メリークリスマス皆さんこんにちは。
2021年も終盤となってまいりました。
今年、Amazing Graphで書いた記事でアクセス数が多かったよく読まれた記事はどれだったのか?
目次
- ソニーが生き残る道はZマウントアライアンスしかない
- 東京2020オリンピックプロカメラマンはキヤノン59.7%、ニコン31.2%、ソニー9.1%(352人を対象調査)
- LUMIX20周年、中身は良いのになぜ売れない?
- 最新カメラメーカーシェア発表!BCN 2021
- 名機ニコンZ 9の少しだけ残念な部分
- α7 IVとか只のポンコツでしょ。
- α1はオリンピックには使われないだろうけど、広告写真には魅力的だと思う。
- EOS R5の個人的おすすめメニュー設定一覧
- ボディ平均価格42万円。カメラ業界の異常性
- 2021年プロフォトグラファーが良く使っているカメラは?
そこで今回は、2021年Amazing Graphでよく読まれた記事ランキングトップ10をご紹介したいと思います。
皆さん良いお年をお迎えください
■2021年に読まれた記事ランキングトップ10
1位:ソニーが生き残る道はZマウントアライアンスしかない:2021年11月2日執筆
1位2位3位はいわゆるバズった記事なのですが、この記事は書いている時から反響を呼ぶだろうという感じはありました。
この記事は2021年11月に書いた記事ですが、今年書いた記事の中で最も伸びた記事となりました。
内容に関してですが、私は2012年の時点で「ソニーのミラーレスのその後の隆盛と衰退」を予見していましたし、そのことは2018年に書いた記事「ソニーはなぜカメラ業界のトップブランドになれないのか?」で詳しく説明しています。
その記事もかなり読まれはしたのですが、まだ当時はソニーが驀進していた頃なので「Eマウントの将来は暗い」と発言しても、そこまで共感を得られた感触はありませんでした。
しかし2021年に書いたこの「ソニーが生き残る道はZマウントアライアンスしかない」は多くの場所で取り上げられたようでした。それだけ2018年時点と現在では、カメラ業界の空気が変わってきているのだと思います。
キヤノンのEOS R6・EOS R5の登場によって、「フルサイズミラーレスはソニー一強とは言えなくなったかも」という空気に代わり、さらにEOS R3とZ 9の登場によって「これもしかして立場逆転してない?」と感じ始めた人が多かったのでしょう。
そのため2018年の頃よりも様々な立場の人に突き刺さるリアリティがあったのだと思います。
また「Zマウントアライアンス」という言葉も新鮮だったのでしょう。
賛同するかどうかはともかく「αをZマウントにするべき」という着想自体それまで多くの人が考えもしなかったことで、さらに広く発信したのはおそらく初めてだと思うのですが、この記事は2021年最も反響のあった記事となりました。
2位:東京2020オリンピックプロカメラマンはキヤノン59.7%、ニコン31.2%、ソニー9.1%(352人を対象調査):2021年7月24日執筆
これもかなり拡散された記事ですが、この記事はオリンピックを例に現実のプロ市場のシェアを説得力ある形で伝えるということが一つの目的でした。
プロ市場のシェアの順はジャンルによって多少の差はあれど全体的には、
- キヤノンは一杯いる
- ニコンも普通にいる
- ソニーも見かける
こんな感じで、それはプロならほとんど全員の体感だと思います。
オリンピックは多くのフォトグラファーが集まり一番わかりやすい為、オリンピックを題材にこの記事は書かれました。
膨大な数を調べかなりの手間をかけて書かれたのがこの記事で、この記事が書かれてからは、近年流布されていた「プロがαだらけ」系のデマは減ったと個人的には思っています。
3位:LUMIX20周年、中身は良いのになぜ売れない?:2021年9月28日執筆
これはタイミングが味方したのか予想を大きく上回る反響を頂きました。
内容的にはLUMIXの歴史を振り返るものですが、主にレンズ交換式カメラの流れを書いたもので、実際にその時代にいた人でないと分からないような空気が伝わる内容になったと思います。
4位:最新カメラメーカーシェア発表!BCN 2021:2021年1月18日執筆
これは個人的には重視していない記事だったのですが、メーカーシェアというのは多くの人が気にしているようでやけに伸びていました。
ドメインパワーで、
- カメラシェア
- カメラメーカーシェア
といったいずれのワードでも現在Google検索の1位になっているので、単にそれだけの理由だと思います。自分でも何を書いたのか覚えていないような中身のない記事です。
5位:名機ニコンZ 9の少しだけ残念な部分:2021年10月28執筆
これは大好評であるニコンZ 9の「ん?」と思った部分を書いた記事で、それほど深いことは書いていません。
ただZ 9自体はご存知のように評価も高く、私も素晴らしい機種だと思っていますが、後追いで絶賛記事を書いても意味がないので、敢えて少し残念に思った部分を取り上げたことで伸びたようです。
こことここは残念だけど「総合的に見て予約開始されたらすぐ予約するべき」という内容で、記事の最後の締め方も気に入っています。
6位:α7 IVとか只のポンコツでしょ。:2021年10月22日執筆
このツイッターのような短文記事がなぜ伸びたのか意味不明ですが、謎のバズり方をしていました。
7位:α1はオリンピックには使われないだろうけど、広告写真には魅力的だと思う。:2021年1月31日執筆
ソニーのα1がスポーツや報道用のカメラとしては成長が見られず全然ダメであること、同時にむしろスポーツよりもコマーシャルフォトのようなジャンルなら使えるという内容の記事でした。
高画素・高速連写を両立するというこれまでにないフラッグシップ機を実現し、大きな話題になった機種ですが、α1はそもそもプロ機としてコンセプトがおかしいと思います。
操作系もスポーツフォト用になっていないのでスポーツフォトグラファーに最適とは言えず(実際オリンピックでも結果が出なかったわけですし)、かと言って高画素を必要とするコマーシャルフォトグラファーに超高速連写なんて要らないわけで、一体誰に向けて作ってるカメラなの?ということです。
かと言って色々撮影したいという一般の人が買うにはα1は高すぎるでしょう。
8位:EOS R5の個人的おすすめメニュー設定一覧:2021年1月17日執筆
これは個人的なEOS R5の設定を書いたもので、EOS Rシリーズを使っている方などは、EOS R5でなくても共通して使える設定もあると思いますので参考にしていただければと思います。
ただ実際に設定で圧倒的に時間がかかるのはピクチャースタイルエディターの調整をすることですし、フォトグラファーにとってはそれが一番大切なことだと思っているので、この記事で説明している設定というのは表層的な部分ではあるのかなと思います。
9位:ボディ平均価格42万円。カメラ業界の異常性:2021年4月22日執筆
高級機やハイスペック機はマニアの話題性や利益は高いものの、そうした機種ばかりが受けるようになると、一般の人を写真趣味から遠ざけるとともに、写真愛好家を育てる裾野を狭め、やがてはカメラ業界の衰退に繋がると思っています。と言うかもう明らかにそうなっているわけですが。
高いカメラ「しかない」という状況は、一時的には利益が出ても長い目で見てカメラ業界や写真文化に良い結果をもたらさないと思っているので、この記事を書きました。
そして割と多くの人が「最近のカメラやレンズは高いなぁ」と思っていたところに刺さって伸びたのだと思います。
この記事がきっかけで予想外のところで副産物というか、新しい意見が出てきたことも良かった点で、それは、「最近のカメラが高いんじゃない、日本の実質経済が先進諸国と比較して伸びていないことが原因で、ちゃんと収入が増えている他国の人にとっては別にカメラは高くなっていない」という意見でした。なるほどと思いました。
政治的な議論にまで発展していたのは、この記事を執筆していた時には全く予想もしていなかったことで、とても良かったと思います。
10位:2021年プロフォトグラファーが良く使っているカメラは?:2021年1月25日執筆
これは実質的にプロ向けの専門誌であるコマーシャル・フォト(スタジオなんかがよく定期購読で置かれています)が、2年に1度のペースでプロフォトグラファーを対象にとっているアンケートを元に発表される「フォトグラファーズ白書」の結果を元に書いた記事です。
フォトグラファー白書の内容は、
- フォトグラファーとしての収入やキャリア
- 最近はどんな仕事が多いのか(雑誌なのかWeb媒体なのか広告写真なのかなど)をしているのか?
- どんな撮影機材を使っているのか?
といったフォトグラファーの動向を調査したもので(実際は質問内容はかなりあって答えるのはちょっと面倒なのですが)、主に雑誌や広告業界で活動しているプロの傾向がわかるという恒例の調査です。
その一部である、おそらくカメラファンの方には一番興味があるであろう「どんなカメラを使っているのか?」という部分を抜き出して書いた記事です。
ここ10年くらいの傾向として全体的には少しずつ伸びていたフォトグラファーの年収が、2021年度版(調査は2020年末時点)では、収入は横ばいで、やはりフォトグラファーもコロナの影響は免れなかったわけですが、広告費が減少するなどして大きな影響があったかと思いきや、飲食や観光業のような大打撃ではなかったようです。
それよりも最近少しずつですが、世の中と同じくフォトグラファーも収入格差が広がってきているようで、フォトグラファー白書に応えるような人はフォトグラファーの中でも「ちょっと余裕がある人」だと思うのですが、その中でも格差が広がりつつあるということは、若いフォトグラファーなどはかなり無理のある安い単価で仕事をさせられているのではないかと危惧しています。
以上、2021年アクセス数が多かった記事のランキングでした。
皆さん良いお年をお迎えください