なし 2
20位 桑島智輝 あり あり あり なし 2
20位 佐賀章広 なし なし なし なし 2
20位 東京祐 あり あり あり なし 2
20位 舞山秀一 あり あり なし なし 2
20位 松田忠雄 あり あり あり なし 2
26位 Jimmy Ming Shum あり あり あり あり 1
26位 江口博彦 あり なし なし なし 1
26位 江森康之 あり なし なし なし 1
26位 遠藤優貴 あり なし あり なし 1
26位 熊木優 あり なし あり なし 1
26位 栗山秀作 あり なし あり なし 1
26位 佐藤佑一 なし あり あり なし 1
26位 篠山紀信 なし なし なし なし 1
26位 鈴木ゴータ あり なし あり なし 1
26位 田口まき なし あり あり なし 1
26位 富田恭透 なし なし あり なし 1
26位 豊田亮 なし なし あり なし 1
26位 中島功補 なし なし なし なし 1
26位 中村昇 なし なし なし なし 1
26位 野村恵子 あり あり あり なし 1
26位 𣘺本雅司 なし なし なし なし 1
26位 藤本和典 なし あり あり なし 1
所有者数 26名 14名 23名 1名
所有率 61.9% 33.3% 54.8% 2.4%

フォトグラファー撮影回数ランキングの結果について

フォトグラファーの登場回数の結果に関してはほぼ予想通りでした。

上位3人は、Takeo Dec.さん(20回)、佐藤裕之さん(15回)、LUCKMANさん(10回)、熊谷貫さん(10回)、三宮幹史さん(10回)となりましたが、26位までのいずれの方も頻繁に見かけるフォトグラファーばかりです。

グラビアを見るときに撮影したフォトグラファーを意識して見ている方は少数派だとは思いますが、グラビアを見る機会がある人なら、必ず上に出ているフォトグラファーの写真は知らず知らずのうちに見ていると言って良いでしょう。

またこの方たちは数え切れないほど沢山のタレント写真集も撮影されています。

例えば1位のTakeo Dec.(タケオディセンバー)さんであれば、最近では、

などの写真集を発表しており、いずれもよく売れていますし、グラビアをチェックしていると見かけない日はないというくらい様々な雑誌で大活躍されています。

ちなみに今回は週刊FRIDAYという一般誌で集計しましたが、これが漫画誌のグラビアページやアイドル誌なども含めれば、7位の細居幸次郎さんや6位の三瓶康友さんや11位の岡本武志さんもトップ争いに絡んできたでしょう(今回のランキングでも十分に上位なのですが)。

例えば細居幸次郎さんは、

など、多くの大ヒット写真集を撮られていることでも有名です。

女性フォトグラファーも複数ランクインされていて、中でも順位の上で突出しているのは7位の柴田フミコさんで、柴田フミコさんは実力・実績ともにこの業界で非常に高い評価を受けています。

またグラビアだけでなくファッション系も得意とされている方なので、ファッション誌などでも名前を見かけたことがあるかもしれません。柴田フミコさんのインスタグラムはこちら

また中村和孝さんや菊池泰久さんといったファッションフォトやコマーシャルフォトを主戦場としつつ、グラビアや写真集の撮影もできる(実際は「撮影できる」などというレベルではない凄い上手さです)というフォトグラファーの方もランクインしています。

お二人ともファッションやコマーシャルフォトのジャンルでも第一線で活躍されているのですが、写真集の売上げの高さも有名で、中村和孝さんであれば、

といった、非常に売れた写真集を発表していることで知られています。

また菊池泰久さんは昨年2020年の年間写真集売上3位となった与田祐希2nd写真集「無口な時間」を撮影したフォトグラファーです。

個人的には今回ランクインしているフォトグラファーの中でも菊池泰久さんや熊木優さんのグラビアが好きで、ファッションやビューティーも得意とされているお二人なので、グラビアも美しさとセクシーさがとても上手く調和していて素晴らしいといつも思います。女性の方が見ても美しいと思えるグラビアではないでしょうか。

それにしても錚々たるメンバーと言うか、日本のポートレートフォトグラファーのオールスターという感じのランキングになっているのではないでしょうか。

グラビアのフォトグラファーというのはフォトグラファーの中では比較的名前が世に出るジャンルではあるのですが(雑誌や写真集にクレジットが載るため)、それでも今回ご紹介したフォトグラファーの半分以上を知っているのはポートレートにかなり詳しい方だろうと思います。

リアルなプロフォトグラファーというのは黒子であるため、

  • カメラ系YouTuber
  • カメラ系セミナー&イベント講師
  • カメラ雑誌系写真家

といった人たちのほうが、カメラファンにとっての馴染みがあるかもしれません。

しかし写真業界での評価や収入となると話は別で、例えば先ほどご紹介した中村和孝さんや菊池泰久さんを例にあげると、中村和孝さんが撮影した写真集(のごく一部)である、以下の写真集2冊の発行部数はそれぞれ、

ですから、フォトグラファーの印税が10%とすると(※印税が必ず10%というわけではありません)、2冊合計で84万部売れているわけですから、

  • 1,980円×10%×840,000部=166,320,000円

つまり写真集2冊で中村和孝さんには、1億6,632万円の印税が入ってくるわけです。

また菊池泰久さんであれば、昨年2020年の年間写真集売上3位となった与田祐希2nd写真集「無口な時間」の発行部数は約21万部なので、印税収入は4,200万円となります。

印税は契約によりますが写真集の場合フォトグラファーには最低でも5%は入りますから、少なくともこの半額以上をお二人はたった1冊、2冊の写真集で稼いでいるわけです。

もちろんこのお二人は他にも写真集を何冊も撮影されていますし、グラビアフォトグラファーというよりは、メインはビューティーやコマーシャルフォトの方なので、皆さんが街で見かけるポスターや広告写真の中にもお二人が撮影されたものが沢山あります。

フォトグラファーというのは「一般の知名度=業界での評価」ではないわけです。

また今回のランキングに登場していないポートレートフォトグラファーでも活躍しているというかたも沢山います。

例えば「伊藤彰紀さん」と聞いてどんなフォトグラファーかパッとわかる人はカメラファンの中でもそこまで多くはないかもしれません。

しかし伊藤彰紀さんはポートレートフォトグラファーなら知らない人はいないというくらい有名なかたで、昨年2020年最も売れた写真集、田中みな実1st写真集「Sincerely yours…」を撮影されており、田中みな実さんの写真集がヒットしたことは広く知られていると思いますが、その発行部数は現時点で60万部を超えています。

また下世話な話をすると、

  • 1,980円×10%×600,000部=118,800,000円

つまり伊藤彰紀さんは(印税10%の契約であれば)田中みな実さんの写真集一冊で、1億1,188万円の印税収入を得ることになります。もちろん伊藤彰紀さんはそれに見合うだけの実力を持っている、一流のフォトグラファーです。

ちなみに伊藤彰紀さんのポートフォリオはこちらです。まさに壮観ですね

広い意味での人物撮影は、写真業界でも非常に幅広く規模が大きいジャンルなのですが、その中で有名誌のグラビア撮影を任されるのは本当にごく一握りのフォトグラファーです。

そのため今回名前が出ている方たちは、超活躍している日本を代表するポートレートフォトグラファーという言い方が正しいのかもしれません。

もしお手元にグラビアが掲載されている雑誌やタレントさんの写真集などがあれば、フォトグラファーの名前をチェックして頂ければ今回のランキングで名前があがった方たちが沢山出てくると思います。

というわけで今回は、FRIDAYを参考に現在リアルに活躍しているポートレートフォトグラファーランキングを作成してみました。

また今回折角フォトグラファーを集計したので、巻頭グラビアに登場したタレントさんの登場回数のランキングも見てみましょう。

タレント登場回数ランキング

順位 タレント 登場回数
01位 今田美桜 8
01位 奥山かずさ 8
01位 北向珠夕 8
04位 沢口愛華 6
04位 吉岡里帆 6
06位 藤田ニコル 5
06位 桃月なしこ 5
06位 柳ゆり菜 5
09位 浅川梨奈 4
09位 石田桃香 4
09位 大原優乃 4
09位 工藤美桜 4
09位 久松郁実 4
14位 小倉優香 3
14位 小芝風花 3
14位 齋藤飛鳥 3
14位 白石麻衣 3
14位 高橋朱里 3
14位 武田玲奈 3
14位 出口亜梨沙 3
14位 松本まりか 3
14位 古田愛理 3
14位 森日菜美 3
24位 飯豊まりえ 2
24位 今泉佑唯 2
24位 新條由芽 2
24位 鶴嶋乃愛 2
24位 トラウデン直美 2
24位 トリンドル玲奈 2
24位 永尾まりや 2
24位 橋本環奈 2
24位 街山みほ 2
24位 山本美月 2
24位 与田祐希 2
35位 秋元真夏 1
35位 朝比奈彩 1
35位 朝日奈央 1
35位 安倍乙 1
35位 生駒里奈 1
35位 泉里香 1
35位 犬童美乃梨 1
35位 井口綾子 1
35位 宇垣美里 1
35位 梅澤美波 1
35位 えなこ 1
35位 瑛茉ジャスミン 1
35位 遠藤さくら 1
35位 大島優子 1
35位 岡田結実 1
35位 小栗有以 1
35位 小野真弓 1
35位 筧美和子 1
35位 片山萌美 1
35位 加藤玲奈 1
35位 川栄李奈 1
35位 黒木麗奈 1
35位 桜庭ななみ 1
35位 佐野ひなこ 1
35位 紗綾 1
35位 澤北るな 1
35位 志田音々 1
35位 篠崎愛 1
35位 新川優愛 1
35位 鷲見玲奈 1
35位 壇蜜 1
35位 瀧野由美子 1
35位 田中美久 1
35位 玉城ティナ 1
35位 玉田志織 1
35位 土屋太鳳 1
35位 豊田ルナ 1
35位 西野七瀬 1
35位 生見愛瑠 1
35位 のん 1
35位 華村あすか 1
35位 日比美思 1
35位 平嶋夏海 1
35位 堀未央奈 1
35位 本郷柚巴 1
35位 真野恵里菜 1
35位 向井地美音 1
35位 森咲智美 1
35位 山下美月 1
35位 山田南実 1
35位 ゆきぽよ 1
35位 脇田穂乃香 1
35位 若月佑美 1
35位 わちみなみ 1

タレントランキングの結果について

この数年間で最もFRIDAYの表紙を飾ったのは、今田美桜さん、奥山かずささん、北向珠夕さんの3名でした。長く活躍しているまさに「グラビアのプロ」という感じの3人ですね。

タレントさんに関しては雑誌のコンセプトや事務所の戦略によって偏りがあるため、必ずしもFRIDAYの巻頭グラビアによく登場しているタレントさんが他の雑誌でもよく登場しているとは限りませんし、逆に他の雑誌のグラビアではよく見かけるがFRIDAYでは見かけないという人もいます。

これから今後もFRIDAYでの登場回数を伸ばしてきそうな人の一例で言えば、

  1. 沢口愛華さん(4位)
  2. 山下美月さん(35位)
  3. 吉岡里帆さん(4位)

などかと思います。

一人目の沢口愛華さんは「令話のグラビアクイーン」とも呼ばれており、漫画雑誌から一般週刊誌まで引っ張りだこで、今最も売れているグラビアアイドルであることは間違いありません。

童顔と抜群のスタイルに目を奪われがちな沢口さんですが、容姿だけでなく非常にポージングも上手いので、グラビアアイドルとして売れるのも、さもありなんと思います。

ポージングのバリエーションが多くほとんど指示なしでも次々とポーズを決めてくれる上、最近はアンニュイな表情なども上手くなり、とても18歳とは思えない技術力で、その上集客力もあるわけですから、仕事が絶えないのも当然と言えるでしょう。

しかもこれからさらに伸び代もまだまだあるわけですから、令和のグラビアクイーンの名は伊達ではありません。

二人目の山下美月さんは乃木坂46のメンバーで、現在飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の場を広げています。写真集の売り上げも非常に高く、昨年発売されたファースト写真集「忘れられない人」は18万部を超える大ヒットとなり、2020年に発売された写真集の中でも4位となっています。

女優業・バラエティ業など各方面で力を発揮し、まさにプロアイドルといった感じの山下美月さんですが、最近ではアイドル誌だけでなく一般誌での登場回数も増えていることからFRIDAYでの登場回数も今後さらに増えていくことでしょう。

FRIDAYというと「アイドルが巻頭グラビア」というイメージはあまりないかもしれませんが、実際には山下美月さん以外にも乃木坂46の現メンバー・元メンバーは頻繁にFRIDAYの巻頭グラビアに登場しており、

  • 白石麻衣さん
  • 西野七瀬さん
  • 秋元真夏さん
  • 齋藤飛鳥さん
  • 与田祐希さん
  • 梅澤美波さん
  • 生駒里奈さん
  • 若月佑美さん
  • 遠藤さくらさん

といった方もランクインしています。

三人目の吉岡里帆さんは現在女優業をメインとしていますが、タレントとして出始めの頃は水着グラビアでも活躍されていました。

女優として有名になった頃にインタビューで過去のグラビアタレント時代の仕事を振り返って「本当は水着の仕事なんてやりたくなかった、嫌だった」という趣旨の発言をしたために少し炎上したことがあります。

しかしその後「厳しく育てられたので軽々しく肌を露出することに抵抗があった。グラビアの仕事自体が嫌だったわけではない」というように発言を訂正しています。

そうしたこともあってか、最近出された吉岡さんの写真集では、水着のシーンを敢えてグラビアタレント時代に吉岡さんの撮影をよくしていた熊谷貫さん(フォトグラファー撮影回数ランキングにも登場した有名フォトグラファー)に再び撮影を依頼するといった配慮をしています。

また最近は雑誌のグラビアでは水着こそ着る機会はないものの、漫画誌から一般誌まで着衣のグラビアで以前よりも積極的に登場されています。

沢口愛華さん、山下美月さん、吉岡里帆さんに共通するのは3人ともプロ意識が非常に高く、常にコンディションを整えて撮影に臨んでいるという点かと思います。

超多忙にも関わらずベストコンディションをキープしていることには本当に驚かされるばかりです。

参考:Fujisan.co.jp

Reported by 正隆