ジャンル | トップメーカー | シェア | 昨年比 |
デジタル一眼レフカメラ | キヤノン | 58.9% | -2.2% |
ミラーレスカメラ | キヤノン | 30.1% | +8.8% |
コンパクトデジタルカメラ | ニコン | 31.0% | +5.5% |
交換レンズ | キヤノン | 20.7% | -1.2% |
ビデオカメラ | パナソニック | 44.1% | +2.1% |
アクションカム | GoPro Inc. | 72.9% | +5.7% |
三脚・一脚 | ヴァイテックイメージング | 17.3% | 前回不明 |
カメラバッグ | ハクバ写真産業 | 28.3% | +1.6% |
インクジェットプリンター | エプソン | 45.1% | +2.6% |
カメラシェアファンの皆さんこんにちは。
毎年恒例のBCNランキングですが、2018年上半期のシェア1位が発表されました。
BCNランキングは全ての販売店を網羅しているわけではないものの、調査対象が多く基本的には国内シェアの動向を十分に推察できるものと言えるでしょう。
【目次】
- デジタル一眼レフ部門
- キヤノン僅かに後退、それでも圧巻のシェア
- ミラーレス部門
- 遂にミラーレスもキヤノンがシェアトップに
- コンパクトデジタルカメラ部門
- ニコンが大幅シェアアップでトップに立つ
- 交換レンズ部門
- サードパーティーがシェアを伸ばす交換レンズ業界
- ビデオカメラ部門
- パナソニックがリードを拡大
- アクションカム部門
- アクションカム市場はGoPro Inc.が独走
- 三脚・一脚部門
- ヴァイテックイメージングが一気にトップシェアに躍り出る
- カメラバッグ部門
- ハクバがその地位を拡大
- インクジェットプリンタ部門
- 2強の熾烈な争いは、5年ぶりにエプソンが制す
そこで今回は、これまでのBCN AWARDのシェアとも比較しながら、2018年上半期のカメラ業界のシェア動向をご紹介させて頂きたいと思います。
■デジタル一眼レフ部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | キヤノン(58.9%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | キヤノン(61.1%) | ニコン(34.4%) | リコー(4.2%) |
2016年間 | キヤノン(63.3%) | ニコン(31.6%) | リコー(4.8%) |
2015年間 | キヤノン(56.2%) | ニコン(36.7%) | リコー(6.7%) |
2014年間 | キヤノン(54.7%) | ニコン(39.1%) | リコー(4.5%) |
2013年間 | キヤノン(49.2%) | ニコン(42.5%) | リコー(5.2%) |
2012年間 | キヤノン(52.7%) | ニコン(35.1%) | ソニー(7.1%) |
2011年間 | キヤノン(46.3%) | ニコン(39.2%) | ペンタックス(7.5%) |
キヤノン僅かに後退、それでも圧巻のシェア
キヤノンはデジタル一眼レフ市場において、2018 BCN AWARD(実質2017年分)では61.1%という驚異のシェアを誇っていましたが、2018年上半期ではシェアを-2.2%とシェアを微減させましたが、それでもキヤノンが今もデジタル一眼レフ市場で突出したトップシェアを誇っています。
キヤノンがシェアを微減させた背景には、2年連続でシェアを回復させているシェア2位のニコンが、2018年上半期もシェアを伸ばし、キヤノンとの差を詰めたのではないかと考えられますが、ペンタックスのシェア動向も気になるところで、そちらは年間シェアの発表時に分かることでしょう。
■ミラーレス部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | キヤノン(30.1%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | オリンパス(27.7%) | キヤノン(21.3%) | ソニー(20.2%) |
2016年間 | オリンパス(26.8%) | キヤノン(18.5%) | ソニー(17.9%) |
2015年間 | オリンパス(34.5%) | ソニー(24.8%) | キヤノン(13.6%) |
2014年間 | ソニー(34.3%) | オリンパス(22.3%) | パナソニック(11.9%) |
2013年間 | オリンパス(28.9%) | ソニー(26.5%) | パナソニック(14.2%) |
2012年間 | オリンパス(29.8%) | パナソニック(23.3%) | ソニー(20.1%) |
2011年間 | オリンパス(36.6%) | パナソニック(29.3%) | ソニー(27.3%) |
2010年間 | パナソニック(38.7%) | ソニー(32.2%) | オリンパス(29.1%) |
遂にミラーレスもキヤノンがシェアトップに
以前から「2018年はミラーレスでもキヤノンがシェア1位になる?」という記事などで、EOS Kiss Mが売れ捲っており、2018年は遂にミラーレスでもキヤノンがトップシェアとなるのではないかと予想して来ましたが、やはり上半期のシェアはキヤノンが2017年から+8.8%と凄まじい勢いでシェアを上げ、ミラーレス市場でも国内トップシェアとなりました。
現在のラインナップで首位を取ってしまうキヤノンのブランド力と販売力には、只々驚かされるばかりです。
また価格帯と期間の問題からシェアに関して大きな影響を及ぼすとは考え難いものの、2018年ミラーレス業界最大の話題となりそうなニコンのフルサイズミラーレス機にも注目です。
■コンパクトデジタルカメラ部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | ニコン(31.0%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | キヤノン(27.9%) | ニコン(25.5%) | カシオ(17.2%) |
2016年間 | キヤノン(27.3%) | ニコン(22.1%) | カシオ(19.3%) |
2015年間 | キヤノン(30.5%) | ニコン(21.0%) | カシオ(14.8%) |
2014年間 | キヤノン(28.7%) | ニコン(15.3%) | カシオ(15.2%) |
2013年間 | キヤノン(20.0%) | ニコン(15.5%) | ソニー(15.4%) |
2012年間 | キヤノン(17.6%) | ソニー(16.5%) | ニコン(14.1%) |
2011年間 | キヤノン(16.9%) | ソニー(15.1%) | カシオ(13.9%) |
2010年間 | キヤノン(19.0%) | カシオ(15.2%) | パナソニック(13.9%) |
2009年間 | キヤノン(19.6%) | カシオ(18.6%) | パナソニック(14.6%) |
2008年間 | キヤノン(18.3%) | カシオ(15.4%) | パナソニック(15.2%) |
2007年間 | キヤノン(19.8%) | 松下電器産業(16.1%) | ソニー(14.1%) |
2006年間 | キヤノン(21.0%) | カシオ(16.3%) | ソニー(15.2%) |
2005年間 | キヤノン(18.5%) | カシオ(14.7%) | 松下電器産業(12.7%) |
ニコンが大幅シェアアップでトップに立つ
コンパクトデジタルカメラ部門は、毎年シェアを上げ続けたニコンが遂にキヤノンを逆転しトップシェアとなりました。
あくまでも上半期のデータであるため、2018年通年ではどうなるかは不明ですが、2017年通年と比較して上半期シェア+5.5%というのは相当な伸びであり、ニコンが年間でもコンパクトデジタルカメラのトップシェアとなる可能性は高いと言えるでしょう。
もしそうなれば、ニコンは13年連続トップシェアであったキヤノンの牙城を遂に崩すことになります。
■交換レンズ部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | キヤノン(20.7%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | キヤノン(21.9%) | シグマ(16.2%) | タムロン(13.7%) |
2016年間 | キヤノン(24.0%) | シグマ(14.3%) | ニコン(12.5%) |
2015年間 | キヤノン(24.1%) | ニコン(15.2%) | シグマ(13.5%) |
2014年間 | キヤノン(21.2%) | ニコン(15.2%) | シグマ(13.3%) |
2013年間 | キヤノン(20.2%) | ニコン(18.9%) | シグマ(12.6%) |
2012年間 | キヤノン(23.3%) | ニコン(19.6%) | タムロン(14.5%) |
2011年間 | キヤノン(21.7%) | タムロン(20.3%) | ニコン(19.7%) |
2010年間 | キヤノン(24.9%) | ニコン(20.4%) | タムロン(15.5%) |
2009年間 | キヤノン(26.3%) | ニコン(23.3%) | シグマ(14.1%) |
サードパーティーがシェアを伸ばす交換レンズ業界
交換レンズに関してはキヤノンが今年も1位を獲得していますが、近年の流れとして、サードパーティのレンズメーカーがシェアを伸ばしており、今回もトップシェアを堅持したとはいえキヤノンはシェアを微減させるという結果になりました。
近年のサードパーティ製レンズはコストパフォーマンスだけではなく、その性能面で積極的に選ばれる傾向にあるようです。
■ビデオカメラ部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | パナソニック(44.1%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | パナソニック(42.0%) | ソニー(38.9%) | JVCケンウッド(16.4%) |
2016年間 | パナソニック(41.8%) | ソニー(36.0%) | JVCケンウッド(19.9%) |
2015年間 | パナソニック(37.8%) | ソニー(36.7%) | JVCケンウッド(20.3%) |
2014年間 | ソニー(43.0%) | パナソニック(30.3%) | JVCケンウッド(16.2%) |
2013年間 | ソニー(37.1%) | パナソニック(27.8%) | JVCケンウッド(24.4%) |
2012年間 | ソニー(40.2%) | パナソニック(24.8%) | JVCケンウッド(18.2%) |
2011年間 | ソニー(33.6%) | パナソニック(25.6%) | JVCケンウッド(16.9%) |
2010年間 | ソニー(37.7%) | パナソニック(21.5%) | キヤノン(13.6%) |
2009年間 | ソニー(40.8%) | パナソニック(24.4%) | 日本ビクター(20.3%) |
2008年間 | ソニー(36.1%) | パナソニック(20.9%) | 日本ビクター(20.7%) |
2007年間 | ソニー(38.5%) | ビクター(20.7%) | 松下電器産業(15.9%) |
2006年間 | ソニー(35.5%) | ビクター(18.8%) | キヤノン(16.3%) |
2005年間 | ソニー(38.6%) | 松下電器産業(21.1%) | キヤノン(16.4%) |
2004年間 | ソニー(44.1%) | キヤノン(19.9%) | 松下電器産業(18.6%) |
パナソニックがリードを拡大
ビデオカメラ部門はパナソニックが近年着々とシェアを伸ばしており、2017年年間シェアに引き続き、2018年の上半期もトップシェアを獲得、そのシェアを拡大させています。
パナソニックは2015年に長年トップシェアであったソニーを破り、ビデオカメラ業界のトップブランドとなりましたが、その後少しずつ差を広げトップの座を固定化させつつあるようです。
■アクションカム部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | GoPro(72.9%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | GoPro(67.2%) | ソニー(9.5%) | パナソニック(7.3%) |
2016年間 | GoPro(51.2%) | ソニー(15.5%) | パナソニック(13.7%) |
2015年間 | GoPro(33.9%) | ソニー(25.4%) | パナソニック(20.5%) |
アクションカム市場はGoPro Inc.が独走
アクションカムは王者GoPro Inc.がさらにシェアを拡大しており、他社のアクションカム市場に対するやる気の無さをみると、その差は拡大していくように思います。
■三脚・一脚部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | ヴァイテックイメージング(17.3%) | 不明 | 不明 |
2017年内 | ハクバ写真産業(17.1%) | ベルボン(16.8%) | スリック(12.1%) |
2016年間 | ベルボン(18.2%) | ハクバ写真産業(13.8%) | スリック(10.3%) |
2015年間 | ベルボン(21.0%) | ハクバ写真産業(12.9%) | 新東京物産(11.5%) |
2014年間 | スリック(18.9%) | ハクバ写真産業(17.1%) | ベルボン(16.9%) |
2013年間 | スリック(25.7%) | ハクバ写真産業(18.3%) | ベルボン(9.4%) |
2012年間 | スリック(24.9%) | ハクバ写真産業(17.5%) | Joby(10.2%) |
2011年間 | スリック(28.9%) | ハクバ写真産業(18.2%) | Joby(13.2%) |
ヴァイテックイメージングが一気にトップシェアに躍り出る
三脚部門は大きな変動があり、トップシェアは、
- ジッツオ
- マンフロット
- ザハトラー
などを擁する、ヴァイテックイメージンググループがBCNランキング史上で初のトップシェアを獲得しました。
この突然の躍進は、販売店などが販売に非常に力を入れているマンフロットのBefreeシリーズのヒットの影響が大きいのではないかという気はします。
■カメラバッグ部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | ハクバ写真産業(28.3%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | ハクバ写真産業(26.7%) | エレコム(20.4%) | Lowepro(シェア5.0%) |
2016年間 | ハクバ写真産業(25.0%) | エレコム(20.2%) | ニコン(4.5%) |
2015年間 | エレコム(27.4%) | ハクバ写真産業(18.6%) | キヤノン(4.8%) |
2014年間 | エレコム(33.2%) | ハクバ写真産業(16.4%) | ソニー(5.1%) |
2013年間 | エレコム(29.1%) | ハクバ写真産業(13.7%) | サンワサプライ(9.2%) |
2012年間 | エレコム(30.8%) | サンワサプライ(15.1%) | ハクバ写真産業(13.8%) |
ハクバがその地位を拡大
カメラバッグ部門ではハクバ写真産業がトップシェアを更に拡大し、28.3%となっています。
カメラバッグは見かけ上のブランドの数ほど代理店があるわけではなないもの、それでもカメラなどと比較して選択肢の多いカメラバッグ市場で28.3%というのは、非常に高いシェアであると言えるでしょう。
■インクジェットプリンタ部門
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
2018上半期 | エプソン(45.1%) | 不明 | 不明 |
2017年間 | キヤノン(44.3%) | エプソン(42.5%) | ブラザー(12.1%) |
2016年間 | キヤノン(45.9%) | エプソン(40.4%) | ブラザー(11.6%) |
2015年間 | キヤノン(45.5%) | エプソン(39.1%) | ブラザー(10.9%) |
2014年間 | キヤノン(42.6%) | エプソン(39.4%) | ブラザー(12.0%) |
2013年間 | セイコーエプソン(41.6%) | キヤノン(40.0%) | ブラザー(10.8%) |
2012年間 | セイコーエプソン(42.5%) | キヤノン(40.1%) | ブラザー工業(9.7%) |
2011年間 | セイコーエプソン(45.0%) | キヤノン(39.3%) | ブラザー工業(8.8%) |
2010年間 | キヤノン(44.6%) | セイコーエプソン(41.8%) | ブラザー工業(7.6%) |
2009年間 | キヤノン(44.2%) | セイコーエプソン(42.8%) | ブラザー工業(7.7%) |
2008年間 | セイコーエプソン(44.6%) | キヤノン(42.5%) | ブラザー工業(7.4%) |
2007年間 | キヤノン(45.2%) | セイコーエプソン(44.7%) | 日本ヒューレット・パッカード(3.7%) |
2006年間 | キヤノン(46.5%) | セイコーエプソン(44.3%) | 日本ヒューレット・パッカード(3.2%) |
2005年間 | セイコーエプソン(45.9%) | キヤノン(43.4%) | 日本ヒューレット・パッカード(5.7%) |
2004年間 | キヤノン(59.6%) | セイコーエプソン(37.0%) | レックスマーク(2.0%) |
2003年間 | セイコーエプソン(51.6%) | キヤノン(45.6%) | 日本ヒューレット・パッカード(1.3%) |
2002年間 | セイコーエプソン(51.0%) | キヤノン(42..7%) | 日本ヒューレット・パッカード(3.5%) |
2001年間 | セイコーエプソン(50.4%) | キヤノン(38.2%) | 日本ヒューレット・パッカード(5.5%) |
2000年間 | セイコーエプソン(52.4%) | キヤノン(31.5%) | NEC(6.1%) |
1999年間 | セイコーエプソン(56.0%) | キヤノン(28.2%) | HP(6.2%) |
2強の熾烈な争いは、5年振りにエプソンが制す
インクジェットプリンタ部門では、キヤノンが4年連続で1位を獲得していましたが、2018年の上半期では遂にエプソンがトップシェアを奪還しています。
エプソンとしてはエコタンクモデルなど、ランニングコストを抑えたモデルに力を入れているようです。
ただ恐らく2位のキヤノンとの差は僅かでしょうから、下半期次第では年間シェアの首位をどちらがとるかはまだ予断を許さない状況でしょう。
Reported by 正隆